「…それを思ってるから、あのアドリブが出来たっていうことですか、」
「そうなんじゃない、多分」
投げやりな返事をしてからベッドへ倒れ込む彼。
それを横目に、先程の彼の言葉を思い出す。
「_何か、」
「ん〜?」
「何か、ラグーザにそう思わせるような事があったのかな…って」
「…思わせるような事?」
「そう」
なんとなくだけど、彼の言葉に滲んだものは、得も言えぬ深みがあったような気がするのだ。だとしたらそれは、悲しくて、残念な事だと思う。
「……分かんない」
しばし考えるように間を挟んでから、返ってきたのは平坦なつぶやきだった。
そしてその言葉になぜか、違和感を覚えた。
「…分からない?」
「うん。なんか…今気付いたけど俺、」
「記憶、ねぇわ」
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おっとぉ……?