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「僕の姫になって頂けますか?」
そう言われた時は汗が止まらなかった。
なぜ君がそんなことを言ったのかすぐ理解できなかった。君のその顔はとても笑顔だけれどどこか私が何で言うのかを楽しそうに待っているような顔だった。
「ふふっ」
「君は”王子”ではなく私にとって”姫”だから」
「こんなに面白い姫様は興味があるな」
ここは〇〇王国、私は小さな城の窓から出て、外へ走った。
(クッソ、こんな生活本当にうんざりだ)
メイド「こら王子!どこへ行くのですか!」
「やばっ」
私は急いで敷地内から出て、あの草原に走った。あそこが私にとって落ち着く場所だった。
少々汗をかきながら暑苦しい無駄にお洒落な服を鬱陶しく感じながら走った。春風が首を優しく撫でる。
「あっ来た!」
草原にはいつも通りきみがいた。とても安心した。心から会いたいと思える人が。
「今日は早かったね」
優しく微笑む彼女は本当に花のように美しくベージュの髪をなびかせながら笑っていた。
「今日はこの本を持って来たんだよ」
彼女はカバンから取り出した。
「相変わらずよく笑うねレイは」
レイ「笑った方が楽しいことがいっぱいあるもの」
レイ「今日も読む?アルド」
アルド「もちろん」
いつもレイはこの草原にいる。そして革の大きなカバンを持って、私がここに来るたび新しい本を読ませてくれる。話によるとレイは近くの町からいつも来てるらしい。
レイ「大変だねアルドは」
レイ「王子って呼ばれたくないんだっけ?」
アルド「まぁ…うるさいからね」
レイ「…今日はね、魔法使いの話の本だよ」
アルド「ありがとう」
私はレイに感謝して、本を借りた。開くと絵が飛び出て来た。城はこう言った楽しそうな本はないからな。
アルド「そういえばレイは何でいつもここにいるの?」
レイは少し黙った。どうしたんだろうか。
私は顔を覗いた。
レイ「親が少し不仲でね」
ちょっと言いにくそうに言った。
アルド「あー…ごめん」
レイ「ちょっとしたことですぐ喧嘩になるから…家にいたくなくてね」
アルド「そうなんだ…」
レイ「だからアルドはいつも優しいから一緒にいると落ち着くから…一瞬だけ幸せになれる」
アルド「私もだよ」
レイはまた話した。どうやらお父さんがお母さんに文句を言うとお母さんも文句を言うらしく、いつも「お前なんかと結婚しなければよかった」や「もうあの人と一緒にいられない」と両親がずっと言ってるらしい。それは辛い。レイの家は西の方にある屋敷だという。
アルド「この本面白いね、魔法があればいいのにって思っちゃった」
読み終わった本を返した。
レイ「面白かったかな」
アルド「うん」
アルド「いつもありがとう」
レイ「いえ」
優しく彼女は微笑んだ。
あぁ、いいな
とても髪が長くて
綺麗で
女の子って感じ
笑顔が似合っていて
可愛い
私は…
私は生まれた頃から男の子として扱われてきた。父上が男の子でないと子供にしないと言った。だから私はいつでも男の子だった。でも私は普通に女の子らしくいたい。レイのように。
私は会った時から羨ましかった。でも仕方がないと思った。
アルド「いいなボソッ」
「!?」
レイ「…」
レイ「はぁ、」
アルド「?レイ」
レイは何故か立ち上がった。
レイ「アルドはさ、別に私の前で無理することないよ」
アルド「えっ…」
レイ「私はさ、初めて会った日から君のことが好きだったのさ」
私は困惑した。え、なに?告白?どういうことか、私の頭は混乱状態だった。
レイは私の手を取った。
そして
「僕のの姫になってくれますか?」