夕焼けの色に染まった教室
いつも賑やかな誰もいない静かな放課後の廊下
忘れ物を取りに戻ってきたそこには
締りのない君がいた
何かを考えているような、何かを見つめているような
夕焼けの教室で1人
そんな君を見つめながら忘れ物を取り教室を出ようとする
その時
「あ、飛行機雲」
「綺麗だよね、君もそう思わない?」
彼は夕焼けの綺麗な空に負けないくらい優しい目で笑ってきた
僕はそれに戸惑いながらも彼の近くへよった
そして彼はまた口を開いた
「友達」
訳が分からなかった
でも気づいたら口が勝手に喋っていた
「友達になろう」
彼は驚いた目で見つめてきた
そしてニッコリ優しい笑顔で
「友達」
そう返してきた
それから彼は現れてはいない
幻想だったのかもしれない
でも僕は大切なことに気づいた気がするんだ
「友達」
END