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はじめましてのやつ。口調が分からない。



文才なんかありません。

案の定駄文。駄文。

cpはどこかに記載してます。

主はにわかです。解釈違いがあると思います。

※ご本人様には関係ありません。



















海の底みたいな暗闇で。太陽なんて届きっこない夜闇の空間で。

怪我の痛みを和らげるように、浅い呼吸を繰り返した。

任務中、良くないミスをした。自分でも中々に珍しいと思う。それがこの有様だ。ざまぁないね。

怪我したところがドクドクと脈打つ感覚。血に濡れた衣服がまとわりつく不気味な生暖かさ。


俺、このまま死ぬのかな。


はは、と乾いた笑いが口から漏れた。

いや、多分生きるのだ。自分はいつだってそうだった。往生際悪く生にしがみついては、また死ねなかったと勝手に後悔する。

今回だってきっとそう。この程度の傷で自分が死ぬわけがなかった。

でも。


「くるしい、なぁ…」


圧迫されてるみたいな。喉に何かつっかえてるみたいな。そんな息苦しさ。

暗闇が。太陽の届かない深海が。俺のことを嘲笑った。


酷く疲れていた。もう、寝てしまおうか。

そうして、ゆっくり。目を、閉じて…


『せらおぉ!!!無事かぁ!?』


叩き起された。朝を疑うくらいの明朗な声によって。


「ひ、ば…」


思ってたよりもずっと掠れた声が出た。


やめて。来ないで。こっちに。太陽の元へ帰って。それが似合う人だから。雲雀は。


俺と同じまで堕ちてこないで。


何もかも分からなくなって蹲った。

暗闇にいる彼は見たくなかった。


でも、


『せらお!もう大丈夫だからな!!』

「ぁ…」


向日葵みたいな笑顔。それが俺にだけ、惜しげも無く注がれた。

月、だ。彼が入ってきた窓から、彼の後ろから月が見える。


月光に照らされた彼が、こんなにも輝きを放つのを、俺は知らない。

朝の爽やかさが。昼の朗らかさが。夕焼けのおおらかさが。そんなものが、似合うって思ってた。

太陽が似合うって。太陽、みたいって。でも、違った。


キリ、と張り詰めた夜の空気が、こんなにも雲雀に似合うことを、俺は知らなかった。


俺が、俺じゃなきゃ知れなかった。



『アキラと奏斗が急に連絡つかなくなった!  って慌ててたぞ、せらお』

一緒に走りながら話す。

そういえば、何処かでインカムを落としてきてから、凪ちゃんと連絡をとっていない。

帰ったら怒られるな。なんて考えていたら、雲雀が窓枠に足をかけた。


『せらお!こっち!!』


そのまま、隣の建物へ移ったらしい。

俺も直ぐに窓枠に足をかけて、飛び移る。否、飛び移ろうとした。


『せらおも早く!!』


ああ、今すぐにでも行きたいさ。でも、足が動いてくれないんだ。


追っ手が来てるのも分かってる。普段ならこんな距離、なんてことない。なのに。


堕ちるのが、どうしようもなく怖い。


少しの空白。先に行って、と出した声はきっと震えてた。


雲雀がほんの少し俯いた。ほら、早く。置いていって。足手まといでしょ?


本当は、一緒に居て欲しいくせにね。




『大丈夫!!俺がいるから怖くないぞ!!せらお!!』


目を見張った。

夜の太陽が、俺に向かって微笑んだ。仮面越しでもよく分かる程、快活に。

どうしようもなく眩しくて。みっともなく泣いてしまいそうになる程、目に痛くて。きゅうっと、目を細めた。


今なら。きっと。

血に塗れて、薄汚れた羽でも、飛べる気がして。

雲雀となら、何処へでも、何時までも。


ぐっと伸ばした手を掴まれて、引き寄せられる。


『よく頑張ったなぁ!!せらお!!』


雲雀と話すのが好き。いつでも些細なことで褒めてくれて、名前を呼んでくれる。


子供じゃないんだけど、って笑ったら。

そっかぁ!! なんて雲雀も笑って、子供にするみたいに頭を撫でられた。


その時、手袋越しの温もりは、確かに俺の手の中に存在してた。

それを知れただけでも満足だけど、


まだ、離してあげない。





手でも繋いで帰ろうか。子供みたいにはしゃぎながら。

今日は。今日くらいは。



確かな温もりを握りしめて。






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