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山本が宿儺の指を手にした瞬間、画面にボス呪詛師の顔が映し出される。その背後に、見覚えのある人物が立っていた。
山本の目が大きく見開かれた。
「お前…!?」
その人物は、第一話で山本を救ったあの呪術師、楠本悠真だった。
楠本は冷徹に笑みを浮かべながら、一歩ずつ近づいてきた。
「ようやく気づいたか、山本麹。」
山本は呆然とした表情で楠本を見つめる。
「お前、最初から俺を裏切るつもりだったのか…?」
楠本は無表情で頷く。
「そうだ。最初から、君なんかには興味はなかった。」
山本は口を開けるが、声を出すことができなかった。
「俺の目的は宿儺の呪力を取り込むこと。」
楠本が手を上げると、壁に埋め込まれた呪符が次々と発動する。部屋の中に呪力が充満してきた。
「君が手に入れたその指、俺のものだ。」
その言葉とともに、楠本の体から黒いオーラが膨れ上がり、宿儺の呪力が彼の体内に吸い込まれていく。
「呪術界の強者として君に勝つつもりはないが…これで俺が神になる。」
山本は怒りに震えながら、呪力を練り上げて楠本に立ち向かう。
「お前が…裏切り者だったなんて…」
楠本は軽蔑するように口元を歪めた。
「君みたいな無能が、呪術の世界に足を踏み入れたことが運命の誤りだ。」
山本は必死に呪力を集め、必殺の術式を発動させる。
「…でも、僕は…諦めない!!」
楠本が放つ呪力の波動は強烈で、山本を圧倒する。だが、山本は何とかそれをかわしながら戦い続ける。
「お前なんかに宿儺の力は渡さない!」
山本は怒りと決意を込めて呪力を放つが、楠本の呪力がそれを上回り、押しつぶすように攻撃を繰り出す。
楠本が嘲笑う。
「ふふふ、無駄だ。宿儺の呪力が宿った俺には、君の呪術なんて通用しない。」
山本は一瞬、絶望を感じるが、心の中であの時の言葉を思い出す。
「絶対に諦めない。仲間のためにも、呪術師として生き抜くんだ!」
その言葉を胸に、山本はもう一度立ち上がる。
「…それが君の力か?」
楠本はさらに呪力を強化し、圧倒的な力で山本を追い詰める。だが、山本の瞳に不屈の決意が宿る。
「お前には、俺のこの力が理解できないだろう!」
山本は全力で呪力を解放し、楠本に対して一撃を放つ。それは、宿儺の呪力に匹敵するほど強力な一撃だった。
その瞬間、楠本は驚愕の表情を浮かべる。
「な…なんだ、この力は…!?」
楠本は苦しみながら倒れる。その時、彼の体から黒い呪力の渦が暴走し、崩壊が始まる。
「お前が手にした宿儺の呪力は…俺には制御できなかった。」
山本は呆然とした顔で、倒れた楠本を見つめる。
「こんなことになるとは…」
その瞬間、五条悟が現れ、状況を一目で把握する。
「うーん、やっぱりなー。どんなに優秀でも、裏切りはダメだね。」
七海建人が冷静に言う。
「楠本の呪術は、宿儺の呪力を無理に取り込んだ結果、暴走した。自業自得だ。」
山本は怒りと悲しみが入り混じった表情で答える。
「でも…彼の裏切りには理由があったんだ…」
五条は肩をすくめる。
「まぁ、裏切りの理由なんて、俺たちには関係ないけどね。宿儺の呪力が暴走したことで、あとは大変だ。」