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最近、誰かに付けられている気がする。
仕事へ行く時、帰る時、そのどっちも誰かの視線を感じる。
警察に相談しようにも、確証が無いからかまともに取り合ってくれようとすらしてくれない。
こういう時に証拠でもなんでもあれば良かったな。と改めて思う。
鞄を持ち、1つ溜息を吐いた。
今日もまた誰かにストーカーされているという
今日も恐怖感の中、帰らなきゃいけない。
そう思うと憂鬱で仕方ない。
冷たさでかじかむ手に1つ息を吐き出した。
やっぱりだ。
後ろから足音が聞こえる。
ただの足音じゃない。
威圧感を感じるような、恐ろしい足音。
後ろは怖くて振り向けない。
振り返ったら顔を見られてしまうんじゃないか。
というか、もう見られているんじゃないか。
いや、絶対見られている。
止まる事とも出来ずに、ズンズンと歩き続けた。
最悪、道中で何処かのコンビニか何かに入って、店側からしたら迷惑極まりないだろうけどストーカーが遠ざかるまで長居させて貰えばいい。
それだけを考えて、とにかく歩いた。歩き続けた。
ただ1つ、盲点だった事がある。
赤信号だ。
赤信号に引っかかると止まらざるを得ない。
周りを見渡すでも無く、後ろを振り返るでも無く、ずっと下を向いていた。
しかも目の前で青になったから、しばらくは変わらない。
『ねぇ。』
「ッ…!?」
腰が抜けて、その場にへたり込んでしまう。
『清水さん、やっと気付いてくれたね。』
「ゃっ、ぴ、ろっ、…。」
自分の頬から顎にかけて添えられた手は、酷く冷たかった。
『やだじゃないでしょ。…あーあ。泣いちゃって。』
『泣きたいのはこっちなのにね。別れてから、僕の事なんかすっかり忘れて…。』
忘れた事なんか、一度も、
違うって、口すら開けなかった。
『ほら、立って。って、立てないか。腰抜けちゃってるもんね。』
気付けば俺はぴろに抱えられて、すぐそこの路地に居た。
俺はコンクリートの地面に壁に支えられる様に座っていて、ぴろはその目の前にしゃがみ込んでいる。
『清水さん、今の彼女さんは?』
「いまは、いない…」
『ふーん、僕と別れてから一切?』
ぶんぶんと必死に頷いた。
『でもさ、もしかしたらこれから作っちゃうかもしれないでしょ?』
「っ”それ、は…」
『じゃあ作らないようにしなきゃ。』
何を言っているか分からなかった。
一言も、一言一句、意味が分からなかった。
『ここで、一緒に死のう。』
『大丈夫だよ。僕もすぐ追いかけるから、』
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