モノローグ 杉琴歌澄ver.
僕はいつもダメだ。どれだけ努力をしても、どれだけ頑張っても、僕は一向に成長しなかった。
自分でも分かっている。これがどんなに母さんにとって苦労することで、辛いことか。そんな僕が嫌いだったのか母さんは毎日僕の事を怒鳴り散らし、時々殴ったり、持っていた包丁で脅かされた事もあった。そんな罵詈雑言や虐待に近い事をされているのに、僕は頷く事と、涙を流すことしか出来なかった。反論なんてしたら自らの命が脅かされる危険がある事だけ分かったのだろう。
そんな僕は母さんの罵詈雑言や暴言、中傷等を聞く為に産まれて来た訳ではないから、偶に母さんが家を留守にしてる時、自分の首に縄をかけたり、銃口を頭に向けたりしてみていた。そうさ。その時はそのまま消えたい気持ちだったんだ。
表情変えることなくゆっくり引き金を引いて打った時、完全に間違えた事をしてしまった事を覚えている。こんなに消えたいと思っているのに、死ぬのが怖い。ただその思いだけがある中、走馬灯を見ている時、前が真っ白になり、知らない人?が出てきた。その生き物はこちらに向かって何か話していた。耳を傾けると、「そのまましんでいいのか?」とか、「きみにはもっとたのしめるじかんがある」と囁いていた。その生き物は最後に、こちらに手を差し伸べてくれた。顔は見えなかったが、明らかに人では無いことは分かった。でもいざ手を握ると、暖かく、柔らかい感触が僕を包んだ。その時、自分の中に閉じ込めた感情が爆発した。よく覚えていないが、その生き物は一生懸命僕を慰めていたと思う。そしてその生き物は最後にこう言って、消えてしまった。「きみはきみじしんのままでいきることができるけんりがあるよ。」と。
僕は知らないばしょに血塗れで横たわっていて、なんか知らないねこみたいなのが僕を運んでくれて緊急治癒をしてくれた。
今僕は幸せにこの皆京郷で過ごしている。どうやらその生き物の名前はゴマたんというらしい。
…君は君自身でいい、か。
その言葉を胸に留め、今日も僕は生きている。
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