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なつき。
私の彼氏。優しくて可愛い、私のモノ。
イイコで居てくれる子。
泣いてる顔が見てみたい。
それに、君の事もっと知りたいな。
だから何かと理由を付けて君に手を出すよ。
君の可愛い顔、もっと私に見せてね。
一日目。
今日から彼氏の観察日記を付けようと思う。
生温いものではないけど。
今日は門限を破ったからお仕置。
声が録音されたボイスメモはこの下へ。
﹌﹌﹌﹌﹌﹌ピーッ⋯﹌﹌﹌﹌﹌﹌
おかえり、なつき
随分と遅い帰宅時間だね
門限は忘れちゃったのかな
あ、いや⋯ごめんなさっ
ドゴッ
あ”っ⋯ぅ
最近約束破る事多いね
だからちょっとお仕置しなきゃね
え⋯お仕置?
前話したよね
悪い子にはこうやってお仕置するんだよって
ぁ⋯っや、ごめんなさい⋯許してっお願い⋯!
これが一回目なら許してたかもね
ドカッガタンッ
でもこれ何回目かな
ガシャン…ドサッ
私も限界があるからさ
こんなに約束破られると嫌になっちゃうよ
ぁ⋯や,ごめんなさいっごめんなさい⋯っ
許してっ⋯痛いのやだぁ⋯!
⋯仕方ないな
今日は許してあげる
でも、次約束破ったらまたお仕置だから
ぅ⋯
タンッタンッタンッ…
ごめんなさい⋯ごめんなさいっ
﹌﹌﹌﹌﹌﹌ピーッ﹌﹌﹌﹌﹌﹌
軽いお仕置だけど大分効いた様な気がする。
明日は何をしようかな。
二日目。
今日は⋯そうだな。
“私の仕事の邪魔をした”って名目にしよう。
それで暗闇に放置してみよう。
暗所恐怖症のなつきはどんな反応するかな。
この後録音したものを下へ。
﹌﹌﹌﹌﹌﹌ピーッ﹌﹌﹌﹌﹌﹌
なつき、ちょっと来て
どうしたの?かえで
いいから
分かった⋯
ねぇ、どこ行くの?
こっち電気付いてないよ
僕が暗闇怖いの知ってるでしょ⋯?
早く戻ろうよ
一緒にゲームしよ?
はぁ⋯うるさいな
パシッ
ぁう⋯え?
静かにしてることは出来ないの?
仕事してるからうるさくしないでねって
今まで私何回も言ってきたよね
なのになんでうるさくするの?
仕事の邪魔ばっかりして
何がしたいの?ねぇ
ぁ⋯えっと⋯
もういいよ
暫くここで反省して?
ドンッ
え⋯やだ⋯やだやだやだ
キーッ…バタンッ
暗いのやだぁ!怖いよ⋯かえでっ出して!
仕事終わるまでそこで静かにしてて
まだうるさくするなら
昨日みたいにお仕置するよ
っ⋯静かに、する⋯
イイコ
じゃあ待ってて
……ガサッ
ぅ⋯怖い怖い怖い⋯
はぁ⋯っはぁ⋯っ
しずかに,しなきゃ⋯っ
はぁっ⋯ひゅっ⋯
お仕置⋯やだから⋯いい子でいなきゃ⋯っ
僕がわるいんだ⋯ぜんぶぼくが⋯
ガリッ…
ぅ⋯こきゅ⋯でき,な⋯
カタン…ドサッ
﹌﹌﹌﹌﹌﹌ピピッ﹌﹌﹌﹌﹌﹌
録音機の電池が切れてしまったらしい。
仕事が終わった後の出来事は下に書き記す。
「なつき」
「起きて、なつき」
「ぅ⋯かえで⋯?」
「おはよう」
「結構汗かいてるね」
「大丈夫?」
「僕⋯何して⋯」
「魘されてたから起こしに来たんだよ」
「悪い夢でも見たの?」
「⋯ううん」
「覚えてないや」
「⋯そう」
「ならいいんだよ」
「怖い事は覚えてない方がいいからね」
「もう少し休んでおきなよ」
「私ご飯作ったら呼ぶから」
「ありがとう、かえで」
ここで私は階段を降りたフリをした。
「⋯かえでが僕を閉じ込めるなんて」
「そんな筈⋯無いよね⋯笑」
なつきの声には失笑が含まれている。
「きっと⋯お仕置も夢だったんだ」
「うん、きっとそうだ」
「かえでは僕の事を愛してくれてる筈だから⋯」
「暴力なんて振るわない⋯よね?」
ここから声が聞こえなくなった。
私は休み始めたと判断し、ご飯を作りに下へ降りた。
良くも悪くも私を信じ過ぎてるね、なつきは。
昨日のお仕置も、さっきの反省も。
全部現実だって言うのに⋯。
まぁでも、少し意地悪過ぎたかな。
少しずつ慣らしていかないと⋯。
壊れられても困るしね。
明日は少し優しくしてあげないとな。
<設定>
如月 椛 (きさらぎ かえで)
:
元は普通の人だった。
感情が不安定だった時に夏綺と出会った事によって異常な執着心を見せるようになる。一言で表すなら最終形態のヤンデレ。
夏綺を溺愛している。愛する余り、間違った方向に進んでしまった。DV気質が前面に出てきている。
前々から理不尽に怒りをぶつけることは何回かあった。しかし、付き合った当初に「色々な意味で手は出さない!」と宣言している為、手を出すようになったのは何かしらの原因があると考えられる。
一之瀬 夏綺 (いちのせ なつき)
:
誰にでも優しくするお人好し。 人に対して強く出る事が出来ず、色々と押し付けられて生きてきた。
公園で蹲っている椛に声を掛けて話を聞いてから何回も「好き!でも無理やりなんて嫌だから君が私の事好きになったら付き合って!」と告白され、半年後辺りに「好きだ」と自覚してから付き合った。
最初期は一般的なカップルと同じだったが、夏綺がお人好し過ぎて椛が狂ってしまった。今は執着されまくっている。
しかし優しい事が多いため共依存のようになっており、椛を信じきっている。
現在夏綺は五年ほど軟禁状態にされており、椛曰く「別に出て行ってもいいけど一人で生きられないでしょ?だから一緒に居ようね」という感じらしい。
実際夏綺本人も「一人では生きていけない」と自覚している。その為自主的に出ていったことは今まで一度も無い。