意識が戻ると、僕はまたあの部屋にいた。同じ白くすんだ天井。そして 微かに揺れる蛍光灯。
手首は冷たい枷によってがっちり拘束されている。
前のやつよりも頑丈で全く外れなかった。
足首にも同じものが巻かれ、ギリギリトイレまでの間の距離までしか歩けなかった。
もう外へ出られない。
窓はもう開かない。
窓が外側からボルトで完全に固定され、
隙間すらなく、外の景色だけが遠く見える。
そうこう見ている内にガチャりとドアが開いた
「……おかえりなさい晴明君」
学園長だった。
いつもの穏やかな笑顔。
でも、その瞳はどこか濡れている。
彼はベッドの端に腰掛け、
そっと僕の足首に手を置いた。
「足は……まだ痛みますか?」
腫れた足首を優しく撫でる。
触れられただけで、ズキンと痛みが走る。
「……っ」
「ごめんなさい。 でも、もう大丈夫。もう逃げれないんですから、怪我をする心配はありませんね。」
彼はゆっくりと僕の膝の上に顔を埋めた。
温かい吐息が太ももに触れる。
「晴明くんは優しすぎるから、 こうでもしないと、僕から離れてしまう。」
彼の手が、震える僕の太ももを這い上がる。
優しいのに、逃がさない強さで。
「怖がらないで…… 痛くしないから」
彼は僕の頬にキスを落とし、
震える唇を自分の唇で塞いだ。
甘くて、少し苦い味。
手錠がカチャリ、カチャリと鳴るたび、
身体が小さく跳ねる。
「……嫌だ」
掠れた声で呟くと、
彼は泣きそうな顔で微笑んだ。
「嫌でもいいんです。もう私 には関係ないですから」
彼の指が、ゆっくりと僕の服をめくり上げる。
冷たい空気に触れた肌が粟立つ。
「だって、もう逃げられないんですもんね。ゆっくり貴方を変えていくだけ。」
学園長は僕の耳元で囁いた。
「全部、私のものにしますから。」
その夜、僕は何度も彼の名を呼んだ。
泣きながら、震えながら、
でも、もう拒めなかった。
手錠の冷たさと、彼の体温だけが、
僕の現実だった。
外の風はもう聞こえない。
窓の向こうの世界は、永遠に遠い。
僕はもう、
この完璧な檻の中で、
彼だけの“僕”にされていくだけ。
永遠に。
――完。
コメント
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あ、あぁ、ああああ……(? えっ待ってバトエン?マジで? ……スーッッ…好きだ。♡ 完結しちゃったよぉぉ!!!😭😭😭😭😭何回でも見返すから!まじで100回くらい見返す!!!!