テラーノベル
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pn視点
rd 「俺がさ、死にたいって言ったらどうする?」
『逝かないで』
なんて、言えなかった
喉に言葉が突っかかって、
『1人にしないで』
そのたった一文も言えない
俺は本当に無力だ
痛々しいほど、それを実感した
pn 「…止めはしないよ」
あぁ、思ってもないことを言ってしまう
自分がこの世で1番嫌い
rd 「…ありがと」
そう言って笑う君の瞳は
以前のような澄んでいて綺麗な青色ではなく、
深淵の真っ黒で嫌になってしまうような色だった
rd 「俺、今までで1番綺麗になってくるね」
言葉の意図がよく汲み取れなかった
けど、君が1番綺麗だったのは
あの時の綺麗な瞳を持っていた時だよ
rd 「…来たらダメだよ?」
pn 「…分かってる」
嘘
何も分かってない
何も見たくない
…何も知りたくない
その後、らっだぁと燃えるような赤い夕陽を見た
pn (早く燃え尽きないかな
なんて考えてた
らっだぁを後ろから追いかけた
予想通り、崖についた
『運営街の崖』
別名、自殺の名所
らっだぁは、空を見てた
すると急に走り出して
らっだぁの体がふわっと空に飛んだ
その時のらっだぁは
今までで見たことないほどに綺麗だった
俺は脚がすくんで、うまく動かなくて
ただ、死へと向かうらっだぁのことを
眺めることしか出来なかった
何もしたくなくて
呼吸をしてるのに酸素が全然足りなくて
涙が止まらなかった
崖のすぐ近くの海岸で、空を見てた
きっと、俺は間違いを犯した
…らっだぁだった“ナニカ”が海岸に横たわっていた
らっだぁだった“ナニカ”を見つめて
優しく撫でた
pn 「…俺も逝くからね」
「え〜、次のニュースです」
「先日、崖のすぐ近くの海岸で、溺死した少年と、刃物が刺さった少年の遺体が発見されました 」
「警察によりますと、どちらとも自殺、と考えられています」
「また、溺死した少年の方は、体に痣がたくさんあって、虐待、もしくは虐められていた、」
「と考えられます」
「さて、次のニュースは…」
コメント
2件
アァ…好き…です… どうでもいいかもですけど追いかけてく系好きなんですよ…