テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
夜中、ふと目が覚めると、いつの間にか亮平くんが帰ってきていて私の隣で眠っていた。
彼は既に規則正しい寝息を立てていて、だいぶ前からここにいたのは明白だった。
本当に私を起こさないように布団に潜ってくるの上手いよなぁ、と感心すると同時に、またおかえりって言ってあげられなかったなと寂しくもなる。
……恋人の亮平くんが仕事で忙しくなり、別々のタイミングで寝るようになってからもう1ヶ月。
当初亮平くんは、夜中に私を起こしてしまうのが申し訳ないからしばらくリビングのソファで寝ると申し出てくれたのだけれど、仕事で疲れていて寒がりでもある亮平くんが1ヶ月もソファなんかで寝ていてはゆっくり休めず体に障るからと私が止めた。
そういういきさつがあるので、亮平くんは、細心の注意を払って本当に静かに布団に入ってくる。
気遣いに感謝はしているけれど、正直、寂しい。
起こされたとしても、亮平くんと少しでも言葉を交わせるならそれでいいのにな、なんて。
こんな気持ちでいるのは私だけで、亮平くんは私と話せなくたって全然平気なんだろう。
愛してくれているが故の行動だとはわかっているのに、頭の片隅ではどこかそんな捻くれたことを考えてしまって。
どうせ私ばっかり好きなんだ、と思ったら何だかムカついてきて、いても立ってもいられなくなって───数分後、私はのそのそと起き出し、亮平くんの寝巻きに手をかけていた。
スウェットのズボンを下ろし、下着まで脱がせても、亮平くんは一向に起きない。
疲れてるもんね……と一瞬心が痛くなりかけたけど、いや私は今怒っているんだから、と思い直して。
「起きない亮平くんが悪いんだからね……」
そんな屁理屈を独りごちながら、私は亮平くんのモノを手で上下に扱き出した。
この1ヶ月、当然のように私と行為はしていない。
さすがに私が知らないところで抜いてはいるんだろうけれど、それでも亮平くんのそれは、すぐに硬くなって。
久しぶりに見るそれに我慢できなくなって、私はその先端に、ちゅ、と強く吸いついた。
『……ん、っ』
ぴく、と体が震えて、亮平くんは微かに眉を寄せた。
寝ていても感じてくれているようで嬉しくなって、私は一気に奥まで咥え、裏筋を舌先でなぞった。
『うぁ、く……っ!』
亮平くんの綺麗な顔が快楽に歪んで、呻きが喉奥から漏れる。
亮平くんの弱点も、気持ちいい顔も、知ってるのは私だけ。
そんな優越感に浸りながら夢中で舐めていると、亮平くんはやっと目を覚ました。
『え、〇〇……っ!?』
「りょへくん、ほはよぉ♡」
『ちょ、咥えたまま喋んないで……っ!
あ゛ぁぁ、イっく……っ!』
「っ、んく、」
容赦ない刺激に耐えられなかった亮平くんのそれは、呆気なく私の喉奥に欲を吐きだした。
余韻に浸って荒い息を吐いていた亮平くんは、やがて我に返ったように身を起こし、着衣を整えながら慌てて箱ティッシュを差し出してきた。
『ご、ごめん……!これ使って、』
完全に被害者なのにそれでも謝ってくれる亮平くんの優しさを愛おしく思いながら、私はごくん、と喉を動かして大きく口を開けてみせた。
「……んへ、亮平くんの濃ぉい笑」
『え!?飲んじゃったの!?』
今まで何度も口でシているけれど、実際口内に出されたのは初めてだった。今日はそれだけ余裕がなかったのだろう。
いつも冷静な亮平くんを慌てさせることができた気がして妙に嬉しくなる。
「うん、1回飲んでみたかったから……ダメだった?」
『だ、ダメじゃないけどっ……!
……〇〇、今日本当にどうしたの?何かあった……?』
「……っ、」
心配そうに訊いてくる亮平くんに、また心がギュッとなる。
やっぱり、寂しいのは私だけなんだ……
私は俯いて、やけに明るい声で切り出した。
「……亮平くんはさ、私と1ヶ月くらい話せなくても何とも思ってないんでしょ?」
『……え?』
「私は寂しかったけど、そんなこと言ったら重いよなってずっと我慢してた。でももう言っちゃう。亮平くんばっかり平気そうにしてるの、なんかムカつくんだもん笑」
『……〇〇』
私を呼ぶ亮平くんの声がぐっと低くなる。顔を見なくても怒っているとわかった。
そりゃ仕事を頑張っている時にそんな我儘を言われたら迷惑に決まっているだろう。
「……ふふ、怒ったよね?」
『……怒ってるよ。寂しいの言ってくれなかったことと、俺は寂しくないって勝手に決めつけられてることに対してね』
「……へ?」
予想していなかった言葉に顔を上げると、亮平くんは寂しげな笑顔を浮かべていた。
『……平気なわけないじゃん。俺がこの1ヶ月、どれだけ〇〇のこと起こして抱きしめてただいまって言いたいの我慢してたと思ってるの?』
「亮平くん……」
『朝起きると、〇〇必ず笑顔で行ってらっしゃいって言ってくれてたでしょ?ありがたいなって思いつつも、寂しいのは俺だけなのかな、とも思ってた。
俺たち、ずっと同じ気持ちだったんだね』
寂しくさせててごめんね、と優しく抱きしめてくれるから、涙が滲んできてしまう。
亮平くんはそんな私を、愛おしげな微笑みで包み込んでくれた。
『〇〇が想像してるよりもずっとずっと、俺は〇〇のことを愛してるし、大切に思ってるから。
だから、もっとたくさん俺に甘えて?』
「うんっ……
亮平くんもだよ?亮平くんも、たくさん私に甘えてね?」
『ふふ。うん、ありがとう』
そんな甘々な会話を交わして、久しぶりの温もりにホッとしていると──やがて亮平くんは、私を優しくベッドへ押し倒した。
『……さて、と。
甘えてって言った以上、今すぐにでも思いっきり甘やかしてあげたいところだけど、まずはお仕置きが先だね?笑』
「……え?お仕置き……?」
『さっきのあれ、なーに?
俺、〇〇のことを人の寝込みを襲うような悪い子に躾けた覚えないんだけどなー?笑』
「……えっと……」
あ、嫌な予感する。冗談めかした言い方してるけど、目が笑ってないもん。
「で、でも、亮平くん明日も早いでしょ?起こしちゃった私が言うのも何だけどさ、今日はもう寝た方がいいんじゃないかなぁって……あはは、」
『うん、そのはずだったんだけどね?
毎日頑張ってたら仕事が思ったより早く片付いてさ、明日は急遽オフになったんだ。
確か明日は〇〇も休みだったよね?だから……』
夜更かし、しようね。朝まで。
妖しい微笑みを浮かべた亮平くんに耳元で囁かれ観念した私は、絶望と期待が綯い交ぜになった気持ちを抱えたまま無抵抗で頷いたのだった。
コメント
1件
はぁ〜最高です!マジで想像しただけで、背筋がゾワゾワッとなると同時にどこかこんな姿を生で見たいという自分もいて…。つまり、阿部ちゃんのドSはなんぼあってもいい!