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「…」


桜木トオル「…」



トオルと僕は握手のような状態で硬直していた。数秒後、唐突にトオルの顔から汗が流れ始める。


「あの…大丈夫ですか…?」


桜木トオル「……忘れた」


「…え?」


桜木トオル「行くことになったのはいいけど場所を忘れたよぉぉぉ!!!!」



さっきまでの安心感はどこへ行ったのか。


「と、とりあえずその場所への道か目印を探しましょうよ…」


桜木トオル「いやぁ…僕は基本的に飛んでるからなぁ…」


「と、飛んでる…?」


桜木トオル「ん、知らない?空中飛行。特定の能力なら空も飛べるんだよ」



能力で空を飛ぶ…

まさに自分が憧れていたものだ。


「ト、トオルさんはどんな能力を持っているんですか?」


桜木トオル「呼び捨てでいいよ~。ま、慣れないだろうけど。僕は『あらゆる方法で桜を操る能力』、そう呼んでるけど実際は桜そのものを操るんじゃなくて桜を圧縮したもの…まぁ半透明の淡い桃色の物体みたいなものを生成、増殖、操作…まぁなんでもできるよ」


「な、なんか凄いですね…」


桜木トオル「もちろん自分の体もそれに変換できるからそれで飛んでるってわけさ」


「そ、そうなんですね………?」



トオルの後ろに少しはみ出てるサメのようなものが目に入る


桜木トオル「あー見えちゃったか…僕は半魚人っていう種族、人間とサメの魚人のハーフなんだよね。僕は人間の体にサメの尻尾が付いてる感じだけど。まぁ様々な能力者にも様々な種族があるって感じ」


「そ、そうなんですね…(2回目)」



知られたからなのかトオルはその尻尾を隠す気がないほど大きく揺らしている。しかし何故かその尻尾が本物のようには見えなかったが、気にしないでおくことにした。


桜木トオル「あっごめん、行くって話だったのに結構長く話しちゃったね」


「あっいえ…大丈夫ですよ…」


????「なにしてんだトオル、拉致?w」


桜木トオル「失礼な!ちゃんと案内してるんだよ!…僕も迷子になったけど」


????「駄目じゃねぇか…」



いつの間にか居た青いパーカーを着た人型の竜のような者がトオルと話していた。


「えっと…誰ですか…?」

桜木トオル「ほら言われてんぞ引きこもり」

音龍ギドラ「お前にだけは言われたくねぇよ。俺は音龍ギドラ、音を操る能力の竜人ってやつだ」

「そ、そうなんですね…(3回目)」

音龍ギドラ「とりあえず、アジトへ行きたいんだろ?送ってやるよ。その代わり飯はトオル奢れよ」

桜木トオル「おまっ!卑怯だぞ!」

「え…?アジト…?」

音龍ギドラ「あぁアジトだ。まぁ対してそれっぽいことせずにだらだらとのんびり過ごしてるが」

そう話していると、気がついた時には既にアジトらしき建物の前に立っていた。


桜木トオル「やっぱ便利だよなお前のその能力」

音龍ギドラ「動くのがめんどくせぇだけだろうが、少しは動けよ太るぞ」

桜木トオル「あー!それ女性に言ったらいけない禁句だぞー!」

音龍ギドラ「お前男だろうが…てか騒ぐなら中で騒げよタワケ」

「す、すみませんおじゃまします…」

後ろで言い合ってる2人は無視して、ドアを開けて中へ入る。中は思ったより普通だが広く、どこの家でも見るような感じだった。しかし自分にとっては初めて見るようなところだった。


「わ…す、凄い…」

音龍ギドラ「別に凄くねぇよ…今…というより前からこれぐらいだぞ」

「いいなぁ…」

初めて見たような気がしたのもあって、つい言ってしまった。


音龍ギドラ「あ?お前ホームレスなのか?」

「あ、いや…住んではいたんですけど…このうよな部屋は見たことがないんですよね…多分…」

音龍ギドラ「それほど贅沢に暮らしていたのか、貧乏だったのかの2択だな」

桜木トオル「本当にそうかなぁ~」

音龍ギドラ「んだよ、知ってるような言い方しやがって」

桜木トオル「ま、とりあえずなにも食べてないだろうし、いつものご飯にしようか。ギドラ~お願い~」

音龍ギドラ「お前が食いたいだけだろうが…もういいやめんどくせぇ、早く作るからさっさと食えよ」

トオルと言い合いながらもギドラはそう言うと調理し始める。トオルとコタツに入り、出来上がるのを待つ。キッチンから美味しそうな匂いが漂ってくる。トオルは横になって寝ているが、尻尾をまだかと言わんばかりに地面に叩きつけている。


音龍ギドラ「できたぞ、材料があんま無かったからこれぐらいしか作れねぇが」

そう言いながら白米、目玉焼きとソーセージ、味噌汁を人数分配る。

「あ、ありがとうございます…!」

桜木トオル「ギドラお手製のご飯だ!身に染みるぅ~!」

音龍ギドラ「お前は黙って食え」


白米と目玉焼きとソーセージと味噌汁、見たことはあるが、食べた記憶がない。なぜ所々記憶がないのだろう?そう思いながらご飯を口に入れる。

美味しい。

味わった記憶がないのと、空腹だったことも相まって尚更美味しく感じ、つい涙が溢れた。


音龍ギドラ「おいどうした!?」

桜木トオル「美味しくなかった?w」

音龍ギドラ「テメェは後で島流しにしてやる」

「…美味しい」

音龍ギドラ「…?」

「美味しいよ…とても…」

なぜ味わったことがなかったのだろう。とても疑問に思った。

桜木トオル「でしょ?ギドラは一番料理が上手くってね、前なんか買い物忘れて材料がほとんど無かった時に作ってくれたシンプルなものでも、食べてみれば箸が止まらないんだよ!」


音龍ギドラ「…褒めてんのかそれ…?てか忘れてんじゃねぇよあん時大変だったんだぞ」

桜木トオル「まぁまぁ許してヒヤシンス★」

「ありがとうございます…」

感謝してもしきれなかった。いつの間にか箸が進み、あっという間に完食していた。


音龍ギドラ「それはトオルに言え。こいつが見つけなかったら暮らすどころかくたばってたかもだしな」

桜木トオル「あのギドラが珍しく褒めた…!今日は嵐だ…!」

音龍ギドラ「お前を槍で刺してやろうか」

桜木トオル「刺身だけは勘弁」

「ふふっ…」

両者からしたら口喧嘩のようだが、自分からはコントのように見え、つい笑ってしまった。

音龍ギドラ「アー、そろそろ日が落ちる頃だな…最近なんもしてねぇけどいつも通り寝るか?」

桜木トオル「そうだね。ちょうど眠くなったし寝るとしよう!」

音龍ギドラ「運動しろよ…(小声)」

桜木トオル「ん?」

音龍ギドラ「あ?」

2人はいつものように言い合っていたが、気が付けば2人より先に眠ってしまっていた。

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