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Hayato×Jinto
Jinto side
声が出にくくなってしまった日
このまま出ないままなんじゃないかと思ったり
いや、大丈夫だ、んなわけないと思ったり
勇斗はお茶を入れてくれて
静かに寄り添ってくれる
話すと喉に負担がかかるから
勇斗もあまりしゃべらない
2人で温かいお茶をゆっくり飲んで
穏やかな時間を過ごす
別に何も話さなくても居心地がいい
…と、俺は、思ってたんだがな
「…ねえ、キスはしていいですか」
急な質問と、なんで敬語?
「…え?なんで?」
「したいからです」
「…そうじゃなくて」
なんでそんな改まって聞く…?
「一応ね、俺我慢してんの」
キスするじゃん、仁人可愛いじゃん、イチャイチャしたくなるじゃん、イチャイチャしたら 俺どうしてもやりすぎちゃうからさ、とペラペラしゃべっているが…
恥ずかしくないのかね
ないんでしょうね
「…声出すの良くないでしょ」
当たり前だ
死活問題でこれでも結構困ってるんだ
そもそも声を出さなければいいという問題でもないなあれはな
こっちは今呼吸するだけでも喉乾燥すんだよ
「そっちは我慢するので」
どっちだかそっちだかもうわかんなくなってきたが、多分そっちってそっちだな
「キス…してもいいでしょうか」
「体調が悪いわけじゃないし…だめって言ったことない、けど…?」
今まではな
「俺が我慢出来るかって話か」
勇斗は少し考えて
「…どうだろうね 」
どうだろうねって…自分の事だろうが
「そのかすれた声もね、正直ね、くるよね」
くるよねって何にだ
「…でも、仁人の声が出ないのも嫌だ」
なんだか気を遣われていたようで
ただ、天秤に色々かけているところまじで悪いけど、しようもんなら多分俺の声と喉は一回死ぬ
「…我慢出来ないんだったら、辞めてもらって…」
「する、我慢する、だから」
なんだかムードもへったくれもないんだけど
触れるだけのキスをされた
「…さわりたーい、もっと色々したーいー 」
「…そんな、したいの」
…キスも、だけど
キスじゃないほうも
「…誤解しないでほしいんだけど、別にやりたいだけとか溜まってるとかではなくて」
「ただ、仁人とはしたいんだよ~」
なるほどわからんな
「黙ってキスだけしとけ 」
「イチャイチャしたい~でもイチャイチャしだしたら多分我慢効かない~」
「…俺、寝るね」
うるさいのは放っておくに限る
「え、待って」
「待たない、お前は一回頭を冷やせ」
「…寝てていいけど後から俺も行くね」
一緒に寝てね?と言う勇斗は犬だったら耳がこれでもかという程垂れているんだろうな
「勝手にしろ」
いつもあんなじゃないのに
今日に限ってやたらうるさい
…実はいつも諸々我慢してたりするのか…?
早く治そうにもこうなったらわりに長引くし
かといって何かしても勇斗に油を注ぐだけな気もするし
…キスだけでもしてやれば良かったかな
いや、あの状態の勇斗にはダメだ
治ったらいくらでも相手してやるから
それまでは…ごめんて
そして喉の調子が戻った結果、またすぐに悪化して
「全然治んないね」
「体よわ」
と勇斗以外のメンバーに言われたのは、また別の話…
fin.
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