前日前夜

明日、私の好きな人が結婚する。

　　

　

この恋ももう終わりか、なんてぼそっと呟く。

　

　

　　　　　　　　　　　　　 “ おめでとう花嫁さん。 “

　

　

” ちょっと、からかわないでよ～(笑)

　でも、ありがと “

　

　

LINEでそうからかうと、からかわないでと言う。

　

　

ごめんね。

　

　

今はからかわないと、 私が壊れそうなんだ。

　

　

お願いだよ、頼むから、許して 。

　

　

からかう私を、嫌いにならないで 、

　

　

ほら。愛の裏返しって、言うでしょう？

　

　

私は本当に、貴方を愛していたんだよ 。

　

　

胸の奥が苦しくなり、

　

　

丁度飲んでいたココアを吐き出しそうになって、

　

　

ごきゅんと一口で酷く荒く飲み込むと、

　

　

まるで、彼女に 私が何か言いたくとも

　

　

言葉を飲み込んでしまうようで、

　

　

実にうざったいと思った。

　

　

窓のカーテンを開ける。

　

　

時計は10時をまわり、

　

　

夜空は雲一つ見せず、

　

　

星をデコレーションしている最中であった。

　

　

時計は今も動いているのに 。

　

　

外は晴れているのに 。

　

　

それでいて、私は 。

　

　

動く事もせず、晴れる程の良い事なんて無い。

　

　

いや、出来ない、

　

　

これは言い訳となるなら、

　

　

したくもない、と言うべきか。

　

　

ああ、そういえば、

　

　

明日結婚するなら結婚祝いに、何か。

　

　

プレゼントをまだ買っていなかったな。

　

　

なら、買いに行くとするか 。