テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
昔々あるところにごく普通の本丸がありました。
しかし主はとても綺麗な女性で能力も高く、それは審神者の中でも評判でした。
ある日、狐がその本丸に出向くと近侍の加州清光が疲れた表情で出てきました。
「加州さま?…大丈夫ですか?」
「…うん、平気」
明らかに疲労困憊している状況、なのに男士たちは口を揃えて「大丈夫」と言います。
不思議に思った狐は、しばらくその本丸に留まる事にしました。
するとどうでしょう。
主は部屋に籠りきりで、資材や己の能力すべてを鍛刀に費やしていました。
加州たちが戦地で得た報酬もすべてです。
よく観察すると、今いる刀剣男士たちは手入れもされずボロボロでした。
驚いた狐は主に問いかけます。
「鍛刀しては刀解を繰り返して…何を求めてるのですか?」
すると、彼女はひと言だけ答えました。
「一目惚れしてしまったの」
と。
これはいけないと政府に戻って報告をしている間に、彼女は目的を成し彼と一緒に本丸を抜け出し雲隠れしてしまいました。
「あの時はとても後悔しました…」
「…でも管狐のせいじゃない」
「主様、あの時もそうおっしゃってましたね」
「ん?そうだった?」
「あなた様がまだ見習いで…原因は色々あったとお聞きしていますが」
「…」
「ここが崩壊から免れたのは間違いなく主様のおかげ」
「その成果と引き換えに審神者にさせてもらったんだよ、ずる賢いだけじゃない?」
「いいえ、なるべくしてなったのですよ」
「…」
「誇ってくださいませ、主様」
「…ありがとう」
もちまる