※この作品は私の前垢にて投稿していた《拝啓、本当の幸せを求める君へ_。》という作品のリメイク版です。
↑リメイク前を観たい方は、こちらの方を検索してご覧ください。
※小説の中で、暴言等の要素を含みますが、これらを肯定したり、助長したりなどの意図は一切ございません。
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風妖の盆地に向かおうと計画が立ってから数日後のことだった。
《…あ”ぁ…お腹減ったよ”ぉ〜》
《はぁ…我慢しろよ…。仕方ねぇだろ?金が無いんだから》
《いやいや!死活問題すぎるでしょ!?》
《…まぁ、2日前から何も食べてないしお腹減ったよねぇ…》
《あ〜もう!姉さんの作るシチュー食べたいよぉ〜!》
各々課金やら買い物をしていたせいか、貯金と食料が尽きてしまっていた。
加えて幹部と敵対した際の策を考える→じゃ移動前に少しでも特訓しとかない???
という考えに至り、よくエネミー討伐に行っていたため、みんな包帯だらけ。
ランダ達は丸2日、何も食べていない。お腹が減りすぎて5時間睡眠を強いられる日々… そんな時だった。風邪でなにかが飛んできたのだ。バサッと何かが。
《…ヴェッ!?何何何!?》
《ちょっと待って取るから…!えっと、チラシみたいだね、何のチラシ?》
《アルバイト募集…クエストをこなすだけだってさ…。報酬は最低で1000クレイG…難易度が上がれば10000クレイGは貰えるんじゃないか?》
《えまじで???きっと神様のお告げでしょこれ………ちょうどいいし、行こうよ二人共〜》
《えぇ…?僕は別にいいけど…羽衣は?》
《え、やだ。めんどいわ詐欺かもだし 》
《えぇ〜!?羽衣〜お願い〜!怪我治らないし食料もないとまずいでしょ〜?前のテープ破ってズカズカ入っていった勢いどこ行ったのさ〜》
《(ランダ達が破ってたんだね……)》
ランダは上目遣いをした。羽衣はとにかく女の子と頼みに弱いので、ため息をついてこう言った。
《仕方がないな…試しに1クエストだけだぞ 詐欺だったら途中脱退》
《やった〜!!ありがとう〜!!》
こうして、金欠のランダ達はクエストに行くことになった。しかし、ランダ達はまだ知らない。まさかこのクエストがブラックすぎることに…。
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歩き出して数分後。
《レッツゴー!!金金金〜》
《はぁ………待てよ、早いって……》
ランダは出発してしばらく経つというのに未だ勢いが衰えない。ナビるんと羽衣はもうクタクタ。汗が滝のように流れていた。
しばらく歩いていると、小さな町に小屋が見えてきた。そこに頬杖をついていたのは顔面偏差値70はあるであろう、長髪のめちゃくちゃイケメンなお兄さん。ランダは見とれてしまっていた。
《あ……あの……!!バイトしに来たんですけど……ここで合ってます? 》
《おっ!いらっしゃいお嬢ちゃん〜久しぶりだな〜女の子のバイトちゃんは》
《すごいチャラいな………僕苦手(ボソッ》
《何か用か?少年〜何か言いたいならきっぱり言ってくれよ〜》
《なななっなんでもありません!!》
おそらくこのお兄さんはバイトを募集した、張本人………いや、てんちょー?
羽衣はチャラいてんちょーに名前を伺うと彼は《レッド》と名乗った。
何故バイトを募集しているのかと言うと、最近突然エネミーが急増殖しているが、諸事情で誰もエネミーを討伐したがらない。なのでバイトを募集して、代わりに倒してもらおうということらしい。
レッドてんちょーとしばらく話していると、後から美人のお姉さんが顰め面をしながらこちらへと歩いてきた。
《あんたねぇ……まっさかこの子達に任せるつもりなの?この子達未成年でしょ》
《あれ?ライ、どうしたの?》
《(なにこの美男美女……)》
《あんたがそのリボンの子に仕事押し付けようとしてたから見回りよ、君達………ごめんけどやめといたほうが良いよ》
《dddddddどどどうしてです!?!?未成年だから!?!?》
ランダがあわあわとライに問いかける。
ここでバイトできなかったらほんとにまずい。餓死してしまう。
《なんでか…?うーん…いやそうかもね…きっぱり言うとね、闇バイトに近いよほんとに…労働。というか君たち怪我だらけだし…何か最近食べた?》
《食べてないです。金がないので…そのためのバイトですよバイト………怪我してるのも治療品買う金ないんで》
《マジでお願いします!!バイトさせてください…姉を助けないといけないんです…ここでくたばったら意味ないんです…》
《………》
やっぱり無理か…………?
ランダが諦めると言おうとした時。
《…………分かったわ、いいわよ。だけど…レッド、あんたが責任持ってこの子たちについていきなさい。死んだりでもしたらあんたは豚箱入りよ、リーチかかってるからね?しっかりしなさい》
《えぇ…………分かったよ………》
《………!!ありがとうございます!!助かりました……》
《君たちも、今日は泊まっていきなさい 治療しないとでしょ?》
《ほんとですか!?ほんとに………貴方達は命の恩人です…。ありがとうございます!》
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そうしてランダ達はレッド達の元に泊めてもらうことになった。
後日談なのだが………実はみんな打撲、骨折とかなり重傷だったらしい。
ランダなどは
《え????何も痛くないよ???》
と感覚がバグりかけていた。これはまずいですよ!!!!!!と1日どころか1ヶ月泊めてもらい、結局バイトをするのは数カ月後になるのだった。
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キャラクター紹介
レッド・グロリア ♂
肩代わり屋 お人好しのてんちょー。
記憶力がバカ悪いが、可愛い女の子だけは顔と名前、全てを覚えている
ライ・グロリア ♀
レッドの奥さん兼助手。
めちゃくちゃしっかりしていて、よくレッドを制裁している。医学に詳しい
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→次回
《実感する無力さ》
コメント
2件
アイコン変えました!?めちゃ可愛いです!!