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まよ
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糸師凛は、カッコイイ。
抱かれたい男ランキングはトップを独占。
モデル雑誌の表紙を飾れば、SNSでは大騒ぎされるような、1000年に1度と言われるような、顔面偏差値の高さだ。
だが、1つ問題があった。
(彼氏に可愛いって思われてぇ……!!)
……全く、可愛いと言われないことだ。
潔side
「……やべぇ。」
スマホで凛のサッカーのインタビューを見ながら、ボソッと呟いた。
俺の彼氏────糸師凛は、あまりに顔面偏差値が高い。
馬鹿でも分かるあのカッコ良さ、美貌。毛穴という概念をまるで知らないようなすべすべの肌。
さすが凛!俺の彼氏!かっこいい!
なんて言葉が脳内で反響したが、そんなことを口に出そうものなら本気のゲンコツを食らうのでやめておいた。
さて、ここからが本題だった。
今日は凛とのデート。楽しみすぎて30分前 に髪をセットして、少しオシャレな服に身を包んで、駅前で待ち合わせをしていた。
(凛はいつ来るんだ……いや俺が早く来すぎたのが悪いけど……!悪いけど……!!)
つま先が地面をトントン、と叩いた。
潔世一は、待てる人間ではあるが、凛のことになると頭のネジが1本、いや数本外れる。
しばらくすれば、人々がモーセの海割りのように避けて2度見も3度見もしていた。
頭の中がハテナでいっぱいになった時、目の前の男に釘付けになった。
……凛だ。
だが、様子がおかしい。
凛の頬はほんの少しだけ赤く、自分の指先を絡めてもじもじしていた。
そして、服もだ
いつもはスタイリッシュで、The!イケメン!という服を着てくるくせに
緩めの白のパーカーに、色のよくあっている上着。そして、足が細く見える黒のズボン。
「……いさぎ……」
「な、なん、凛……?」
……やばい。
やばいやばいやばい。
((俺の彼氏が、カッコイイ……!!!))
潔も潔で、トレンドに程よくあったストリート系ファッションだった。
童顔に緩めのスカジャン、カッコイイプリントがされたシャツにジーパン、赤色のスニーカー。
刺さる人には刺さる。そんな装いをしていた。
刺さる人、……というのは、間違いなく凛である。
「……クソ潔のくせに調子乗ってんじゃねー。ばか。」
「はっ、はあ!?お前、黙ってるかと思ったら今度は文句かよ!!」
思いっきりゲンコツをくらった。
凛の耳は真っ赤だった。
……潔に、可愛いって思われてー。
そう思ったのは、付き合って割とすぐだった。
糸師凛、16歳。今までずっとサッカーに集中していたのと、周りに群がってくる女がウザかったせいで恋愛のれの字もない人生を送ってきた。
だが、そんな凛にも彼氏が出来たわけで。
そして、その彼氏に可愛いと思われたいのは必然なわけで。
丁度予定が合って約束していたデートの日に、ちょっとしたカワイイファッションとやらをしてみた。
なのに、
なのに
可愛いって言ってくれねぇ!!
糸師凛可愛い大作戦は、まだまだ続く。
コメント
1件
もう最高に尊い……!顔面偏差値モンスターで抱かれたいランキングトップの凛が、まさか「彼氏に可愛いって思われたい」って願望でおしゃれしてモジモジするとか。潔くんの「凛のことになるとネジが飛ぶ」も可愛すぎるし、互いに気合い入れた服装なのに照れ隠しでゲンコツの応酬になるところ、めっちゃ好きです。続きが気になる……!