チュン…チュンチュン……。
『…………んあーー……もう朝か…』
杜王町の朝一番。まぶたの裏から入ってくる眩しい日差しと雀の鳴き声と共に、漫画家、薪乗タツキは目を覚ました。
レモン色のボサボサしている髪に、キラキラの朝日色の右目。
昨日そのまま寝たのか、ぐっしゃぐしゃになっている白色のシャツ。
そして、何故か左目を閉じている・・・・・・・・・・・・その感じ。
片目を閉じているというところ以外は、ザ・だらしない人間というスタイルだ。
一応これでも漫画家である。(まあ、前話見ていただいた読者には彼がどのような漫画家なのかご察し頂いていると思うのだが…)
『…ふあーあ…』
一つ伸びをし、寝癖だらけの自分の髪をくしゃくしゃとかきあげた後、がばりと布団を押し上げ、
のそのそと床に足を置いた。
『…うあー…朝ごはん……』
そしてそのまま、朝食を食べる為リビングへと向かう。
―――――――
『パンにチーズとバター。あとチョコレートソースと醤油と砂糖をかけて……』
『それをお湯で三分間煮込めば………』
『…よし!出来たぜ!俺が作った最強のパン!』
『うし!いっただきまーす!』
『…やっぱ久しぶりに食うパンはうまいなぁー!』
モグモグと、賞味期限が一週間前に過ぎていたパンだった物を口に入れて、それが美味しかったのか笑顔でパンを頬張る。
『ところどころちょっと硬いとことか苦いとことかあんだけれどよぉ…それが逆にパンの美味さを引きだてるんだよなぁ!』
独り言を呟きながら、数分も立たないうちにパンだったものを完食する。
『ああー!うまかったー!』
満足そうな顔を浮かべたあと、指についているチョコレートソースをぺろりと舐める。
『うーん…やはり俺は天才だ。このアレンジを思いついた人間は俺が初だろうなァ!』
自分で自分を誇りながら、ユウは再び寝室に戻った・・・・・・・・。
ドアを乱暴に開け、くしゃくしゃの布団へダイブする。
『今日はちょっと早く起きすぎたからなぁ…五分くらい二度寝しよーっと…』
布団を雑に自分の胸元まで上げ、睡魔に委ねそのまま目を閉じる―――。
コメント
1件
すっごく面白いです!これからどうなるのやら😂ꉂ(ˊᗜˋ*)