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★ Wakai Hiloto side
「お邪魔しまーす」
マネージャーに元貴の家まで送ってもらい、
久々に元貴の家へと上がる。
『はーい、なんか飲む?』
『コーラしかないけど』
「あー…相変わらずコーラ漬けなのね……」
コーラ大好き星人こと大森元貴。
俺のバンドのボーカルで中学からの幼馴染。
元貴の家にはずーーーっとコーラしか置いてなくて、 逆に怖い。
コーラ好きだからいいんだけどね、別に。
『今度お茶と水買おうと思ったけど忘れててさ』
「買って来よっか?今度来る時」
『いや別に。コーラで全然いいから』
誰も上げる予定ないしねーと言ってキッチンへ足を運ぶ元貴。
元貴のキッチンへ行くと、青色のコップにコーラを注いでいた。
3人みんなで元貴の家に集まることが多いため、
それぞれメンバーカラーのコップが置いてある。
ん。と俺にコップを手渡すと、赤いコップを取り出してコーラを注ぐ。
もう片方の手で赤いコップも受け取り、 ダイニングテーブルにコップを置いて 元貴と向かい合わせに座った。
『はーーー、コーラうめーー……』
『コーラと結婚したーーい』
背もたれに体を預け、にへーと笑う元貴。
「…………頑張れ」
『いや感想薄………』
『まあ切られちゃったからなー』
元貴はるんるんでお菓子を取りに行く。
契約解除されたのに、呑気な奴……まあ元貴がそこまで気にしてないのは知ってるけど。
んで?と元貴が声を上げる。
『どうしたの、相談って。』
『りょうちゃん?』
こく、と頷くと、だと思った〜とはぁと深いため息をついた元貴。
ほぼほぼ りょうちゃん以外で元貴に相談したことないもんなぁ…
お世話になりすぎてる……
りょうちゃんが何?と聞かれ、ぅ、と声が詰まる。
「やー…あの……」
恥ずかしがっていると、元貴は眉間に皺を寄せる。
早く言え、とでも思ってるんだろう。
「……まださ、…きす…も、したことないから…」
「どーしたら…出来るかなぁ…って、」
え?と元貴が声を出す。それに続いて、俺もえ?と声を出す。
『…………キスも?』
『え、…お前ら付き合って1年だよね…?』
困惑の感情が滲む声に うん。と頷くと、顔をしかめる元貴。
『…小学生?』
「………なんか、そんな気がしてきた。」
俺って小学生なのかな。子ども扱いされてる?
一応りょうちゃんと3個しか変わんないんだけど……
『倦怠期とかでもないんだよね?』
「うん、まあ、いつも通り…?」
『……………子ども扱いされてるね。』
「だよねぇ………」
おれだってとっくに成人してるのに……とぶつくさ言いながら、
キッチンにコーラのおかわりに行く。
あ、と元貴が声を上げ、びくっと振り返る。
『………大事にしすぎ、とかもあるのかもねー』
「…?……大事にしすぎって?」
『りょうちゃんさ、ああ見えて若井のこと大好きだし』
『めちゃくちゃ惚気けてくるからさ』
『傷つけたくないとか、そういうのもあるのかもなーと思って』
え????と声を上げる。
りょうちゃんが、え、惚気けて…え、………
基本にこにこしててなに考えてんのかわかんない感じなのに、 惚気けてるとか……
そんなにおれのことそんなだいすきなの、え、
え?????????
……やば、顔あつ、……
『ぷ、顔真っ赤。りんご?』
「ちがう!!!!!」
Mrs. GREEN APPLEではあるけどりんごじゃないから!!と言い返すと、
あはははっ!!と元貴が高笑いをする。
『はあ、おもろ……笑笑笑笑』
何をそんなに笑ってんだか。
変な元貴に呆れながら、コーラのおかわりをもってリビングに向かう。
『お互い好きすぎね。』
「…………だってすきだもん………」
む、と口を尖らせてソファに寝転がると、
ふっ、と元貴が笑う。
『俺でも見たことない表情してる。』
『好きな人にしか引き出せない表情?っつーのかな〜』
「…………は。」
『…っくく、』
からかいやがって…………
コップの反射から見えた顔はなぜか頬が緩んでいて、
いつものへの字口に戻した。
その後元貴と相談だけでなく仕事の話だったり、いろんな話を交わした。