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sm side.
「シャークん…シャークん」
「んん…んだぁ…?」
久しぶりに大学のメンバーと飲み屋に集まって、乾杯を交わしてから約2時間。珍しく、シャークんが酔いつぶれてしまった。どうやら上司に怒られたかなんだかで、さっきまで焼酎やらビールやらをヤケ酒していたのが原因だと思うが。
「あっはwwシャークん飲みすぎ〜ww」
Broooockはそれを見て呑気に爆笑し、きんときは苦笑い。こういう時は大抵、酔ってだるいノリになった奴らが…
「スマイル、こいつのこと帰してやってくんね?w」
ほらな。
「ハァ!?なんでだよ…」
「いや〜、お前が1番酔い回ってないしw」
「きんときは素面じゃねえか」
「俺はこいつらを車で帰さないといけないんだよ」
きんときの指の先には、もう既にテーブルに突っ伏して寝ているきりやんと、こちらを見てニヤニヤ笑っている2人。
「お前ら、こっから家近いだろ?」
「…」
「ッたく…しゃーねえな…」
結局俺は折れて、毎回誰かの介護をする羽目になる。いっそのこと、俺も飲み潰れればいいのかもしれないが、酷い二日酔いになるのはごめんだ。
「シャークん、立てるか?」
「ん…」
力の抜けたシャークんの肩を担ぎ、飲み屋をあとにする。絶妙に身長差があるせいで歩きにくいが、辛うじて少し自分で歩いてくれているのでありがたい。
「もうすぐ、だからな」
「んん…」
見慣れたアパートに着き、エレベーターで3階まで上がる。シャークんのポケットから鍵を取り出して部屋に入るなり、シャークんは俺から離れ、廊下に倒れ込んでしまった。
「ッ…おいぃ…」
シャークんを抱え込み、彼の寝室まで運ぶ。他の奴らなら放っておくところだが…すやすやと静かに寝息をたてる、まるで幼い子供のような彼を、硬くて冷たい廊下に置いていく訳にはいかない。
「ふぅ…」
「…ちょ、シャークん?」
彼はベッドに下ろしてもなお、何故か俺の袖を掴んだままだった。このままだと帰ることが出来ないため、眠っているとはいえ離してもらうために起こすしかないのだが…無駄に力も強いし、声をかけても起きる気配がない。
「シャークん離して───」
「おわッ!?」
突然強い力で引っ張られ、バランスを崩す。目の前には泥酔しきったシャークんが、蕩けた目を細めて笑っていて、彼の腕はいつのまにか、俺の首に回されていた。困惑した俺は離れようと試みるがびくともせず、もはや彼の愛しい顔が徐々に近づいても、俺はそれを受け入れることすら本望だと、呑気なことを思うだけだった。
「んぅッ…」
強い酒の香りに、意識が朦朧とする。それだけでなく、甘いものが苦手なはずの彼から、何故か甘ったるい匂いがして、彼に飲み込まれたばかりの俺を、さらに溶かしていく。徐々に息が苦しくなり、思わず小さく声を漏らす。その度に彼が楽しそうに笑うので、その余裕さに翻弄される自分に情けなさすら感じてしまう。
「はぁ…ッ…はッ…」
「なに…なッ、んで」
そこにいつもの彼の表情はなく、俺に向ける目も、まるで違った。そう、彼が今求めているのは、本当は俺じゃない、そんな気がした。飲みの時、散々お前の好きな人の話を聞かされたんだ。…というかそれ以前に、人を不意打ちで襲うなんてどうかしてる。
「やッ…め、しゃけ落ち着ぃ…んッ…」
彼を止めなければという思考も、だんだん薄れていく。そのくらい俺の正気はなくなっていて、もはや抵抗することも不可能だった。
何故って、こいつには力も敵わない…
いや、こんな のはただの言い訳だ。どんな形であれ、いつかこういうことをしたいと望んでいたのは俺の方だったのだから。
ああ、
こんな最低な俺を許してくれ。
shk side.
強い頭痛と身体の痛みに目が覚める。見慣れた天井を見て、初めてここが自分の部屋であることに気づいた。きっと、誰かが家まで連れてきてくれたのだろう。
そしてそれが誰かは、案外早いうちに分かった。ベランダで煙草を吸っている、その背中は間違いなくスマイルのものだ。後ろ姿だけでも様になるなんて、罪な奴。
何故か俺は服を着ていなかったので、枕元に折りたたまれていたものを着て、スマイルの元へ向かった。なんで朝までここに残ってたのか、ちょっと引っかかったけど。
「おはよ」
俺の目に最初に映ったのは、スマイルの綺麗な首筋にある無数の赤い痕だった。そして思い出す、さっきまで枕元に置かれていた俺の服。その二つが嫌でも繋がって、俺の顔は沸騰したように、一気に熱くなる。
「…シャークん?」
「あ…おう、おはよ」
涼しい風が俺たちを包み、運ばれてきた煙草の匂いが鼻を掠める。俺にはない昨日の記憶を、彼の口から聞こうとするのは野暮だろうか。そんなことを考えながら、だんだんと冷静さを取り戻した俺は、事の重大さを思い直す。
俺はスマイルと付き合っていた訳でもなく、名前は忘れたが、何とかとかいう友達でもない。…ただ一方的に、俺が想いを寄せていた、それ以上でもそれ以下でもなかった。
「…ッ」
俺の顔はたちまち青ざめ、目の前が歪んだ。四方八方から、指を刺されている気がした。お前は酒に任せて、救いようのない、最低なことをしてしまったのだと。
「スマイル…?」
どれくらい時間が経ったのだろうか、スマイルが持っていたはずの煙草はとっくに、灰皿に潰されていた。スマイルはまるで、何も気に留めていないみたいに、顔が歪んだ俺の心配さえしているような目で俺を見つめる。
今はただ、昨日何があったのかを知りたかった。俺の知らない、俺が犯した紛れもない罪を償うために───
「あのさ、」
「なかったことにしよう、昨日のことは」
俺より先に口を開いたスマイルは、驚くほど冷静にそう言った。儚い瞳は別れを告げてくるようで、地獄にいる俺を救ってくれるようでもあった。同時に、彼しか知らない真実が、ないものになろうとしている。
「こんな奴がお前の初めて、なんてことはな」
なかったことになんてしたくない、”こんな奴”なんて言葉を思い切り、否定してやりたい…そんなこと出来るはずもなく、溢れそうな涙がばれないように、そっと俯く。泣きたいのは決して俺じゃない、被害に遭ったスマイルの方なのだから。
「ッ…ごめ───」
「なーんて言うと思ったか?」
「…えッ?」
思わず目を見開くと、せき止めていたはずの涙がぽろぽろ溢れ落ちる。俺の歪んだ視界にいるスマイルは、怒っているようだけど、からかっているようにも見える、そんな顔をしていた。そして、いつも文句を垂れる時のように、口を開いた。
「俺に散ッ々、あんなことしといて」
「ご、ごめん…」
「…ッというか」
「俺は好きだから」
スマイルは消え入りそうな声でそう言った。
…待て、好きって言ったか?今。いや、でもさっきは、散々あんなこと、みたいな…やっぱり、恨んでるだけなのか…?
「お前は俺じゃない相手が良かったかもしれないが…そんなの俺の知ったことじゃない」
「…ってことで」
「付き合ってくれるだろ?俺と」
俺はいつのまにか壁に追い詰められていて、にやっと不敵な笑みを見せる彼に、能天気にも胸を踊らせる。
もちろん俺には拒否権なんてないし、それ以前に断るわけもない。
「分かった…」
「…え、いいの、ほんとに?」
「俺も…好き、だから」
「嘘なんかつくかよ」
「ふーん…」
「じゃあ飲みの時に話してたの…全部俺ってこと…か、、へえ…」
「は?!何だよそれ?」
「いやあ、?なんか…」
「ばッ…!やっぱ言わなくていいッ…」
たしかに、そう言われてみればな。
…ほっとした。
長くなりましたね…
閲覧ありがとうございました!
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