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#創作
むノー
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もののあはれ
79
くとです。
30
「月の夜」
闇の中に、月がより一層美しく輝く夜のことでした。
私は彼に、
「月が綺麗ですね」
と、言いました。
この言葉が「愛してる」という意味だと彼はそう受け取ってくれたのでしょうか。
彼は、
「手が届かないからこそ、綺麗に見えるのです」
と、夜の静寂の様な美しい笑みを浮かべながら、彼は私にそう答えました。
私は見事に美しく振られてしまいました。
私の拗ねた様な顔を見て、彼は笑みを深くし、面白いものを見る様な目で私のことを見つめてきました。
その笑みは、私の心を奪うには十分でした。
月より彼の方が私には輝いて見えて、私は思わず彼の方が綺麗だとぼんやりと考えていました。
そうしていたら彼は、もう寝ますだとか、なんとか言って私にくるりと背を向けて歩き出そうとしました。
私は慌てて彼の腕を掴み、
「雨が止みませんね」
と、言ってしまいました。
そんな私に彼は頷きました。
今夜の夜は長かったですが、一度も雨なんて降っていませんでした。
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