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#文豪ストレイドッグス
120
中也が最初に思ったのは、呆れにも似た感情だった。
「 なにそれ 」
目の前の男は、相変わらず何を考えているのか分からない
けれど、ほんの少しだけ──空っぽに見えた。
「愛なんて知らないよ」
軽く言ったその言葉に、嘘はなかった。
知っているふりをしているわけでも、知らないことを恥じているわけでもない。
ただ、本当に“ない”のだ。
中也は眉を顰める
『……は?』
「だから、知らないのだよ 、教わったこともないし、別に必要だとも思わなかったし」
まるで、どうでもいいことのように言う。
その瞬間、胸の奥がわずかに軋んだ。
ああ、
こいつ、可哀想だな。
自然とそう思っていた
羊に拾われ、首領に仕え、形はどうあれ“誰かと繋がっていた”自分とは違う”
こいつは、最初から最後まで、一人だったのだろう。
俺が教えてやればいい
ただのノリだ、仕方なく教えてやるだけで特別な感情などない
⸻
最初は、本当に些細なことだった。
一緒に飯を食うとか。
勝手に部屋に入り込んできた太宰を追い出さずに、そのままにしてやるとか。
「これ、美味しいね 」
『 だろ。俺が作った』
「へえ、中也ってこういうこともするんだ」
『”こういうことも”ってなんだよ』
くだらない会話をしながら、同じ時間を過ごす。
それが何なのか、中也は深く考えなかった。
ただ、“こういうのが愛ってやつだろ”くらいの認識で。
太宰もまた、何も言わなかった。
けれど、時折。
ほんの一瞬だけ、理解できないものを見るような目をしていた。
他にはとにかく傍に居てみる事にした
「 ねぇ、最近変だよ中也 」
太宰は本から顔を上げず言う
『 … 別に、普通だろ』
「 妙に近くにいる気がする」
ゆったりと起き上がった太宰はそのまま中也をみる 。
探るかのようにほんの少し目を細めた
『 五月蝿え、大人しくしてろ 』
体を預けるように太宰に寄りかかった 。
「 ねぇ、重いのだけど 」
文句を言いつつも太宰は押し返したりはしなかった 。
そうやって俺はよく太宰の隣に居るようになった 。
そして4年後
再会はもっと軽いものだと思った 。
顔を合わせて、軽口を叩いてそれで終わり
だなんてそんなものだろうと思っていた。
けど実際は違った
「久しぶりだね中也 。」
『 急にきて何の用だよ 、』
「 私ねやっとわかったよ」
軽い調子で太宰は続ける 。
「”愛”ってやつ 」
あの頃知らないと言い切っていたそれを
そしてそれを今でも覚えているという事実 。
「君が教えてくれたから」
さらりとした口調
『… 何が言いたいんだよ 』
いつもと違う彼奴に妙に違和感を覚えた
「好きだよ、中也」
静かに落ちた言葉
中也は答えない
あの頃俺が教えたかったのはそういう事じゃない
好かれるなんて1ミリも思わなかった
だけど、一緒にいるうちに違う感情も持っていた
それが恋かもわからない
「 別に答えを求めている訳では無いよ」
『 手前は本当に俺に何がしたいんだよ 』
ほんの少し迷いが混じる 。
太宰は一瞬目を丸くして驚いた
その反応にまた落ち着かなくなる
太宰はその後ふっと笑った
「そこまでして悩む君を見るのは初めてだよ中也 」
俺はその反応に少し懐かしさを覚えた
「 私みたいな奴に好かれるなんて、可哀想 」
軽く言ったはずの言葉が妙に引っかかり、 妙に重く感じた 。
コメント
11件
ちょっっっっっとまってくださいちょ、まじで、え???ななな何食べたらこんな神作ができるんですか???
はッ…はッ……うぅ"っ!!!(泣) 好きすぎて泣いた……なっ、わっ、わァあ…ッ!!(ちいかわ) 何ですかこの神作品!!!?よくあのヒントゼロのプロットからこんな解像度2300%の作品生み出せましたね!?本っ当にもう…うわああ!!!😭😭ごめんなさい良すぎて情緒不安定です!! ほんと…本当に、まじで、有難う御座います大好きです…………😭😇
うっふぇふぇふぇふぇふぇなんだろうすごく美味しくて丸呑みした(????) 最初は愛を知らなかった太宰の方が可哀想だったのに、最後で立場逆転してるとかもう神すぎてやばい