テラーノベル
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歌詞パロ 初めてなのでご愛嬌
wkmr
浮気
全てomr目線
世界線はおまかせ
お借りした楽曲
Traveling…旅、旅行
または、バスケットボールにおける、反則。
「…ただいまー。」
…返事なし。仕事だもんね若井。
現在時刻はお昼の3時頃。
ホテルのチェックアウトを済ませて自宅に直帰した。
涼ちゃんと3泊4日で旅行に行ってきた。
若井は仕事の都合でスケジュールが合わず。
今度は若井も一緒に行きたいな。
「すぅ……はぁ……帰ってきた〜…!」
玄関で深く深呼吸。
4日以上家を空けることなんかザラにあるのに、今日は不思議と懐かしく感じた。
ほんの少しだけ若井を感じる匂い。
あぁ、やっぱりここで、貴方と過ごすのが一番幸せなんだな。
靴を脱ぎ、スーツケースのタイヤを拭いて部屋へ運ぶ。
よいしょよいしょと運び、スーツケースを開けて中身を片付ける。
こういうのはパパッと片付けてしまった方が気持ちも楽になるしね。
「…よし、片付け終わり。」
途端にやることがなくなってしまった。
今日この後の予定は何もない。若井の帰りを待つだけだ。
「…お風呂入ろうかな。」
若井が帰ってきたらたくさん甘やかしてもらおう。
服を持って浴室に向かう。
服を脱いで裸になり、シャワールームに入って。
お湯を浴びながらふと足元を見ると、排水口が目に入った。
…そういや最後に掃除したのいつだったかな、せっかくだし軽く掃除しよう。
そう思い、全身をちゃちゃっと洗ってから一度眼鏡を掛け、排水口を掃除する。と、
排水口に絡まった亜麻色の新しい髪。
……誰の髪の毛だこれ。
明らかに僕じゃない、若井でもない。涼ちゃんだって僕が聞く限り家に上げてない。
てか涼ちゃんはこんな長くないし明るくもない。
「若井、を、疑うしか、ない、よね。」
そもそも、こんな感じのことは初めてじゃなかった。
過去にはヘアゴムが置いてあったり、誰かしらの香水の匂いをつけて帰ってきたりした。
共演者かなとか思ったけど、香水の匂いが付くほど接触をすることはないだろうし。
隠しきれてない、若井のTraveling。
でも僕はそれに気付かないふりというTravelingをしてきた。
だって若井を愛してるから。
世界一愛おしい人だから。
ひとまず排水口の掃除を終わらせ、シャワールームを出て服を着る。
ドライヤーを済ませ、リビングのソファに深く座り込んだ。
亜麻色の髪の毛、ヘアゴム、香水…
目を閉じると、過去の証拠を目の前にした時の光景が次々浮かび上がる。
「…っ、はぁっ、……」
気づけば涙が流れていた。
拭えど拭えど 溢れ出てくる。
あぁ、情けないなぁ。
なんで 許してるんだろう。
なんで 嫌いになれないんだろう。
なんで 離れたいと思わないのだろう。
全然良いと思ってないのに。
許しちゃう僕はだめだなぁ。
「ぅう……っああぁ………!」
誰か僕のことを叱って。叱って、ダメだなって。
自身の額をばんばん叩く。
そんなんで涙なんか止まるわけがない。
でも止めなければ。
ようやく涙が止まったのは日が暮れてきた頃。
若井が帰ってくる前に、いつも通りの僕に戻らないと。
とりあえず掃除をしよう。
掃除機をかけ、フローリングワイパーを床全体にかける。
ある意味夢中になれた。
余り物で夕食を作り、忘れたい一心で家事をする。
いつも通り良い子になっておこう。
ここまで来たら完膚なきまでに良妻を演じてやる。
僕はきっと若井から離れることはできない。
恋愛に限っては小心者だから。
いつもより少し丁寧に家事を終わらせ、洗面所の鏡で自分を見つめる。
「…っははっ…ひどい顔。」
泣いたせいで目は真っ赤に腫れて。
笑みを作っても偽物だと簡単にわかるクオリティの低さ。
保冷剤をハンカチで包んで目に当てる。
少しでも腫れを無くすため。
意味があるか分からないけど。
リビングのソファに座り、一人ぽつんと目に保冷剤を当てる成人男性。
傍から見れば随分滑稽だろう。
…そろそろいいか。
目から保冷剤を離し、再び洗面所へと向かう。
「…うん、まだマシかな、」
先程までの、明らかに号泣したような目の腫れは少し消えた。
保冷剤を冷凍庫に戻す。
問い詰める?黙っておく?どっちがマシ?
…僕が我慢すればいい。生き地獄みたいだけど。
でも聞けばお互いに生き地獄。
その時、ガチャリと玄関のドアが開く。
『ただいまー。あ、帰ってきてたんだ。』
芸能人オーラ丸出しの変装姿。でもかっこいいな。
「…おかえり。」
『ただいま。どうだった?涼ちゃんと旅行。』
「楽しかったよ。今度若井も一緒に行こうね。」
『うん、楽しかったなら良かった。聞いてよ、今日さ、向こうの人が─』
何故、笑うのだろう。
僕には興味が無いはずなのに。
「へぇ、そうなの、びっくりだね、それは。笑 」
『でしょ?!俺もちょーびっくりしてさ。』
あぁ、やっぱり貴方と話すのが、貴方といるのが一番幸せ。
いいと思ってないのに、愛しちゃう僕はだめだな。
いいと思ってないのに、許しちゃう僕はだめだな。
いいと思ってないのに、繋いじゃう僕はだめだな。
築いて、気付いて、傷居て。
幸せって、なんだろうね。
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