オビト君達が死んでしまう
この記憶を思い出したのは、本当に最近
ぶっちゃけなんで思い出したのが自分みたいな平々凡々の中忍なのかは分からない
別に特別な力を持っているわけでもないし、うずまきナルト君みたいに強い心を持っているわけでもなくただただ生きる為に忍びになった奴だ。
だからこの記憶を思い出した時、正直怖かった。
もし、この記憶が自分の知っている人じゃなければ僕は今まで通り知らないふりをして過ごすっていう選択肢もできたはずだから。
でもこの記憶が、オビト君に関するものだからこそ、あんな未来を阻止するって選択肢しかないからこそ、僕は怖い。
他の夢小説とかでは、
「よしっ、これから色んなキャラを助けるぞ!」
ってのが王道なんだと思う。
でもそれは、その人がその話の主人公だから言える事だ。
自分はそれとは違う。
この世界で生きているんだよ、生きているからこそ自分は死ぬかもしれない。
今まで色んな任務をこなしていたけど、死にかけた事ももちろんあった。
横腹を抉られた時の痛みと熱さ、意識が朦朧として頭に霧がかかったような状態で敵の攻撃をかわさないといけない緊張感。
忍びをやっている以上、いつも死と隣り合わせで余裕のない自分に、誰かを助けられる自信も勇気もない。
だけど、僕はオビト君や、オビト君の大事な人達に死んでほしくない。
そんなの無理だってわかっていても、それでも生きていて欲しい
だから僕はオビト君達に待っている、最悪の未来を変えようと決めたんだ。
なのにこの状況はなんだ?
どうして、
どうして僕の仲間が、先生が死んでいるんだ?
この目に映るあかは、僕に着いているあかは、いったいなんなんだ?
僕はわけも分からずに走る。任務を遂行する為に走る。
走って、走って、走って。
息を吸うたびに、心臓が締め付けられるような痛みに襲われる。
それでも走る。走らないと死んでしまうから。
しばらくして、ようやく里の門が見えた。
門番の忍びの人も僕の事に気付いたようで、それに力が抜けた僕は意識を落とした。
あの後僕は木の葉病院で目を覚ました。
するとそこには、オビト君がいた。泣きながら、必死にしがみついて、僕に「…しなないでぇ」って言った。オビト君を宥めるリンちゃんも涙を目に溜めながらオビト君と同じようなことを言った
冷静になった今だから考えられる
あの時の僕の仲間は、いつかの白い牙の息子とリンちゃんのような死に方だった。
先生は、いつかの黄色い閃光のように、お腹に風穴が空いた。
違った事といえば、最後に先生の首と体がバラバラになった事ぐらいだ。
お前には出来ない
そう嘲笑うかのように綺麗なあかが僕にかかった
だから、それを聞いた僕はただただ謝ることしかできなかった。
「ごめん、ごめんね。僕は、君達を助ける事は出来ないんだ」
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