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「シグマSide」
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ゴーゴリとは幼馴染だった。
彼奴は何時も巫山戯てばかりだが、誰よりも優しかった。そんなゴーゴリのことが大好きだった。
ー幼少期ー
幼かった頃、転けてしまったことがあった。
「うぅ…こけちゃった…」
「だいじょーぶ!?シグマくんっ!! カットバンわたしもってるからみずでけがしたところあらってからはろ?」
「ありがと…」
「よし!はれたね!!まだいたい?」
「うん…まだちょっといたい」
「じゃあ、すぐなおるようにおまじないかけるね!!いたいのいたいのとんでいけー!!…どう?いたいのなくなったー?」
「…うん!ありがとう!ゴーゴリ!!」
何時だって優しくしてくれる。何時も私を笑わせてくれるそんな優しいゴーゴリが大好きで仕方がなかった。
家が近かったので、よく遊ぶことが多かった。幼稚園も一緒で、楽しかった。
ー現在ー
「シーグーマーくーん!!」
「わっ!?びっくりするじゃないか!」
「えへへごめーんっ!」
「まったく…」
と、幼い頃と何一つ変わらない関係だった。
だが、それは私にとっては悲しかった。本当は付き合いたかった。恋人になりたかった。でも、好きである事を言うと今の関係が壊れるんじゃないかと思っていたので決して言うことはできなかった。
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そんなある日、
「あのね!シグマくん、私好きな子ができて、その子と友達になりたいって思っててどうやったら好きな子と仲良くなれるかな?」
とゴーゴリに聞かれた。私は非道く動揺した。ゴーゴリに好きな人がいる。その事実が私の心を抉った。
だが、友人としてゴーゴリの恋を応援することは至極当然のこと。だから、
「…そうだな。思い切って話しかけてみてはどうだ?そうしたら、好きな人のこともわかるだろう」
と答えることしか出来なかった。
「わかった!ありがとう!!」
悪意の無いゴーゴリの笑みが、寂しく遠く感じた。
「あぁ、役に立てたならよかった」
とりあえず、笑顔で居ようと思った。笑顔で…応えたつもりだ。今、私は笑えているだろうか。
心配そうなゴーゴリ表情が瞬時的だが見えた。きっと、無理をしているように見えたんだろう。申し訳がなかった。ゴーゴリを見送ってから、暫く何も考えられなかった。
私の恋はきっと実らない。ならば、ならば私はどうしたらいい?
誰も応えてくれない、教えてくれない疑問を只問うことしか思慮が及ばなかった。こうも、虚しいものなんだな。
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翌日、私に転機が訪れた。相談相手が出来たのだ。何時もは相談相手になる側の人間だが、相談をする側の人間になれた。その相手は太宰治と言う奴だった。
何時でも話を聞いてくれた。メンタルケアもしてくれた。只自分のことは多く語らない故にミステリアスな奴だった
「そっかぁ…それは嘸、辛かっただろうね」
「…」
黙りこくる事しか私には出来ないが、相談に乗ってくれるだけでも安心出来た。
「君はどうしたいんだい?」
そう聞かれてまごついてしまった。私は…
「分からない。分からないが、ゴーゴリに幸せになってほしい。それ以外何も望まない」
そう答えた。
「成程…なら、自分で考えたらいいよ。君の導き出した答えは、間違いなんかじゃないよ。」
「そうだろうか…?」
「あゝ、そうだとも。大丈夫だよ 。」
そう優しく言ってくれた。
…何も方針が定まらないまま時間は過ぎていった。
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親にそのことを聞いたこともあったが、太宰と似たような回答だった。
…どうしたらいいんだ?私は…私は…。
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何も考えることが出来ず、誰かの声も聞きたくなかった。精神病にでもかかったような気分だ。
でもゴーゴリの声は聞きたかった。でも聞きたくない。
複雑な心境だった。
そうしていると、ゴーゴリが教室に入ってきた。
「シグマくーんいるー ?」
「居るぞ。」
そう答えた。
何やら相談をしにきたらしい。…何の話だろうか?
「あのねシグマくん。最近誰かに付けられてるっていうか、ストーカーされてる?って感じで帰る時が怖い…」
ストーカーと聞いて咄嗟に
「其れは大丈夫なのか…?今日から一緒に帰るか?家まで送るぞ」
と、聞かれても居ない事まで言ってしまった。
「ほんと!?一緒に帰ってくれるの?」
「あゝ、勿論だ。」
「やったー!!ありがとう!シグマくん!!」
そう、笑顔でゴーゴリは言った。眩しかった。
その日から一緒に帰ることになった。
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一緒に帰るようになって数ヶ月だったある日、私の運命を決定づけた。
その日の昼休み。
「シグマくん〜あのね、私好きな人がいるって言っただろう?」
と聞かれたので
「言っていたな。其れがどうかしたのか?」
と答えた。恋愛相談…か…
「其の好きな人、実は同性で…同性愛好者って矢っ張り変…なのかな?告白しようか迷ってて…」
「…否、変じゃないぞ。私も好きな人がいて、その人同性だから。同性愛好者が変なんてことはない!」
と、勢いに任せて言った。
「そうかな…?ありがとうシグマくん!お陰で自信が持てたよ!」
それはよかった。だって私も同じだから。
「シグマくんも好きな人いるの?誰ー? 」
と聞かれてしまった。
「そ、其れは…」
思わず目を反らしてしてしまった。
「あっ御免ね!!言いたくなかっ たらいわなくて…」
違う。ゴーゴリは悪くない。
「ゴ、ゴーゴリのことが好きだ!」
と突発に手を握りながら言った。
…もう、駄目かもしれない。
「えっわ、私!? 」
思っていたよりも何時もと変わらなかった。そのことには心底安心した。けど、そうじゃない。今は。
「す、すまない。ゴーゴリに好きな人がいるのに…勝手に告白してしまって…」
「其れは別に大丈夫…だけど、御免ね。付き合えないんだ…」
知っていた。分かってた。
「そうだよな。否、私は大丈夫だ。ゴーゴリにも好きな人がいるんだろう?だったら私はゴーゴリを優先する。ゴーゴリの恋が実るよう、私が友人として全力でサポートするし、相談にも乗る。だから… 」
そこで、涙が零れた。
「シグマくん…御免。御免ね…」
と、言いながら抱き締めてくれた。
ゴーゴリも泣いていた。
ひとしきりお互い泣いた。泣きじゃくったその後、ゴーゴリから
「シグマくん。支えてくれるのはとても嬉しいよ。でも、無理はしないでほしい。だって大切な親友だもん!」
と告げられた。
「親友…そうか親友か…」
と笑った。今後はきっと笑えているだろう。
「うん!親友だよ!友人超えてね!」
そんなゴーゴリに私は
「其れはとても嬉しいな。ゴーゴリと友達…否、親友みなれたことを心から嬉しく思う。だから、ゴーゴリの恋を応援させてくれ。」
と応えた
「勿論だよ!寧ろ嬉しい!シグマくん、離れても私達はずっっっっと親友だよ!!」
と、言われお互い笑いに笑い合った。
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その後日、告白が成功したと言う連絡を貰った。
自分のことではないのに嬉しく感じた。
この先も、君の幸せを願う。
これが、ゴーゴリの親友である私ができる精一杯の君に捧げる祈りだ。
シグマSide終焉
此れが導き出した答えだった。
次:3月2日「プロローグ」
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