テラーノベル
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目的地である惑星ザトリックスに到着すると、宇宙船は着陸プラットフォームに静かに降り立った。百メートルほど先には、夕映えの輝きの中でも圧倒的な存在感を放つ天空宮殿がそびえ立っている。
船を降りた一行は、そのまま宮殿へと向かった。道中、強力な電磁フェンスの向こう側では、この星に住む様々な種族たちが、アルコスとエレテの名を叫び、熱狂的な歓声を送っていた。
ザトリックスには、調和を保ちながら共存する四つの主要種族がいる。
神族と半神族: 惑星の均衡を守る、強大な力を持つ天上の存在。
ニムクル: 数世紀をかけて成長する岩石生命体。古ければ古いほど巨大で強固になり、圧倒的な怪力と防御力を誇る。アルコスの父、創世神ムナックによって創られた。
ヴェルモリア: 身長2メートルを超える獣人種。驚異的な速度と頑強な肉体を持ち、エレテによって創られた知略に長ける忠実な従者たち。
トリナリオ: 人間に似ているが、全身を闇の紋様が駆け巡る種族。紋様が多いほど力は強く、紅い瞳は暗闇を見通す。その創造主は謎に包まれているが、リーダーは半神に匹敵する力を持つ。
宮殿内に入ると、アルコスは息子に向き直った。
「時が来た。お前も本格的な修行を始めるべきだ」
その言葉に、ドレイゴンは瞳を輝かせた。幼い頃から強くなることを夢見てきた彼にとって、これ以上の言葉はなかった。
「父上が…俺を鍛えてくれるのか?」
期待を込めて尋ねる息子に、アルコスは静かに首を振った。
「私がお前を直接鍛えるには、まだ早すぎる。今の私とお前では力の差が大きすぎて、修行にはならん。だが、お前にぴったりの相手を用意した。まずは彼を超えろ。努力次第で、いつか私と手合わせする日が来るだろう」
ドレイゴンは一瞬落胆したが、すぐに拳を握りしめた。
「分かった。すぐに強くなって、父上を驚かせてみせるよ」
数時間後、宮殿の門前で待つドレイゴンの前に、アルコスが一人の巨漢を連れて現れた。それは岩の塊のような肉体を持つニムクル族の戦士だった。
「ドレイゴン、紹介しよう。最初の相手、ニムクル族のブッツァーだ。彼は種族の中でも屈指の実力者だ」
身長3メートルを超える岩石の巨人は、地響きのような声で言った。
「若きドレイゴン様、お会いできて光栄です。全力でお相手しましょう」
「こちらこそ、よろしく頼む、ブッツァー」
アルコスは二人を宮殿の地下へと導いた。大広間の巨大なテーブルと絨毯をどけると、床には漆黒の金属でできた重厚なハッチが隠されていた。
「ここは限られた者しか知らぬ場所だ。この宇宙に放っておけぬ危険なものを封印している」
アルコスが指を鳴らすと、手の中に紫色の宝石が現れた。それをハッチの窪みにはめ込むと、低い駆動音と共に扉が開いた。アルコスが手の平に灯した炎で暗闇を照らしながら階段を下りると、そこには地上よりも巨大な地下宮殿が広がっていた。
壁には伝説の武器や宝物がクリスタルに封印され、厳重に保管されている。その中で、ドレイゴンの視線はある一点に釘付けになった。
それは、光を吸収してはより強く放つ、黄金の輝きを放つ槍だった。
鋭く反り返った刃には神聖なルーン文字が刻まれ、柄は漆黒の金属でできている。
それは単なる武器ではない。神の血統、継承、そして圧倒的な力の象徴――神にこそ相応しい、至高の槍だった。
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