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どうもこんにちは、PKです。
前回の投稿で、私の質問に答えてくださった方々、本当にありがとうございました。その方々のおかげで、今この作品を書けています。
今回は、久しぶりのカプ要素のない作品です。
若かりし頃の007n7が、Elliotのお店を襲撃した時の状況とか、会話を捏造してみました。
Elliotは元のゲームがあるらしく、作品の完成度を上げるためにそのゲームをしばらく遊んだのですが、楽し過ぎて二時間も遊んでいました。これをアホといいます。
若かりし頃の007n7なんて生意気なほどいいですからね。「ざっこ〜ww」って人を見下してるほどいいですから。わからせたい。本能でわからせたいと感じる男が好きです。あとわからせられたいって感じる男。これがMafiosです。どうでもいい話失礼致しました。
では、お楽しみください。
……ーーン……
店の外から聞こえる小さな音に気付き、Elliotは顔を上げる。
「なんだろう?」
この店でずっと働いている自分さえ聞き覚えがないほど、滅多に聞かない音だ。
何かの緊急事態だろうか?内心少し焦る。
ソワソワしながら耳を澄ましていると、背中に強い衝撃が走る。
「うわぁっ」
前によろけた体を慌てて脚で支えて、後ろを振り向くと同僚が怪訝な顔でこちらを見ていた。
「なにサボってんの、お前。カウンター並んでんぞ」
同僚に言われ、ハッとしてカウンターに目を向けると、列ができていることに気づく。どうやら、音の正体を掴むのに集中しすぎて、仕事をほっぽり出してしまっていたようだ。
「も、申し訳ございません!」
慌ててカウンターについて、列に並んでいるお客さんを次々と捌く。そうだ、まだ勤務時間なのだから、それが終わってから突き止めればいい…焦っていたElliotの脳内は、そんな判断をした。してしまった。
今思えば、あの音は警報の音だった。
あの時自分が気づいて、いち早く避難誘導できていれば、こんなことにはならなかった…。
俺の店を材料に、炎がごうごうと燃え盛る。炎は、きっとキッチンから発生したものだ。逃げる隙もなかったから、そのまま炎が移ってしまったようだ。キッチンはもう潰れていて、入れない。火を消しに行くこともできない…
今の俺は、倒れた柱に足を挟まれて、動けない。無様に床に転がっている、ただの無能。
必死で隙間から抜けようとするも、足に激痛が走って抜けない。柱を持ち上げようとしても、俺一人の力じゃどうにもならなかった。
もう少しで、俺のところまで炎が広がってくるだろう。この店と一緒に死ぬのも、運命か…そう諦めようとした瞬間、どこからともなく、潰れた店の前に青年が現れる。
俺は、空な瞳でその青年を見つめた。
「はは、悲惨だな」
青年は腕を組んで、いやらしい笑顔を浮かべた。その青年が不意に手を空中にかざすと、赤黒い画面が空中に映し出される。青年はそれを操作しながら、店に一瞥くれた。
「警備も脆いし、おまけに避難もノロマときた。こんなの、侵入してくれと言っているようなものじゃないか」
青年の言葉を聞いた瞬間、俺は頭が真っ白になった。今、こいつはなんて言った?「侵入してくれと言ってあるようなもの」と言ったのか?なら、俺の店に侵入して、俺の店を壊したのは、お前だというのか?
己の中から、今までの人生で一度も体験したこともないような怒りが溢れるほど噴き出す。俺は気づくと、近くにあった金属の板を手に取り、それを使って柱から脱出していた。
「あ?ああ、まだ生き残りがいたのか。」
青年はごく意外そうに、俺を見る。その瞳には、なんの焦りも、罪悪感もなかった。ただ、楽しんでいるだけだった。
青年は俺の格好を頭の上からつま先までまじまじと見たから、鼻で笑った。
「なんだ、この店の主じゃないか。自分の店は潰れて、従業員も客ももういないのに、お前だけ生きているのか」
青年の言葉は、俺を傷つけようとする意思しか感じられなかった。生き恥、と言っているのだ。お前だけ、なぜ生き残ったのだ?と。先ほどとは比べ物にならないほどの怒りが込み上げてきた。唇を強く噛んで、感情を抑える。
「なんで、君はこんなことをしたんだ」
満身創痍の己から出た言葉とは思えぬほど、はっきりとした言葉だった。
そして、青年は俺の言葉を笑った。
「そんなの、ただの暇潰しさ。ああ、暇つぶしとは少し違うな。俺が作ったものが、どれほど使えるのか、の実験だ。」
青年は、それが当たり前だと言わんばかりに言った。俺の店を、ただの趣味の延長線上のために犠牲にしたのだ。こいつとは分かり合えない。心からそう思った。そうすると、もう怒りは消えていた。
「そうか…そうか。」
ふらふらと拙い足取りで、青年に一歩ずつ近づく。青年は、満身創痍の店員など、危険視する価値もないと判断したのか。再び赤黒い画面に視線をやった。
一歩、一歩。青年に近づく。客席から落ちたのであろう、ピザカッターが目につく。俺はよろよろと歩きながらしゃがみ、それを手に取る。
嗚呼、俺はどうしたらいいんだ。今俺の中にあるのは、どうしようもない喪失感と、復讐心だ。こいつを今すぐにぐちゃぐちゃにしてやりたい。 でも、そんなことしても、俺の店は元には戻らないのだ。俺が、生き残った俺が、また建て直さなければならないのだ。
ぐちゃぐちゃになりそうな思いでピザカッターを片手で強く握り込み、青年に近づく。
わかっている。こんなことをしても、どうにもならないことなんて。でも、じゃあ、俺はこの思いを、誰にぶつければ良いんだ。こいつにぶつけるのが、妥当というものだろう。
青年の目の前で足を止めて、腕を振り上げる。青年は、俺に気づいていない。本当に、舐められている。思わず笑ってしまったくらいだ。
せめてこいつだけ、殺さなければならない。
そんな思いで振り上げた腕から、ぽろりとピザカッターが落ちる。ピザカッターが地面と接触した音で、やっと青年の瞳はこちらを向いた。
「なんだ、やらないのか。最後まで意気地なしなつまらない男だな」
青年は、呆れたように言った。実際、呆れたのだろう。その表情は、もう何も興味がないと言わんばかりの無表情だ。
それに対して、俺は泣いていた。涙が止まらなかった。俺に人を傷つける勇気なんてない。でもこいつが憎い。相反する思考回路でぐちゃぐちゃになりそうだった。
俺はその場に跪き、頭を抱える。
もう何も考えたくなかった。なんで俺が生き残ったのか、全くわからなかった。復讐も果たせない、無能が生き残った意味が。
頭の上から、青年の明るい笑い声が聞こえる。
「はは、無様だな。悔しかったら、また店を建てたらどうだ?完成して、いくつか経ったら俺はまた来るがな。それに、お前が対応できるかどうか。勝負でもしようじゃないか」
青年は本当に冗談で言ったのだろう。だが、その言葉は俺にとって救いだった。今回の悲惨な騒動は、この目の前の悪魔を除いて、俺の責任だった。警報を聞き逃した俺の責任。避難誘導をしなかった俺の責任。
そんな俺に、またチャンスが舞い降りてきたのだ。このチャンスを掴まずに何を掴めというのか。俺は顔を上げて、重い体をゆっくりと起こした。
「わかった。また会えるのを、楽しみにしておくよ」
清々しい気持ちだった。俺は笑顔で悪魔を見つめた。
悪魔は怪訝そうな顔をした。
「お前、気持ち悪いぞ」
そんなこと、自分が一番知ってるに決まっているだろう。
「知っている」
その後、俺は建設工事、マスコミへの報道、全ての責任を負った。
警備については以前の店よりも5倍以上の金と人件費を割った。
そして、数ヶ月してあの悪魔はやはり来たが、俺は店を守りきった。救われたような気分だった。偶像崇拝の人たちが神を讃える意味が今ならよくわかる気がした。
しかし、あの悪魔の襲撃が数ヶ月周期で、しかも毎回ご丁寧に攻撃をアップロードして来て、こちらも負けじと防衛を張りまくり、ある意味冷戦が続くことなど夢にも思わなかった。
・ ・ ・
お帰りなさい、みなさま。楽しんでいただけたでしょうか?
解釈違いがあったらすみません。でも私はあのエリオッツちゃんの笑顔の下には、やるせない復讐心が宿っていたらいいなと思ってしまったんです。
見ていただきありがとうございました。次回作もお楽しみください。 そしてリクエストください。ネタがないんです。このままだったら私はセッ◯スネタに走るしかなくなってしまいます。ネタください。