凛side (※𝕏にて、参考資料が御座います)
糸師 冴を不幸にしたい
俺の人生を狂わせた
兄の人生を同じように
この手で
狂わせてやりたい。
俺が兄貴に囚われているように
兄も俺という存在に囚われ
苦しめばいい
傷付けたい
夢も
希望も
明るい将来も
全部!
…潰してやりたい
尊厳を踏み躙って
プライドをとことんへし折って
ぐちゃぐちゃに壊して_
一生サッカーなんか
できない身体にしてやる
独りで幸せになるなんて
誰が許してやるかよ
「_…相変わらずお前は…
どうしようもねぇバカ弟だな」
_違う、本当は
本当はアンタと幸せになりたい
隣にいたい
認められたい
褒められたい
他の誰でもなく
俺だけを見てて欲しい
一緒に生きていきたい
俺はただ、
ずっと
寂しかった…だけ
なのかもしれない
お願いだ、兄ちゃん
もう一度チャンスを頂戴
俺を見て
俺のプレーを見てくれ
時々、
破壊衝動に襲われることがある
試合に出してもらえない時や
思ったプレーができない時
抑圧された環境に
精神が飲まれていく感覚
ホラー映画を観て気を紛らわすけど
足りない
あの狂暴で破壊的で快楽的な衝動が
足りない
足りない
足りない
もし、
人生を好きな場面まで
巻き戻せるなら
どうするだろう
小学校に入る前?
くじ引きをもう一度引き直す?
もういっその事新生児からやり直す?
(兄貴なら多分…)
冴(俺ならきっと)
_凛のプレーに惚入った時だ
俺は強がったりしてない
一方通行だとか
可哀想だとか
うっせぇよ
愛情が釣り合ってなきゃ
やっていけねぇなんて誰が決めた
兄貴が抱いている感情が
家族愛のそれ以下でも
俺の想いより
遥かに軽いものでも構わない
_『俺は…
兄貴の隣を独占できればそれで良い』
兄貴の人生をぶち壊すのは
俺なんだよ。