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ぱんだんこぱ
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【小さな相棒】
episode5
朝。
まだ空気が少し冷たい時間。
部屋の中に、電子音が響いた。
――6:00。
アラーム。
しかし。
布団の中の主は、ピクリとも動かない。
数秒後。
音は止まった。
無意識に、手だけ伸ばして消したらしい。
そして――
再び、静寂。
ベッドの上では、すちが深く眠っている。
そのすぐ隣で、丸くなっている小さなひつじ。
すちもす。
同じように、すやすやと寝息を立てていた。
主に似て、眠るのが好き。
起こす気も、多分ない。
――そのまま、時間は流れた。
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次に目が開いたのは。
――8:00。
「……ん。」
ぼんやりとした意識の中で、天井を見上げる。
そして。
「……へ?」
数秒のフリーズ。
次の瞬間。
「えっ、え、え、え!?」
跳ね起きた。
時計を見る。
理解する。
そして。
「やばっ!!!」
完全に、遅刻ギリギリだった。
ベッドから飛び降りて、クローゼットへ直行。
制服を引っ張り出して、その場で着替え始める。
「すちもすぅ〜〜っ!!」
叫びながら振り返る。
まだ寝ているひつじを、恨めしげに睨む。
「なんで起こしてくれなかったのぉ!!!」
理不尽である。
すちもすは悪くない。
しかし、そんなことを考える余裕はない。
ぽふっと軽く叩く。
すると。
もそ、と動いた。
半分寝ぼけたまま、ゆっくり転がる。
「今!?起きるの今!?」
ツッコミながら、ブレザーに袖を通す。
ネクタイは後回し。
ボタンも半分適当。
「やばいやばいやばい……!」
焦りながら、鞄に手を伸ばす。
ふと、キッチンが目に入る。
「……あ。」
朝ごはん。
一瞬迷って。
「トーストでいいや!」
即決。
パンを咥えながら、鞄を肩にかける。
その姿は、どこか漫画のワンシーンみたいだったが――
そんなことを気にしている余裕はない。
「すちもす、来て!」
声をかけると。
すちもすは、のそのそと近づいてくる。
完全に寝起きの動き。
「遅いってぇ!!」
抱き上げる。
ふわふわの体をしっかり支えながら、玄関へ。
靴を履いて。
「いってきます!!」
勢いよく飛び出した。
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外の空気が、一気に流れ込む。
冷たい。
でも、そんなことを感じる余裕もない。
「やばいやばい……!」
全速力で走る。
パンを咥えたまま。
鞄を揺らしながら。
腕の中ののすちもすが落ちないように、しっかり抱えて。
「……っ。」
息が上がる。
でも止まらない。
分校までの道を、ひたすら走る。
途中、何度かつまずきそうになりながらも――
なんとか、校門が見えた。
「……はぁっ……はぁっ……!」
ギリギリ。
本当にギリギリで――
すちは、遅刻を免れた。
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教室。
「……間に合った……。」
机に突っ伏しながら、そう呟く。
息が整わない。
まだ心臓がうるさい。
「おはよ、すち。」
穏やかな声。
顔をあげると、らんが笑っていた。
その足元には、うさらん。
相変わらず堂々としている。
「……おはよ……。」
ぐったりしたまま返す。
「すちくん、珍しいね〜遅刻ギリギリ。」
こさめが覗き込む。
足元では、ここさめがぴょこぴょこと動いている。
「……寝坊した……。」
「わかる〜。」
なぜか共感される。
いや、こさめは多分しない。
「つなまる、俺もああならねえように起こしてくれるか……?」
なつがぼそっと言う。
その足元で、つなまるは静かに座っている。
……起こさなさそうだ。
「いるべあも無理だな。一緒に寝るわ。」
いるまも続ける。
いるべあは呑気に窓の外を眺めていた。
こちらも起こすタイプでは無い。
「みこりんは起こしてくれそうやけどな〜!」
みことが笑う。
その横で、みこりんが尻尾を振っている。
「……確かに。」
すちは小さく頷く。
そして。
ふと、腕の中を見る。
すちもす。
まだ少し眠そうにしている。
「……はぁ。」
ため息をひとつ。
「起こしてよ……。」
小さく呟く。
もちろん、返事はない。
でも。
すちもすは、ぽす、とすちの腕に頭を預けた。
ふわ、とした温もり。
「……。」
少しだけ、力が抜ける。
さっきまでの焦りが、ゆっくりと消えていく。
「……まぁ、いっか。」
小さく笑う。
「今日も眠いでしょ?」
らんがくすっと笑う。
「……うん。」
素直に頷く。
「授業中寝んなよ。」
なつが言う。
「……努力はする。」
あくまで努力。
保証はしない。
すちは、そっとすちもすを撫でた。
「……。」
すちは目を細める。
窓の外は、穏やかな朝。
少しだけ眠くて、少しだけ騒がしくて。
いつも通りの一日が、始まる。
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡50
コメント
3件
んぎゃわいいぃぃぃぃ!!!!
天才ですっ!!! もう最高すぎて!!! 続き楽しみにしていますっ!
おお、第5話!すちの寝坊エピソードめっちゃ可愛かったわ〜。 朝のバタバタっぷりがリアルで、「すちもすぅ〜!!」って八つ当たりするところ最高やったな。理不尽だけど、それも愛だよね笑。 ラストの教室シーンで、みんなとのんびりした空気になるのがいい味出してる。すちもすが頭預けてくる描写、じんわりきた。焦った朝のあとの「まぁいっか」って感じ、めっちゃ好きや。 続きも気になる!🔥