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この過去作見た事あって、ずっと探し続けてました……! ほんとに好きです😭🫶
・ばあちゃん・濡れたら青くなる髪 だけで何となく思い出せちゃった!ネタバレになっちゃうから言わないけど...自分の記憶力に感謝しときます。
日常の幸せって感じで、なんだか心が温まる文章ですね!素敵です✨️
過去作を思い出せるだけ思い出した作品です。
内容が事細かにメモに取れていなかったのでおかしいかも知れませんが許してください。
ではスタート。
後々BL要素あります。注意。
⚠️ご本人様方には一切関係ありません⚠️
頬に冷たい空気が突き刺す冬の真っ只中。小鳥の鳴き声が聞こえる朝に、ばあちゃんの声で重たい瞼を持ち上げた。
「早く起きなさいね?」
優しく温かい声とは裏腹に全ぬくもりを含んだ上布団を引っ剥がされる。冷え切った空気に自身の体が晒され、保持していた体温が部屋に漂う冷たい大気に奪われていくのが分かる。僕は体を小さく丸めることで、理不尽に剥がされていく体温を保持しようと足掻く。
仕方なく体を起こせば、様子を見ていたばあちゃんが部屋を出ていく。
生まれつき持った「色」のせいで、そこらで生活してる人よりは苦労の道を幾千と辿って来ただろう。例で挙げるとすれば、高利貸しや怪しい組織の目の敵にされていたり、酷ければ命を落としそくになるようなことが日常茶飯事。
中学に上がる頃、今まで変化を見せなかった髪の色が一般人の持つ「黒」へと変化していった。
変化に気づいた暑い晩、浴槽付近の壁に付属している鏡に何故か見覚えのある色が見えた。乾いている時は「黒」、濡れてしまえば「青」になるという原理を知ったのは多分この時からだろうね。
謎に満ちた不可解な現象の他に、自身にはもう一つ変なものが身についた。それは「特殊能力」というものだった。
国民的キャラクターである青い22世紀の生き物のようにポケットから何かを出したり閉まったりすることは出来なかった。
しかし、どれもこれもがチート級なもので、そしてそれら全てが「自身の思った通りの物事が出来る」という共通点を持っていた。
つまりは想像すればなんでも出来る、想像力の問題となってくる。しかし残念ながら僕にはそこまで豊かな想像力は無いに等しかった。
「食べたら水に浸けておいてね。ばあちゃん隣の奥さんと話してくるから」
竹で出来た買い物カゴを片手に、ばあちゃんは僕の返事を待たずにそのまま行ってしまった。目の前に並べられた目玉焼きやご飯、味噌汁やサラダに順番に手を付けていく。途中お腹がいっぱいになったが残しては勿体無いとお茶で流し込んだ。
食器を水に浸け、着替えて玄関扉を開ける。
「あらもう出かけるの?」
扉を開ければ向かいの家の住人と話していたばあちゃんと出くわす。驚いた顔をするばあちゃんを尻目に住人へと挨拶すれば、改めてばあちゃんに向き直る。
「うん。今日は調子良いから隣町まで行ってくるね」
「わかったわ。それじゃあこれお願いね」
癖なのか、毎回買い物カゴを持っていくばあちゃんにそれを渡される。中には買う物のメモがちゃんと入っていた。
「了解。そんじゃ行って来るね〜」
「はぁ〜い行ってらっしゃい」
これが俺の日課。
「調子が良いから」は最近継続しているもので、隣町へランニングするのが日課となっていた。
さて、今日の夜ご飯は何かな。