めりくり~っ!!
あと20分位で仕上げたい……、
クリスマス
今日は12月25日。クリスマス当日。
街中が浮かれている。そんな中、こんな思いをしているのはきっと自分だけだろう。
こんなに孤独なくりすます…今までなかったのに…。
「あお…まだかな」
もうお洒落をしようと買った新品の腕時計の針は、もう5時20分を指していた。
青との約束時間は3時。
青の事だから、対したかとはないだろうと
判断した。この間違った判断がいけなかったのかもしれない。
「流石に遅いな。」
と彼の電話番号ボタンを押す。
ぷるるるる、ぷるるるる、といつも通り鳴る
音が、今日は少し孤独感を感じた。
何度掛けても電話には出なかった。
そして、やっとまさか…っと勘付いた俺は
赤に連絡をした。
「桃ちゃん…あのねッ、青ちゃん……」
それだけ言うと、言いにくいのだろう。
涙を啜る音しか聞こえなかった。
そこでやっと確信した。
青が帰らぬ人となった。そんな事…誰が信じるかよ。いや、これ以上は虚しくなるだけだ。
無駄に冷静な判断をすると、病院にと向かった。涙の声が病室に鳴り響く。
こんなの…あんまりだ。
無駄に綺麗な顔をまじまじと見る。
俺は付き合ってから初めてのくりすますでーと
で浮かれていた。あの街中の誰よりも、
でも、其の時、青はこんな目に。
それが悔しかった。どうしようもなく。
だから、青がいない世界はもう嫌だから、
だからこの浮かれた空気から音を消して、
あおに会いに行こうと思う。
その想いは変わる事はないし、
誰に言われようが今すぐに、
日が変わる前に。
それから近くのビルの屋上へ向かう。
時刻は23時59分。ちょうどいい時間だ。
そして、そのまま、やけに目につく月から
目を逸らそうと目を閉じた。
この世界、ばいばい。
そして、青、待っててね
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