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※ジョジョの奇妙な冒険第5部の夢小説
※女夢主
※名前なし
※お相手はグイード・ミスタさま
︰或る日のイタリア
比較的高緯度の地域を分類されるイタリアのその日の日差しは、容赦なく肌を刺していた。日傘に日焼け止めにサングラス、それとUVカットのアームカバー。万全の装備で向かった先にいたのは、愛しい恋人の彼だった。
「私より早いなんて珍しいね?今日は槍でも降るのかな。」
揶揄うように言うと、頭を掻きながら照れたように言う。
「お前の誕生日くらいは遅刻しねえっての。」
ふふ、可愛いひと。なんて言うと、カワイくねーよ!!と一蹴された。どうやら狙って言ったことではないらしい。そういうところも可愛らしいけれど、何より先にお礼が必要だから、私はもう一度彼としっかり向き合った。
「誕生日デートに付き合ってくれてありがとう、グイード。私今すごく幸せ。」
手を掴んで逃げられないようにして言ったものだから、彼の瞳に私だけが映っているのがよく分かった。どこまでも吸い込まれそうな黒い瞳を挟む瞼と涙袋はみるみる開かれて、瞬間、目尻に皺を作ってパチッと閉じた。
「ったり前だろ?愛しいAmoreの誕生日に付き合わねえほどアホじゃねえよ。」
彼は眩しいばかりの笑顔で言う。照れさせたかったのに、私の頬が少し熱を帯びたのが分かった。んじゃ行くか。と、彼はその笑顔のまま続けた。
彼の仕事の都合で昼からの集合になったけれど、たった半日でも今日の予定は沢山ある。まずは二人で美味しいピッツァを食べて、その後は室内遊園地のような施設でめいいっぱい身体を動かす。休憩がてら夕方には映画を見て、そのままディナー。初めて彼が一人で立ててくれたデートプランなので、わくわくが止まらなかった。きっと友人にも助けてもらったんだろうけど、彼のことだから絶対に裏話はしてくれない。必死に考えている恋人の姿を想像して思わず頬が緩んでしまった私を、彼は不思議そうに見ていた。
半日というのは早いもので、ディナーを予約しているらしいレストランに向かいながら、私と彼は今日を振り返っていた。
「ねえグイード、ピッツァ食べ過ぎたよ。美味しかったけどね、お店の人びっくりさしてた。」
「っるせえよ、美味かったんだから食べる方がいいだろ。店員もきっと驚喜してたぜ。」
私がくすくすと笑いながら言うと、意地を張ったような返事が返ってきた。
「それで三枚も平らげちゃうんだ、可愛いねグイード。」
「んなっ!美味かったからしょうがねえって言ってんだろォ?つか可愛いのはお前ね、おれはカッコイイの。」
正直六分の一は彼の周りの子達に食べられていたけど、それを忘れるくらいに可愛いという言葉は嬉しかった。私のことを可愛いだなんて素直に言ってくれるのはきっと彼くらいだから。
「あの、なんだっけ?室内遊園地っつーの?あれも面白かったなァ、お前の必死さときたらもう爆笑モノだったぜ」
「あーーっ!それは触れない約束でしょ!?楽しかったんだからしょうがないし」
室内遊園地では私がとんでもなくはしゃいでしまった。久々にそういう所に行ったものだから、トランポリンだの自分の動きが反映されるゲームだの、そこいらの子供たちよりもムキになって遊んでしまった。それでも彼はずっと付き合ってくれたけど。
「へへッ、だったらおれのピッツァの件も弄んねェことだな♩」
「分かったよお、言わないから秘密にしてね? 」
「ハイハイ笑」
映画は特に何事も無かった。室内遊園地で遊び疲れて、私が半分寝てしまったくらい。
そうして歩いているうちに、今夜ディナーをとる予定のホテルに着いた。