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テラーノベル(Teller Novel)
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「やっほ〜!ジェイド〜!今日ねぇ〜久々にみんなに会ったよ!そう!カニちゃんプロバスケの選手になったの!それでね〜カニちゃんが教えてくれたんだけど、金魚ちゃんは学校の先生になったんだって!すごいよねぇ〜他にもいろんな人とお話したよ〜聞きたい?聞きたいよねぇ〜?教えたげる!ウミガメくんはパティシエだって!今度食べたいよね〜あ、取り寄せちゃう?アズールに頼めばできるよ〜!多分!でね、ハナダイくんはデザイナー!ピッタリだと思わない?でね、この前見て見たんだけど、めっちゃセンスいいの!靴とかさ〜かっこよかった!ねぇ、今度お揃いにしない?ジェイドにもきっと似合うと思うんだよね!でね、サバちゃんはケーサツだってぇ〜!すごくない!?あんなに馬鹿だったのにwww頑張ったんだねぇ〜でね、トド先輩は……言わなくても分かるか。あ、でさ!子供いるんだってよ〜!結婚できたんだwwwあ、いや、させられたのかな?コバンザメちゃんは〜王宮関係の仕事をしてるらしい……詳しくは聞いてないけどね、あ、そうそう!ウニちゃんはスノボの選手だってぇ!得意とは聞いてたけど、そこまでだったなんてねぇ〜オレにも教えてくれればよかったのに〜ラッコちゃんは、当主になったって!でもね、ウミヘビくんには会えなかった〜いま遠いところに旅に出てるらしくてねベタちゃん先輩には会えたよ!ベタちゃん先輩は、俳優さん!テレビにもよく出てるしねあと、グッピーちゃん!実家のリンゴ農家を継いだって!ほら見て!リンゴ貰ったんだよ〜後で切ってくるね!ウミネコくんは、今でも狩りをしてるって今日もめっちゃ追いかけられて疲れたぁ〜1番びっくりしたのがホタルイカ先輩!めっちゃ喋ってた!クリオネちゃんと一緒にゲームとか作ってるって!そーだ!今度やって見ようよ!これもアズールに頼んで取り寄せてもらおう!メンダコちゃんとクラゲちゃんとワニちゃんは、マレウス先輩の護衛とか、召使いとか!マレウス先輩はね……茨の国の王様。言わなくても分かったかなぁ?そういえば、ジェイドはオレとアズールが何やってるかわかんないよね、いいよぉ〜教えたげる!オレとアズールはね……医者になるためにお勉強中。あははっ意外だった?でもね、ジェイドのためなんだよ?ジェイドがいつまで経っても起きてくれないから。でもさ、勉強してて1番思うのはね、もうジェイドが起きてくれる可能性が低いってこと。ねぇ、どうしたら起きてくれる?こっちも楽しいよ、ねぇジェイド」


オレが同窓会から帰ってきてもジェイドは眠ったまま。

あの時のことオレは絶対に忘れない。

アザラシちゃんがオーバーブロットした時、オレを庇って攻撃がジェイドの頭に……

それからずっとジェイドは植物状態。

オレとアズールはジェイドを治すため医者を目指した。 

けれどもうこんな何年も眠ったままなら、目覚める確率は少ない。

治す方法じゃなくて、もう治らないってことしか分からなかった。



「フロイド、多分、もう無理です」

「は?」

「貴方なら分かるでしょう?」

「な、何言ってんの?アズール?ジェイドは目覚めるよ」

「フロイド、僕はジェイドよりも貴方の方が心配です」

「アズールに何が分かるんだよ?」

「何も分かりません、フロイド、僕と一緒に医者を目指しましょう」

「医者……」

「そうすれば、ジェイドを治す手がかりが……」

「わかった。なる」



あの日、アズールはそう言った。

でも、どうしても分からなくて、

泣いて、それでもオレなりに頑張って、

今はもう、”気分屋” なんかじゃない。

兄弟のために頑張っている、”片割れ” として生きている。

でも、もう疲れた。



ジェイドなんか 



死ねばいいのに。



気づかなかった。オレの左手に包丁が握ってあることを。



「フロイド、ただいま……!?」

赤く染まったベッドと床に落ちるた包丁。

なんの感情もない顔。 

そして、完全に生き返ることの無い心臓。

全てが今までの努力を無駄にした。

「フロイド!何してるんです!?」

「アズール、俺ねぇ疲れた。片割れなんていらない。」

「あぁ……フロイド……せっかく……」


眠り初めてから1991日後目覚めることが分かったのに


「フロイド……1991日後、計算しました。明日です。」

「え……」



オレを掴むアズールの手にどんどん力が入っていく。


そして、無意識に手が包丁に伸びていく。


ごめん、アズール。ジェイド。


オレが全部殺した。

包丁を持ってアズールを抱き締める。


両手で包丁を持って背中に包丁を向けた。


そして、



刺した。



アズール、オレとジェイドと一緒に死のっか。


オレはさ、尾びれを切り落とすよ。

陸に来てせっかくできた脚を。


「よくここまで生きたねぇ……アズール、ジェイド」

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