⚠︎︎キャラ崩壊してるかもです!
⚠︎︎轟くんが弱ってて、かっちゃんとデクくんが看病する話です!
⚠︎︎6000字くらいあるので長めかも…!
⚠︎︎苦手な方は自衛お願いします!
1月頃に頂いていたリクエストです!
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「……じゃあ、くじを引け。」
「…ろきくん、…轟くん!!」
「っ…」
緑谷にゆさゆさと体を揺らされて気がついた。あれ、何してんだ。今なんの時間だ。
「どうしたの?轟くん、」
「あ、いや、なんでもない。」
「ほんとに…?…ならいいけど…」
俺は何をしてるんだ。さっきから頭がふわふわして話が頭に入ってこない。さっきというか、朝からだ。
「すまねぇ緑谷。今何してるんだ」
「えっ、」
緑谷は少し目を見開いて驚いた顔を見せた。普段の俺ならこんな事はないからだ。
「…えっと、今から2人1組で戦闘訓練するんだけどね、そのペアをくじ引きで決める所だよ…!」
「そうか、ありがとう」
緑谷はまだ不思議そうな顔をして俺の様子を伺っていた。
「どうした」
「え、いやっ、…轟くんが話聞かないなんて意外だなって!」
「…そうだな」
俺も自分が何故ぼーっとしているのか分からない。頭がふわふわして、少し体がだるい気がする。日頃の疲れだろうか。そうだとしたら今日は早く寝ないといけないなと考え事をしながら先生の元へくじを引きにいく。
「…4番…」
俺の番号は4番だった。それを見た緑谷は、
「あぁ〜!僕3だ…轟くんと出来ないや…」
と、少し残念そうにした。
「おい!半分野郎!てめェ何番だ!!」
爆豪が俺の方へ向かってくる。
「4番だ…」
「…ケッ、」
ニヤッと爆豪が笑みを浮かべ、くじを俺に見せる。
爆豪が持っているくじは4番だ。
「爆豪、お前とやるのか。」
「今日こそ完膚なきまでにぶっ潰す!!」
「俺も…負けねぇ…こほっ、」
厄介な相手とぶつかってしまった。
体力をだいぶ削られることになりそうだ。
「はぁ…」
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戦闘開始
「おら、半分野郎ォ…かかってこいや」
「お前が来たらどうだ…」
「じゃ俺からいく!!」
容赦なく爆豪が降り掛かってきた。
氷でガードを作り、爆発を防ぐ。
だが一瞬で背後を取られ、後ろから背中を思いっきり爆破される。
「あ”あ?動きが鈍いな半分野郎!」
「っ、……」
爆破をされて体制を崩してしまったので、起き上がろうとした。
そんな時に、ぐわんと視界が歪んだ。
「っう…」
なかなか立ち上がらない俺を見て、爆豪も違和感を感じたのか攻撃を辞める。
「おいどした半分野郎ォ!もうへばったんかァ?!」
「……ちげえ……ちょっと寝不足気味なだけだ……」
「ああ”?!俺と戦う時は万全の状態でかかってこいや!!」
「わりぃ…」
体がだるくて重くて、なかなか立ち上がれない。
頭がぼーっとする。視界が歪んでよく見えない。
「おい」
「……」
「おい轟!!!」
爆豪の声で、ハッと我に返る。
「……なんだ」
「なんで立たねェんだよ」
「ちょっと手引っ張ってくれ、力が入んねェ。」
爆豪は心底嫌そうな顔をしたが、顔をそっぽ向けて俺に手を差し出す。
「すまねぇ、ありがとな」
「……あ?」
俺が手を握った瞬間、爆豪は更に顔をしかめた。
「……どうした?」
爆豪は無言で俺をじいっと見つめる。
「…熱あンじゃねえのか」
熱……?確かに体が熱いような気はするが、きっと運動をしたからだと思っていた。
「……そうか???冷やすからちょっと待っててくれ、冷やしたら戦闘訓練再会する」
俺は個性で自分の体を冷やす。
「……さみーな」
「ったりめぇだろバカか!!」
爆豪は俺の腕を掴み、ずんずんと前へ進む。
「病人はあったかくしてねぇとダメなんだよ!!」
「なにするんだ爆豪」
「イレイザーんとこ連れてくから黙ってろクソ鈍感」
爆豪に連れられて俺は相澤先生の元まで連れていかれて、保健室行きとなってしまった
爆豪が保健室の扉を荒っぽい仕草で開ける。
そして俺をベッドへ放り投げると、また荒っぽい仕草で布団をかけてくれる。
「ちょっと爆豪、轟は病人だよ。もうちょっと優しくしてあげないと…」
「あ”ー?」
リカバリーガールにそう言われ、爆豪は面倒くさそうに頭を搔く。
「戦闘訓練、出来なくてすまねぇな……」
「…ンなこと言ってねぇでさっさと治せクソが!」
爆豪に怒鳴られていた時、
扉を開ける音がした。
「轟くん、大丈夫?!」
息を切らした緑谷が保健室へ入ってきた。
「緑谷……?」
「ごめん、体調不良って先生に聞いて…僕終わったから来ちゃった…」
心配そうな顔をして、緑谷が俺の元へ駆け寄ってくる。
「熱は?」
「37.6度だった、微熱だからそんな心配しなくて大丈夫だ」
「……気づかなくてごめん、様子が変だなとは思ってたんだけど、体調不良だなんて気づけなかった、」
くじを引く前、俺の様子がおかしい事に気づいていた緑谷が悔やむように言った。
「はぁ、ヒーロー科は自分に鈍感な子が多いね。轟、今日はもう寮に帰って部屋で寝てな。」
リカバリーガールはやれやれと呆れたようにそう言った。
「あ、まだ熱が上がるかもしれないから一応緑谷と爆豪は轟を見ておいたほうがいいね。轟の事頼んだよ。何かあったらすぐ相澤先生か私は呼びなさい」
リカバリーガールは緑谷と爆豪にそう告げると、俺に寮へ帰るようにと促す。
「轟くん、歩ける?」
「おぉ」
「頭痛くない?」
「おぉ」
なんて会話を緑谷と繰り返しながら寮へ向かった。その間爆豪はずっとそっぽ向いて歩いていたが、怒鳴ってきたりはしなかった。
いつもなら隣歩くんじゃねえとか色々うるさいのに、これも爆豪なりの気遣いなのかもしれないと少しだけ嬉しくなった。
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緑谷side
寮の部屋に着くと、轟くんはさっきよりもキツそうに息をしていた。
「大丈夫?」
「おぉ…大、じょーぶ…」
そう言いながらも轟くんはふらついていた。
僕はその間に畳に布団を敷く。
「どう?暑い?寒い?」
「…分かんねぇ…身体は熱ぃ…ちょっと氷結で…」
そう言って轟くんは自身の体を氷結で凍らせ始める。
「…っ、てめバカか!!!!さっき同じことしてただろうが!!!」
「…あ、わり…」
轟くんはかっちゃんにそう言われ、氷結で凍りかけていた自身の体を炎で溶かしていく。
「布団敷いたよ。横にならないときついよね、」
「わりぃ…ありがとな、緑谷…」
そう言って轟くんは布団に横になる。
「っ、はっ、はぁ、」
横になっている轟くんの息は少しずつ荒くなっていく。
「轟くん、もっかい熱測ろっか、上がってる気がする…」
「……ん…」
轟くんは辛そうに体を起き上がらせる。
「っ…ぁたま…痛…ェ…」
ぐ、と顔を顰めながらキツそうに脇に体温計を挟む。
そこへかっちゃんが飛んできて、いつもより少し、ほーんの少し…ほんっとにちょっとだけ優しく、轟くんの顔を掴んで体を押し倒した。
「…お」
驚いたように轟くんが声を上げると、轟くんを床ドンしているような体制になっていたかっちゃんがビキビキ目を釣り上げて静かに怒る。
「熱ぐらい寝てても測れんだろーがクソゴラ舐めとんのかァ…」
「あっ、そっか、ごめんね轟くん…」
「…全然大丈夫だ」
かっちゃんが轟くんの顔から手を離し、布団から降りる。
轟くんがけほ、と小さな咳を洩らした後、ピピピピッと電子音がする。
「…何度?」
「…あ…?」
かっちゃんは目を見張る。
「…えっ?なになに?」
かっちゃんが黙るので怖くなって僕も体温計を覗く。
「ええっ…?!高くない?」
そこに出ていた数字は40、5。
「クソが、寝とけ!!」
そう言うとかっちゃんはドアをバンッと閉め、部屋から出ていってしまった。
「かっちゃん?!」
「…っ、はあっ、はーっ」
眉間に皺を寄せ、苦しそうに息をする轟くんを見るとこっちまで胸が苦しくなってきた。
「轟くん、頭痛い?お腹とか、関節痛とかは…」
「っ、ねぇ…頭、だけ…」
喋るのも辛そうな感じだったので、僕は寮に常備されている冷えピタを持ってこようと部屋の扉を開ける。
「わっ、…ちゃん?!」
「あ”ー?デクァ?ンだよどけ!」
「何持って…あっ、」
かっちゃんは冷えピタを持ってきていた。
「かっちゃんっ?!持ってきてくれたの…?!轟くんのために…」
「あ”?!ちげぇわ!!!」
違うといいながらもそれ以外にないじゃないかと思う。
「はあっ、はぁっ、ゔ…」
やっぱり40度もあると辛いみたいで、意識が朦朧としていた。
「おい轟」
「う、……ん、ばくご…」
「…おら!」
「っわ、」
かっちゃんはペっ、と乱暴に轟くんのおでこに冷えピタを貼る。
「っ…」
冷たかったのかぎゅ、と顔を顰めたあと、少し気持ちよさそうな顔になった。
「よかった…少しは楽になったかな」
「…おー、」
その後、寝息を立てたので僕達はほっと息をついた。
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轟side
「焦凍!!起き上がれ!こんなんで倒れてはオールマイトを超えることは出来ない!」
「アイツらとは遊ぶな!お前とは世界が違う…!」
「だめだ、こんなんではオールマイトを超えられない…」
「やめてください…!この子はまだ…」
「うるさい!冷は黙ってろ!」
「やめて!!…やめて…お母さんを………」
「いじ…めんな……」
夢を見ていたみたいだ。
過去の記憶が鮮明に蘇ってくる。
「…お」
畳の上には見慣れたぶっきらぼうな顔があった。
「ばくごー…」
「起きたか…」
ずっとここに居てくれたのか、と少し申し訳なくなる。
「体調は」
「…だいぶ良くなった気がする」
俺の様子を見た爆豪は、スマホをいじり出した。
誰かにメールしているみたいだ。
しばらくすると、扉が開く。
「かっちゃん!体温計、とってきたよ!」
「遅ェんだわ」
緑谷にメールで頼んでたみたいだ。
「轟くん、体調はどう?」
「だいぶ身体が軽くなった…」
「そっか、よかった…」
緑谷は胸をなでおろし、安心したような素振りをした。
「脇。はさめ」
「おぉ…」
ピピピピ…
「何度だ?」
爆豪は手元の体温計を覗いてくる。
「38.2度か…微妙に高ぇな」
「そうか?」
「頭痛は」
「だいぶ収まった…けど」
「んだよ」
「…腹が減った」
その言葉に、はー…、と爆豪はため息を着くと立ち上がった。
「デクァ!半分野郎見とけ!」
「分かった!どこ行くの?」
「粥作ってくる…てめぇに任せたいけどてめぇに任せるとゴミが出来んだわ…」
「なっ、…失礼な、僕だって作れるよ?!」
「とりあえずそいつ見とけ!!」
「…わかった…!」
「轟くん!」
爆豪とのやり取りを一通り終えたあと、緑谷は笑顔で俺の元へ駆け寄る。
「頭痛とかは?」
「寝てるから痛くねぇ」
「関節痛とか、体感的に寒いか暑いかは…」
「関節痛はねェ。体温調節は得意だから大丈夫だ」
「え、いやそんな…個性使うの?個性だとしても少しはエネルギーを使うでしょ。無駄な消費はよくないよ。お昼ご飯も食べてないんだから…」
「そうか…?でもちょっと氷使うだけなら良くねぇか…?」
「ちょっとなら…いいのかなぁ…」
緑谷の承諾を得た(全然得てない。)俺は、少しだけ個性を使おうとした。
だが、風邪で調子が狂ってしまって、布団から部屋の端までを、通せんぼするような長い氷を出してしまった。
「うわっ、びっ、くりした…轟くん、大丈夫?!」
「っ、悪ぃ……って、緑谷、頬に傷が…!!」
「え?」
恐らく、氷で掠ったのだろう。緑谷の頬には3cmほどの切り傷が出来ていた。
「ほんとだ…多少血は出てるけどそこまで深くないし、大丈夫だよ!」
「悪ぃ……」
「轟くんは大丈夫…?」
「コントロールミスってちょっと凍ったくらいだ…」
「あっためないと…」
「左を使うから大丈夫だ」
そう言って炎を出そうとした瞬間、緑谷がバッ、と腕を押えた。
「だめ、またコントロールがブレたらどうするの…?!氷は何とかなるけど炎は火事になっちゃうよ!」
「それもそうか…悪ぃ…」
すると緑谷は俺の右手を握ってきた。
「あっためないと…凍ってる。」
緑谷は、俺の手を必死ににぎにぎしたり、ふーふーと吐息をかけたりするが、体温だけではどうにもならない。
そんなとき
ガチャッ、と扉が開く。
「かっちゃん…!」
「爆豪…!」
「…あ、あぁ?!てめぇらなんだこの氷!」
叫ぶ爆豪に緑谷が一生懸命説明する。
「あのね、なんか轟くん個性の調子悪かったみたいで…コントロールがぶれちゃってこんな事に…!」
「なにしてんだ…」
呆れたようにため息をついた爆豪がこちらを向く。
爆豪はふと俺の手元に視線をやった。
「その手」
「…あぁ、コントロールが…」
「はぁ…」
爆豪は俺の手の近くでBOMB、と小さな爆破を断続的に繰り返す。
「…あったけぇ、緑谷も、爆豪も、ありがとな」
2人の気遣いに少し嬉しくなっていると、ぐー、とお腹がなった。
「…わり…」
「おいデク!その粥轟に食べさせとけ。その間に俺ァ氷とかしとく」
「そうだね。ありがとう!」
「ありがとな、爆豪」
「てめぇらに礼を言われる筋合いはねンだよ!」
爆豪の作った粥は美味しくて、どこか懐かしい味がした。
次の日。
自分の治癒力のおかげか、2人の看病のおかげか。恐らく後者だろうが、俺はすっかり治っていた。
そして、久しぶりに人の温もりと愛情を肌感じ、風邪だけでなく心の底に少しあった古傷も、癒えた気がする。
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どうでしたか!
実はこれ、1月に頂いたリクエストでした…!
遅くなってしまって申し訳ないです…🙇♂️
自分が物語を書くと、毎回少し余計な部分が入りすぎて長めになってしまうのです…!ご了承ください…!
次回はリクエスト頂いていたデクのトラウマ(虐待)を書こうかなと思います!
他にもリクエストあったらどんどん言ってください!
待ってます!体調不良だけじゃなくて大丈夫です!
読んでくださりありがとうございました!また次回会いましょう!
Plus ultra!!!!
コメント
6件
めちゃ良かったです(*^^*) リクエストで相澤先生が体調不良で出久が看病って出来ますか?良ければお願いしますm(_ _)m
体調不良好きやからこの作品に出会えて良かった!
上鳴くんの体調不良って出来ますかね…? (推しの体調不良見たくて…😅)