テラーノベル
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「 どう ? 支度は終わった ? 」
「 あ 、うん 」
「 … もう 、行くの ? 」
お母さんが 、心配そうな目で見つめてきた 。
「 ごめんね 、そろそろ出なきゃ … 」
「 もしかしたら 、あなたもお父さんみたいに … ! 」
「 必ず生きて帰ってくるよ ! 」
私のその声が 、部屋中に木霊した 。
「 それに … 1度 、長期休暇で戻ってくるでしょ ? 」
「 えぇ 、そうだけれど … 」
「 … え 、お姉ちゃん 、どういうこと … ? 」
炎が 、震えた声で私に問う 。
「 … あのね 、私 」
「 ─ 化け物退治に行ってくる 」
「 ッ … え ? 」
正義のヒーローになるために 、
待を幸せにするために 。
「 嘘だよね … ? ね … ? 」
炎の目から 、雫が零れ出す 。
「 … お姉ちゃん 、街のみんなを幸せにしたいんだ 」
「 ッ … やだ … やだぁッ !! 」
「 お姉ちゃんも … お父さんみたいになって …
死んじゃうんでしょッ … ? 」
「 またッ !! 置いていくんでしょ … !? 」
炎はそう叫んだ 。
確かにそうだ 、
私はもしかしたら死ぬかもしれない 。
「 大丈夫だよ 、必ず帰ってくる 」
なのに 、なのに何故か 、そう断言できてしまった 。
「 ─ 心に決めたことだから 」
「 … ! 」
「 … 分かったよ 」
「 うん 、いい子だね 」
私は 、炎の頭を撫でた 。
「 じゃあ 、もう行くね 」
「 お母さん 、炎のことよろしく 」
「 ええ 、行ってらっしゃい 」
( ガチャッ 、バタンッ
ふと空を見上げる 。
青い綺麗な空 、今日は晴天だ 。
( 入学式にはぴったりなんじゃない ? )
心の中で 、そう一言呟いた 。
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