コメント
0件
気がつくと私は、薄暗い部屋に閉じ込められていた。口は塞がれている。手も足も固定されている。
本当の誘拐って、こんな感じなのかな。
「あ、なのかちゃん起きた?」
そう言って彼は目の前にある椅子に座った。彼はニコッと笑っている。こんな状況の時に眠気が…
「まだ眠い?」
私はわざと逸らしていた目線を、彼の目に向けた。もしや、睡眠薬か。一口飲んだだけでも寝てしまう、どんなけ強烈な睡眠薬なんだ。私は頑張って開けてた目を、閉じてしまった。
「おい!なのかはどこだ!!」
「あおもいねーぞ…どーゆー事だ…」
「二人共落ち着いて…きっとどこか出かけてるんだよ…」
「いや、明日引越しって二人に伝えてるし、 こんな夜に出かけるなんてないと思う」
「一体どこに行ったんでしょうか…」
「おい…どーゆー事だよ…
あいつ、森の中にいるぞ…」
んん、あれ、私、寝てたんだ…あ、まだあおさんいる…
「おはよう、起きた?」
その声を聞いて、今、やばい状況にいるのだと察した。今彼と私は、ベットのようなもので寝ている。喋れるようにもなっている。呼吸をしやすいようにしてくれたのか…?
「あの、他の皆さんは…」
「他の人のこと考えないでよ」
いないんだ。
ってことは、殺される…?
「あ、あのあおさん…」
なぁにとニコッとする彼。
「殺しますか、私の事」
「どーだろうね」
彼は私をお姫様抱っこして、先程座っていた椅子に座らせた。彼も目の前にある椅子に座る。背もたれ部分を前にして。
「んー、お、こっちに来てるね」
あおさんは時計のようなもので何かを見始め、私の方を見た。
_少し時間がかかりそうだし、僕の過去の話をしてあげるね
そう言って彼は、またニコッとした。