テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
トントン、と窓から音が聞こえてきた。
これは俺たちの秘密の合図。きっとまたあいつが寝付けなかったんだろう。
「どうしたん?なつ」
カーテンを開けて音を立てた張本人を見る。俺の幼馴染で親友のなつだ。小さいころからいつも一緒にいて仲良し。
なつはパジャマ姿で少し眠いのかトロンとした瞳で俺を見つめる。
「いるま、寝れない」
「…しょうがないなー。俺の部屋来る?」
「んーでもバレちゃう…」
「大丈夫。うまく隠すから。」
なつをうまく言いくるめ、窓からこちらへ来てもらう。
「これるか?運動音痴くん?」
「うっせ、ばか」
なつは悪態をつきながら窓を飛び越えた。
見事な着地。さすが何年もやってるだけある。
「ほら、こっちおいで?寝かせてあげる」
「ん、ありがと」
さっきまでの悪態はどこへ行ったのか。今は素直に俺のベットの上に来た。
可愛い幼馴染がパジャマ姿で俺のベットにいる…なんかよくないだろこれ。
明日も学校あるのに。このままここから出したくない。
変な独占欲が芽生えそうになるのを必死にこらえ、なつに話しかける。
「今日はどうしたの?」
「いるまがいなくなる夢見た」
「…大丈夫。俺はいなくならないよ」
「でも、」
「ほら、ここにいるから。大丈夫。」
そういいながらなつの小さい体を抱き寄せる。俺の体にスポっとぴったりサイズで埋まるのがかわいいし、最高に可愛い寝顔が見れるから最近のお気に入りの体制。
「夢に見るまで俺のこと好きなん?」
「からかうな。自意識過剰」
「そーかな?この理由で来たの何回目?」
「…っ」
なつは一瞬ムスっとした顔をした。拗ねてるときの癖のようなもの。かわいいからあんましやってほしくないが。
そんな顔をしながら彼は爆弾発言を落とす。
「悪いかよ。好きでも」
「…は?」
今、なんて、。
「…」
「…なんか言えよ、ばか」
「ごめん、急すぎて」
「もー今ので嫌いになった」
「え、うそ、ごめんって」
「ぎゅーして寝かしてくれたら許す」
「そんなんいくらでもします。」
なつはまた甘えるようにして俺に抱き着いてきた。けど耳まで真っ赤なのが暗い部屋でもわかる。
「あのさ、なつ、」
「ん?なに」
「もっかいいって。さっきの好きって」
「な…っ、もー二度といわねぇ!」
「そんなこと言わずにさ、お願い」
「…一回だけだからな」
「うん」
「これ言い終わったら即寝る」
「うん。」
なつは深呼吸をして、俺の目をまっすぐ見る。少し下の位置いるせいか上目遣いになっててかわいいーなおい。
「…大好き..っ、……はい、終了!」
なつは俺の返事も聞かずに布団にくるまる。
俺はその破壊力にただただ固まるしかなかった。
数秒後、恥ずかしさからなのか少し震えてる塊に声をかける。
「……おい、寝たふりすんなよ」
布団の塊になったなつを、上から丸ごと抱きしめる。
返事も聞かずに逃げるなんて、ずるい。 好きなんて、あんな顔で言われたら、もう絶対に離してやらない。
「……おやすみ。明日、覚悟しとけよ」
暗闇の中、なつの耳元でそう囁く。 逃げたはずの布団の塊が、びくん、と跳ねた。
明日の朝、こいつがどんな顔をして起きるのか。
自分のものだと確信した優越感と、もっと欲しくなる独占欲を抱えたまま、俺はなつの背中に顔を埋めた。
~end~
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!