あれから数日が経ち、私は李斗と一緒に過ごす毎日を少しずつ楽しんでいた。
でも、あの日の出来事が頭から離れなくて、時折あの男の子の顔が脳裏に浮かぶ。
「なんであんなこと言ったんだろう…」
一人で考えていると、心の中で不安が膨らんでいく。
あの日、あの男の子は確かに気持ち悪かった。
でも、それ以上に、李斗が守ってくれたことが何より心強かった。
「でも、あの男の子、何か裏がありそう…」
私の中で、警戒心がだんだんと強くなっていった。
その日、放課後に李斗と一緒に帰っていると、突然、教室の扉が開いた。
「まりあ、ちょっといい?」
その声は、思いもよらぬ人物――あの男の子だった。
「またお前か…」
李斗が前に出て、あからさまに不機嫌そうにその男の子を睨んだ。
男の子は少し怯んだ様子で、それでも私に向かって言った。
「まりあちゃん、ちょっと話があるんだ。」
「話? 何も話すことなんてないよ。」
私は言い切ったが、男の子は引き下がる様子を見せない。
「そう言わずに…俺が本当に言いたいことを、ちゃんと聞いて欲しいんだ。」
その言葉に、私はさらに警戒心を強めた。
「お前、もう私には近づかないで。」
その一言に、男の子は一瞬だけ言葉を失った。
「まりあ、言ってやれ。」
李斗が背後から声をかけ、少し優しく、でも確かな力強さを感じる言葉を投げかける。
男の子は深くため息をつき、肩を落とした。
「…分かった、もう追いかけないよ。でも、俺が言った通りだ。お前には気をつけてほしい。」
その言葉が、意味深に私の胸に残った。
「何が言いたいの?」
私は心の中で警戒しながら、冷静に尋ねた。
男の子は何も言わずに、ただ一言。
「それじゃ、またな。」
そう言って、何も告げずにその場を去っていった。
その後、私はしばらくその場に立ち尽くしていた。
「まりあ、大丈夫か?」
李斗がそっと声をかけてきて、私は我に返る。
「うん…ありがとう。」
「あいつ、絶対ただのストーカーじゃねぇか。」
李斗が言う通り、その男の子はただのクラスメートにしてはやけにしつこかった。
だけど、私の中で何かが引っかかる。
あの言葉、あの雰囲気。
私は一度、李斗の方を見てから、ゆっくりと呟いた。
「李斗、私、あの男の子にもっと気をつけた方がいい気がする。」
「お前が言うんなら、分かってる。今後、俺がちゃんと守るから。」
その言葉に、私は胸が温かくなるのを感じた。
「ありがとう、李斗。」
「いつでも守るよ。」
その言葉に、私はただ頷くことしかできなかった。
これからも、私は李斗と一緒に歩んでいく。
だけど、その男の子が残した謎は、私の心を離れない――次回、二人の関係に更なる試練が!?
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