前回のあらすじ
わたメル「前回のあらすじを担当させていただくわたメルですよろしく!
アルビーさんがシピーさんのお願いでツルギにあって欲しいと言われたので会いに行ったら罵詈雑言!そのまま喧嘩となりました
その頃私とくろわたは日鳥夜国に行く準備をしたり、モクアミ様の部屋から聞こえるなその声を聞いていたり。。
鶴雨さんは旧友の亀十さんと再開したり!とにかく色々ありました!
それではどうぞ、楽しんでください!」
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医務室
ルピナス「ぁああぁぁ…歩けない歩けない…まだ歩けない…」
レイチェル「静かにできないの…?下半身は再生できたけど歩けるまで時間かかるの!大人しく寝ていて!」
ルピナス「部屋にあるパソコン持ってきて…兄ちゃん見たい…」
レイチェル「に、兄ちゃん?あなた兄居たの?」
ルピナス「うん…」
レイチェル「…」
珍しく弱々しい姿をみせる彼が、新鮮でなんだか気持ち悪い
確かに下半身の感覚がまだなくて、歩くことも出来ない状態だとそう弱々しくなるのも共感できる
けれどなんか慣れない…いつもの生意気なルピナスに早く戻ってくれないかな
ガチャリ
レイチェル「?」
アタル「…薬」
レイチェル「あ…まだ、頭痛治らない?」
アタル「…そうだよ」
レイチェル「何か脳に損傷があるのかも。ねえ、やっぱり少し…」
アタル「いいから、薬。カラが来るまでには部屋に戻りたいんだ」
レイチェル「…う、うん。わかった。お薬出してくる、まってて」
レイチェル「ごめん、ルピナス。それじゃあ私仕事に戻る」
ルピナス「…ん」
アタル「…珍しく弱まっているな」
ルピナス「…下半身の感覚ないのが1番きつい…」
アタル「はは、今までの罰が返ってきたんじゃないの?下半身を引き裂かれるなんて、アイツ相当な事するな」
ルピナス「笑い事じゃないんだけど…」
こっちの苦労も知らねーでゲラゲラと笑いやがって…ほんとお前の方が天罰食らうべきだろ
アタル「ぐっ…」
ルピナス「…あ?なに?」
アタル「…なんでもない…」
レイチェル「持ってきたよ、薬」
アタル「…ありがと、それじゃ」
薬を受け取ったらすぐに医務室から出る
…とても苦しそうにしてた、そんなに頭痛が酷いのかな。
早く良くなるといいんだけどな…
ルピナス「……そういえば、あのノルアちゃん見つかった?」
レイチェル「まだだよ。…ほとんどの研究員はもう見つかってるのになあ…」
……ノルアちゃんは変わった子だった。目の前で仲間が死んでも、翌日には何も無かったかのように笑顔だった
そりゃあ最初の頃はそれを引き摺っていた、自分のせいだと何度も弱音を吐いていた
それでも、数日経てばいつもの笑顔で周りを笑顔にさせようと頑張っていた。
…この施設で純粋な気持ちを持った人はもう居ない。新入りでさえも1ヶ月単位で純粋だった頃の気持ちは消えてるもの
それなのに何ヶ月も、純粋な…私たちにない、純粋で穢れのない少女のようだった
彼女が早く見つかるといいんだけど……
ルピナス「あびゃあああああ兄ちゃんんんんん」
レイチェル「声沈めて!寝てる人いるの!」
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荒れ果てた地。古代の何かのような物がそこら中に落ちていて、それを両手いっぱいになりながらもかき集める
哀れむような目でキドリが見つめる
キドリ「…なあ、手伝ってくれ」
「嫌です。貴方の研究所と私は何の関わりもありません」
そうキドリの頼みをキッパリ断り、立ち上がってゆっくりとキドリの方を振り返る
スカイグレー色の腰まである長い髪、人間とは思えない尖った耳、黒いバラのヘアアクセサリーを着飾ったとても美しい女性だった
キドリ「……イザベラ…」
イザベラ「嫌です。あと何十回言えば納得してくれますか?」
ニコ、とキドリにほほ笑みかける
イザベラ「私はこの地にずっと居ます。他の場所なんて行きません。彼が存在したという唯一の証ですから」
イザベラ「貴方が見捨てた歴史ですよ」
キドリ「…」
イザベラ「彼の代わりなんて出来るものは居ません。現実と向き合う時間が来たのですよ」
ゆっくりとキドリにそう述べた後、またしゃがんで地面に落ちた”歴史の証”を拾い上げる
イザベラ「八咫烏も、ヒギョウも、シピーや月下…貴方の所にいる鬼響も前に進んでいるというのに、貴方だけ置いてけぼりですよ」
キドリ「…わ、分かってる……わかってるけど…」
絶え間なく現実を突きつけるような言葉を言われ、動揺して顔を地面に向ける
足元には”歴史の証”が落ちていた
イザベラ「彼は私の言葉なんかで動揺しません」
さっきまで優しく喋りかけていたイザベラの声が少し低くなる
俯いたままで一言も喋りはせず、地面に落ちている”歴史の証”をじっと見つめる
キドリ「……」
イザベラ「…あら」
キドリがいた場所に顔を向けるも、キドリの姿は無い
困ったように笑いをうかべる
イザベラ「意地悪しすぎましたかね…けれど、そろそろ向き合って欲しいです。」
イザベラ「苑葉。」
はーい!と小さい女の子のような声が遠くから聞こえてくる
両手いっぱいに抱えた”歴史の証”を持ってイザベラに近寄る
白い髪に猫のような耳が生えた小さな女の子だった
苑葉「どうしました!」
イザベラ「そろそろ休憩しましょう。朝食にしましょうか」
苑葉「わぁーい!楽しみです!」
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わたメル「…ん?」
荷物の用意をしていると机の隙間から何かが見える
机を少し動かしてその隙間に埋まっていたものを見ると絵本のようだった。誰かが無くしてたのかな。
えーと、
わたメル「…”寸進尺退の生活”?」
絵本に覆いかぶさっていたホコリを払う。傷はひとつもないし、大事に保管されていた感じかな。
…くそー!気になる!
わたメル「くろわた!これ少し読んでいい?」
くろわた「?いいが、急ぐんだぞ」
わたメル「うん!!」
『寸進尺退の生活』
ある所に、体が弱い小さな女の子がいました
ですが、その女の子は交通じこにあいました
病院での生活に不満はありませんでした
なぜなら、友達が度々来てくれるからです
家に置いてけぼりの愛猫も、おかあさんとおとうさんが写真で愛猫状態を見せてくれます
ですが…何年か経ち、友達は忙しくて来れなくなりました
女の子の状態も悪化していくばかりで…
女の子は決意しました
わたメル「…?」
何ページか破れていて続きが見えない
なになんだよおいこら見せろやおいおい!!
酷いよ〜!なんで、気になるよ!?
いやまぁ…予想はなんとなく分かるんだけどさ
自殺したとかなんだろうな。
わたメル「よし、私は準備出来たよ〜」
くろわた「ならそろそろ行こうか」
ベッドに座っていたくろわたが立ち上がって、部屋を出る
さようならお部屋さん👋もう使うことはないだろうけど、楽しかったです
そう思い、扉を閉める。…そういえば
わたメル「これなに?ドアネーム?」
裏向きのドアネームを表にする
くろわた「…せいそきょうだい…」
幼い字で書かれたような誰かの名前。せいそきょうだい…過去に兄弟の人がここを使っていたのかな!楽しかったです!でも絵本読みたかったです
わたメル「それじゃあ、行こっか!」
くろわた「そうだな。」
日鳥夜国
くろわた「……事故死するかと思った」
前回と同じタクシーの人が車をかっ飛ばしてくれました。
はい、とても凄かった
わたメル「…や、ヤタノさんとこの辺りで待ち合わせしてるんだけど…」
ここら辺でウロウロしながら待ってるかぁ…わたしじっと出来ないタイプなんだよね。くろわたの周りぐるぐる回っとこ
ぐるぐるぐるぐる…
ぐるぐるぐるぐるぐるぐる…
ぐるぐるぐるぐ
わたメル「頭回る!!」
くろわた「ならやめなさい」
くろわたがそう言った後、ヤタノさんが話しかけてくる
うんどっから来たの急に現れたね‼️
わたメル「おはようございます!」
ヤタノ「あぁ、おはよう。」
ヤタノ「それじゃあ行くぞ。少し急ぎの用事があってな」
そう言いながら案内してくれる。私たちもその後について行く
ほんとに大丈夫だろうか
迷子にならない?
くろわた「急ぎの用事って?」
ヤタノ「あー…古い友人とな…少し」
わたメル「へぇ〜…」
ダンッ
衝撃音のような何かが、近くで聞こえた
それもそうだった
目の前に鳥の羽が生えたような何かが私たちを凝視していた
わたメル「ウワーー!!!???」
くろわた「下がれ、わたメル、お前もだ!」
ヤタノ「…あ、安心してくれ。この国ではこういうの多いんだ。人懐っこくていい子たちだよ」
そう言ってヤタノさんが前に出ると、鳥は頭を下げて撫でてほしそうにしていた
撫でてあげると嬉しそうにしている
ヤタノ「な?触ってみるといい」
わたメル「…嫌なんでそもそもこんなにでかいんですか」
ヤタノ「この子は怪鳥だな。怪鳥は基本的に人懐っこいのばっかりだから」
くろわた「…触ってみるか?」
わたメル「イヤだ」
ヤタノ「イヤだ!?」
ヤタノ「こんなに可愛いのに!?」
わたメル「イヤだ」
ヤタノ「す、少しだけ…」
くろわた「…わたメルはこう言い出したら何がなんでも触らない。諦めた方がいいぞ。」
ヤタノ「…ぐっ…」
なんでそんなに悔しそうにするんですかね
あ、私も頑張ったやつちょっとみてって言われて嫌って言われるの悔しいかも
なるほどな
触りませんけどね??
無名教、着いたぞーーーーーー!!!!!!!!!!!!!
ヤタノさんは近く辺りまで来たら帰りました。無事に帰れるといいんですが…
…というかココ、なんか見たような気がする?
コンコン、と閉まった扉を軽くノックする
ドタドタという音が外にまで聞こえる
ガチャ
コトハ「はいはいはい!」
コトハ「…アラ!!前のコですか〜!?!」
くろわた「知り合いか?」
わたメル「宗教勧誘してきた人」
くろわた「…」
コトハ「どうぞどうぞ!!お入りくだサイ!」
中に誘導されて入る
あああああ相変わらず照明が強ーーーーーい
辺りを見渡す。綺麗でちゃんと整えられてるんだよな
…ココロ様ね…
くろわた「ここにアルと言うやつ来ていないか?」
コトハ「あら、アルクンのおトモダチですか!?来てますヨ🎶コッチです」
案内された部屋へ行く
ドアネームがここにも…青葉とネオンの部屋?
青葉とネオンって人がここに居るんだなー
そんなことを思っているとくろわたが扉を有無も言わずに開ける
ガチャ
外から部屋の中を見渡す……あ、あ!
わたメル「…アル居ない!?」
青葉「、?!?」
コトハ「ゴメンなさい。アルクン探しているようナノで…」
青葉「…あ、アルなら…中庭に…」
わたメル「うおーーーーーーーーアルのヤローーーーーーーー見つけたら羽もいでやるーーーーーー」
くろわた「あ?!わたメル!?そこは中庭じゃないだろ!!」
何か言ってた気がするけど今の私には言葉が何も入ってこねーぜー!!!!
わたメル「びゃっ!!」
誰かとぶつかった衝撃で後ろに倒れる
やべ頭打ってないな?そう思って頭を摩ってぶつかってしまった人に謝る
わたメル「ごめんなさい…えっと」
「…」
わたメル「?えと、ごめんなさい?」
「…キミは……なに?」
わたメル「え?あ、わたメルです」
「……キミは誰の信者?」
わたメル「…えっと」
言っていいのかな、これって。
綺麗な長い髪に、美しい着物。胸元には花をつけている女性
…この人もココロ様の信者なのかな?
わたメル「…実はまだ誰の信者でもなくて!だからここに来ました!」
そう言うと数分黙る
ニコ、と微笑んで私に視線を合わせるようにしゃがむ
ココロ「そっか!私はココロ。楽しんでねそれじゃあね。」
わたメル「…え」
ココロ…?
嘘でしょ、嘘だと言って
目の前に創造主が
モクアミ様を堕落させた人がいる
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……?
時間が少し経過しても何も起きる気配がない。なんだ?
目を開けて辺りを見渡す
亀十「か、鶴雨…」
さっきまで聞こえなかった騒がしい声が目を開けた途端聞こえる
人々の歩く音、環境音、楽しそうに話す音
久しぶりの騒々しさに呆気にとられる
はっ、と我に返って一言つぶやく
鶴雨「…ここはどこだ……?」
幸い近くにいた����をすぐに見つけられた。����もこここを知らないらしい
ここはどこなのだろうか…?
鶴雨「…こんな所で突っ立っているのも時間の無駄だな…歩いてみないか」
亀十「そ、そうね!そうしましょう。」
横に並んで歩き始める
全員キョロキョロしていたら周りにいる人たちの視線を合わせてしまった
ひぇぇそんなおかしい!?
「すいません…」
男性の声だろうか?声の方向を振り向く
亀十「な、ななななに、なにかしら!?」
鶴雨「生き残り!?」
『ニンゲン!!』
和「いや、え?…そ、それより君たち銃刀法違反だよ……それはおもちゃの刀か何か?コスプレ?」
鶴雨「…こす、ぷれ?」
亀十「銃刀法違反って、違うわよ!?玩具でもないわ!逆にあなたたちはどうして武装をしていない訳!?」
『待って待って落ち着こう!怪異かもしれない!逆上させたら何が起こるかわかんないよ!』
和「えーーと???」
相手も戸惑ってるし…えっ、なにこれ?なに?武装しない世界が当たり前?また変な世界に転送された?あーもう早く���来いよ!
和「…とりあえず来てくれるかな?」
鶴雨「あ、ああ?」
案内されたのは真っ白な空間に椅子と机がある部屋。3人分の椅子を用意されて座らされる
対面に座っていたのはさっきの男じゃなく、別の人だった
壱成「なぜ刀を所持していた?」
鶴雨「逆になぜ貴様たちは武装していないのだ!?」
壱成「…出身国は」
鶴雨「和桜ノ妖国。」
亀十「私もよ。…あなたは?」
『え!あ、私はー…』
『…鬼桜風国。』
壱成「…どれも聞いたことないな」
壱成「…君たちの世界では常に武装しているのか?」
鶴雨「そうだ!自分の主を守るためにな!」
『…私は何も武装してないんだけどなぁ……?』
壱成「とりあえず…君たちは今日宿泊施設に泊まらせる。」
鶴雨「怪異は居ないな?」
亀十「うさぎはいないわよね」
『狼狩り居ない?』
壱成「安心しろどれも居ない」
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騒がしいにも程がすぎるとある風変わりなお茶会が開かれている森
紅茶が無くなったコップを持ったまま、何かを考えるかのようにアリスが俯いている
チャシー「冷えるぞ」
アリス「…」
アリス「……ココロ様、来てくれるって言ってたのに急に来てくれなくなった」
チャシー「こういう場所で気分転換もいいだろう?さあ、忘れろ。」
アリス「……うん」
チャシーがアリスに紅茶を注ぐ。注いでる最中にティーカップがチャシー目掛けて飛んでくるが、当たり前のように軽々しく避ける
チャシー「猫の反射神経舐めんなよー?」
ネムリ「猫?!」
猫という言葉に反応したのか、寝ていたのに飛び起きて暴れ始める
周りにいた人々がネズミの生えた少年を拘束して花にジャムを塗ると、再び寝始める
メザメ「アンタいい加減にしなよ!?」
チャシー「そりゃあ申し訳ない」
本当に反省しているとは思えない態度でニヤニヤと笑う。メザメの怒りを買って腰に忍ばせていたナイフを取ろうとした時、ここを仕切っているであろう男性が笑う
フール「ネムリが暴れるなんて珍しいから、これも良いと思うな。」
イベリス「ティーカップが無くなった!!!」
ローズ「…さっき投げていたでしょう」
スィミラ「お代わり!」
シミラー「僕も!」
イベリス「任せろ!!」
騒々しくて和気あいあいとしたお茶会
そんな光景を見たアリスがくすくすと笑う。アリスの笑い声を聞いた途端、騒々しかったお茶会は一気に静まる
ローズ「……ああ……愛らしい…」
メザメ「ふん!…まあ、楽しそうみたいだね!」
アリス「楽しいよ。ヴァイスも来たら良かったのに。」
注がれたお茶を飲んで、ケーキを食べる
アリス「……」
私、ココロ様の役に立ててるのかな
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また1日すぎましたごめんなさい!
必要とされているか不安ですよね分かる
ルピナスはギリ再生魔法で生きてました。よかったねー
イザベラお姉様!頭撫でて!!!!
ヤタノさんは急用だったり〜色々だったり〜
鶴雨たち外から出てこれましたね!おめでとう
出てきた人達の紹介
アタル ♂ 年齢29歳 種族人間
一言で言えば歩く道血で染ってるやつ
イザベラ ︎︎ ♀ 年齢不明 種族人間
一言で言えば老いを取らない人間
苑葉(そのは) ♀ 年齢不明 種族猫
一言で言えばもふもふロリ
フール ♂ 年齢不明 種族たぶんにんげん
一言で言えば血に飢えてる紳士
イベリス ♂ 年齢不明(うさぎ年齢だと12歳くらい?) 種族獣
一言で言えば器物破損魔
メザメ ︎︎ ♀ 年齢14歳 種族獣
一言で言えば妖怪目潰し女
ネムリ ♂ 年齢10歳 種族獣
一言で言えば妖怪お眠り男
ローズ ︎︎ ♀ 年齢不明 種族花の精霊
一言で言えば薔薇を〜赤く塗ろうよ〜
スィミラ ♂ 年齢14歳 種族人間
一言で言えばお話大好きくん
シミラー ♂ 年齢14歳 種族値人間
一言で言えばお話大好きくん
☆今日の 豆知識☆
アタルは鬼畜野郎なのでカラが苦しんでいても面白がるだけで何もしない
それではまた👋
コメント
2件
ふぉー!急に色んなキャラ出てきたな!みんな可愛いわ....すき...!!!!