もう二度と
同じ誤ちはしない。
「不純愛」
wki視点
「ふぅ、」
新曲のレコーディング収録が終わりほっと一息をつく。
最近はみんな眠れていない日々が続いていた。
特に元貴。
作詞作曲編曲すべてを担当し、忙しさでいったら断トツ。
それなのに休もうとしないで、休日でも仕事しようとするから心配だ。
なので俺は今から元貴の所へ行く。
休んでいるか見張っとかないといけないから。
廊下を歩いているとそれらしき人物を見つけた。
「元貴」
と、声をかける。
元貴はゆっくりと振り返った。
その顔には疲れが出ていてクマもある。
…これは休ませないと、。
瞬時にそう思った俺はいち早く行動に出た。
「元貴。」
「今日さ元貴の家に行ってもいい?」
元貴は少し驚いた顔をして遠慮がちに言った。
「…いいよ。若井に迷惑がかかるし。」
そうくると思っていたのであらかじめ用意していたセリフを言う。
「迷惑なんかじゃないから。はやく帰るよ。」
そう言って半ば強引に元貴の手を引き、俺たちは駐車場に向かった。
家に着く。
「家ついたよ。」
そう言うと元貴は暗い声で謝った。
「ごめん若井…。」
「なんで謝るのさ。メンバーなんだし当然でしょ」
そう言うと元貴の手に力が入ったような気がした。
部屋につき、元貴をお風呂に入れた。
その間にご飯を作る。
もし眠くて食べれなくても明日の分として作り置きしておけば良い。
丁度出来上がった頃に元貴が風呂から上がってきた。
「あ、元貴。ご飯作ったけど食べれる?」
「…若井が作ってくれたんだったらたべる。」
疲れているからなのか分からないがいつもより素直で可愛いと思ってしまう自分がいる。
そんなことを考えながら俺は元貴が食べ終わるのを待つ。
「ごちそうさまでした。」
「ん。食器片付けとくから歯磨きしてきな。」
「ありがと。」
片付けも終わり後は元貴を寝かせるだけだが、その前に。
「元貴。髪まだ濡れてるから乾かすよ。」
ブォォォォ
ドライヤーの音が響く。
俺は元貴の髪を撫でながら優しく乾かす。
乾かし終わった頃には元貴は寝ていた。
起こさないようベットに運ぶ。
でもまだ帰れない。
元貴は眠りが浅いので2時間くらいですぐに目が覚めてしまうらしい。
薬を飲んでも改善されないらしいので俺がすることは、元貴の不安要素を無くすこと。
例えば寝ている時に苦しそうな顔をしていたら背中を撫でてあげたり、一緒に寝て欲しいと言われたらベットに入る。
なぜそこまでする必要があるのか。
それは薬に頼って欲しくないから。
元貴は以前、薬が適量じゃ効かなくなってしまい、ODになりかけたことがある。
その時は元貴がいなくなってしまうんじゃないかととても怖くなった。
「ん…、わかぃ、?」
「どうしたの?」
「一緒に寝て、」
「うん、いいよ。」
おれは素直に元貴のお願いを聞く。
今日はゆっくり寝れるといいね。
若井は、居なくならないよね。
また、俺を見捨てないよね。
俺以外
好きにならないよね。
ね?
コメント
4件
最後のセリフでゾクッとしました… 続き楽しみにしてます
最高すぎます!!! 最後の大森さんの不穏すぎる独白めちゃくちゃ好きです… この空気感大好き…