コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
〈中也Side〉
そろそろ時間だ。病院で出された薬をのみ、太宰のもとへ向かう。
あぁ、苦しいなぁ。この病気が分かった時に言えれていればこんなことにはならなかったのに。
「も〜!遅いよ、中也、!」
「ごめんな、太宰」
「来るときに道を間違えたんだ」
「中也ってば阿呆だね」
本当はこんなやり取りをずっと続けていたかった。
年を取って死ぬ時も、太宰の側にいたかった。なんなら、俺がそばにいないといけなかったんだ。
「黙っちゃってどうしたの?」
「今日は偶にしかない休みなんだからたっくさん飲も!!」
「あァ、そうだな」
「ね〜ぇ〜ちゅーやの顔真っ赤だね〜笑」
「なんでお前はそんな普通なんだよ!?」
「うふふ、凄いでしょう?」
今すぐ此処から逃げたい。酒のせいだと言うことにしてなんにも無かったことにしたい。
こんな自分が大嫌いだ、自分のことを愛してくれる人に簡単なことも言えない自分が。
⋯今、言うか?今なら太宰にも酒が入っているから、言うなら今しかないのかも知れない
「なぁ、太宰」
「どーしたの?中也」
「俺な、手前に言いたいことが…」
不思議そうな顔で見つめてくる。太宰の顔がこんなにも美しく感じられたのはいつぶりだろうか?
「太宰、手前のこと俺はずっと愛しているから」
また、逃げてしまった。後ろめたさと後悔が渦巻いていて気持ち悪い。
「うん、知ってる」
「私も中也のことがすき、すき、だぁいすき」
そういう彼の顔は紅く染まっていた
次回「本当は」
next♡➟25