及川さん×体調不良
「ん、、」
朝起きた時なんとなくのだるさを感じた。
「けほっけほっ」
咳も出る。風邪ひいたか、、。大会前って訳では無いけど、みんなに移す訳にはいかない。やすむか、と岩ちゃんにメールを送った。
[今日の朝練行けないや、ごめんね😭]
とりあえずHRには間に合いたい。いつもよりスローペースだけど支度をした。マスクをつければクラスのみんなには移らないだろう、と思いマスクをつけて学校に向かった。
いつもなら嬉しい女の子たちの声も今日は頭に響いて、上手く笑顔を作れていたか分からない。どうにか、教室に着いた。まだ岩ちゃんはいない。(同じクラスという設定です)今日朝練行かなかったこと言及されるのかな、とか思いながら机に突っ伏した。
『及川!』
扉の方から声がした。顔を上げるとお怒り岩ちゃん。
「なにさ、岩ちゃんそんなに怒ってーー笑」
いつもどおり、に答えたつもりだ。けど、岩ちゃんがさらにお怒りモードになる。
『は、おい及川、お前体調悪いだろ。なんで来てんだよ』
さすが岩ちゃん、鋭い。パッと見で気づかれてしまった。
「はは、バレた?」
『はは、じゃねえよ。これ熱あるぞ、帰れ。』
俺のおでこを触りながら岩ちゃんは言う。
せっかく来たのだから、帰りたくないと思いつつ、結構きつくなってきたから、今のうちに帰って休んだ方がいいかも、という考えがでてきた。
「んー岩ちゃんがそんなに言うならかーえろ」
『ああ、轢かれんなよ』
「はーい」
『(結構心配)』
その後はあんまり覚えてない。多分熱が上がって、多分無事に帰ったんだと思う。目が覚めた時には、玄関で寝転がってた。
「けほ、げほっ」
はー、絶対悪化してる。なんで俺は玄関で寝てるの、てかなんで学校行ったんだろ。行かなきゃ良かった。って、今更思ったところですぎたことだから。とりあえずベッドで寝たい。欲を言えば薬を飲みたい。けど薬なんて家にあったっけ、。買いに行かなきゃだよな。はー、。
やる気を喪失していると、ピンポーンとチャイムがなった。
『及川ー、』
岩ちゃんだ。ちょうどドアが近いのでインターホンに返事はせず直接ドアを開けた。
「ん、岩ちゃん」
『及川、大丈夫か?って大丈夫じゃ無さそうだな。』
「んー、あれ、岩ちゃんなんでいるの?」
まだ学校の時間じゃ、?
『なんでって、今日部活ねーから授業終わって薬局寄って来たんだよ』
って言ってももう4時だけどな、なんて言いながらケータイを見してくる。
「え、よじ?」
そんなにここで寝てたのかよ俺。そりゃ風邪悪化するな、。
『ああ。立ち話もなんだし入るわ。お邪魔します』
「うん」
『お前はとっとと部屋で寝ろ!俺のことは気にすんな』
「ん、ありがとう岩ちゃん」
『あー』
その後、水と買ってきてくれたであろう薬局の袋を持って部屋に現れた。
『熱幾つだった?』
「あー測ってないや、まあ微熱くらいでしょ」
『はあ、体温計で測れ、バカ及川。』
なんだかんだ言って岩ちゃんは優しい。1階まで行って体温計を取りに行ってくれる。
『ほら、測れ』
「はーい」
しばらくして体温計が鳴った。示すは8度7分。
『うわ高。どうせお前のことだし飯食ってないんだろ?ゼリーとか買ってきたから食えるだけ食え。』
「ん、ありがとう岩ちゃん」
『ああ。んで、及川。なんでお前下(1階)にいるんだ?お前部屋、上だろ。あ、お前まさかソファで寝てたなんて言わねぇよな?』
ソファどころか床で寝てたよ、なんて言えない。
「はは、そんなわけないじゃー、ん」
俺を誰だと思ってるのー?なんて言いながらなんだかクラクラしてきた。喋り過ぎたかな。
とすっ、と岩ちゃんによりかかってしまった。
『すまん、喋らせすぎたよな。あと薬だけだから頑張れ』
「んー、にがあ」
『ん、飲めたな。ほら、寝ていいぞ』
普段なら考えられないけど、岩ちゃんが一定のリズムで背中を叩いてくれた。そのおかげでぐっすり眠れた。
[完]
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