恋のオーラ 〜SnowManとのあの物語〜

第6章

イベントの本番が終わり、全員が一つの大きな成功を祝った夜、SnowManのメンバーたちの心には静かな余韻が広がっていた。華やかな舞台が終わった後、のあは一人で外の空気を吸いに行くことにした。彼女はまだ興奮冷めやらぬ様子で、ふとした瞬間に笑顔を浮かべた。

「すごかったな、今日…」のあはひとりごちて、広がる夜空を見上げた。普段なら緊張で心が震えていたはずの瞬間も、今日は不思議と心が穏やかだった。ステージの上で、彼女は自分自身の力を信じ、見事にその役目を果たした。

だが、のあの心の中には、複雑な感情が渦巻いていた。SnowManのメンバーたち一人一人に対して、彼女は少なからず特別な感情を抱いていた。それぞれが彼女に対して優しさを示し、支え合い、そして時折、目を合わせるたびに心が動いた。

「誰かを選ぶって、こんなに難しいことなんだ…」のあは深いため息をつきながら、ふと思った。自分の心がどのメンバーに向いているのかを、どうしてもはっきりと分からない。そしてその答えが見つからないまま、彼女の胸にはどんどんと切なさが広がっていた。

その時、宮舘涼太がのあを見つけて歩み寄ってきた。彼は少し迷いながらも、のあの隣に立った。

「のあちゃん、こんなところで一人？」宮舘は優しく声をかけると、のあは驚いて顔を上げた。

「宮舘さん…あ、いえ、ちょっと外の空気が吸いたくて。」

「そうか。疲れてるんじゃないかと思って心配してた。」

その優しさに、のあは少しだけ心が温かくなるのを感じた。宮舘は、何も言わずにしばらく彼女の横に静かに立っていた。二人の間に、無言の時間が流れた。

「ありがとう、宮舘さん。」のあがぽつりと言うと、宮舘は少し驚いたような顔をしてから、にっこりと笑った。

「何かあったら、いつでも言ってね。」その言葉に、のあは心の奥で何かが温かく広がるのを感じた。彼女はその笑顔を見て、ふと心が落ち着くような気がした。

その瞬間、他のメンバーたちが遠くから二人を見ていたことに気づいたのあ。特に、佐久間大介の視線が気になった。彼は少し遠くから二人を見つめながら、複雑そうな表情を浮かべていた。

「どうしても、彼女には俺しかいないんじゃないか？」佐久間は胸の中でそう思っていた。彼の心もまた、のあへの感情が日に日に強くなっていたからだ。だが、他のメンバーたちが彼女を気にかけ、優しくしているのを見ていると、どうしても自分の気持ちを表現することができなかった。

その夜、打ち上げの最中、のあは全員が集まる中で決心したことがあった。彼女はこれ以上、誰かの心を引き裂くことはできないと感じた。自分の気持ちを整理し、誰か一人を選ぶべきだと。

「明日、みんなに伝えよう。」のあは心の中でそう思いながら、静かに一人で外に出ていた。

そして、翌日。リハーサル後、メンバーたちは集まって食事をすることになった。その席で、のあは全員が静かに食事をしているとき、突然立ち上がった。

「みんな、少しだけ、話がしたいんです。」のあの言葉に、全員が驚いた。テーブルを囲む彼らは、何も言わずに彼女の方を見た。

「実は、私…みんなに言いたいことがあるんです。」のあはその言葉を口にするとき、胸の奥で何かがひっかかるような感覚を覚えた。それでも、彼女は目をしっかりと見据えて続けた。

「みんな、私にとってはすごく大切な人たちです。あの時からずっと、みんなが私を支えてくれて、私は本当に幸せでした。でも、その気持ちを抱えているうちに、自分がどれだけ迷っているのかを感じるようになった。」

その言葉に、メンバーたちは一瞬息を呑んだ。宮舘涼太が少し眉をひそめ、亮平は心配そうにのあを見つめた。

「私が選ぶべきは、誰なのか…すごく悩んで、もう心の中で答えを出したいんです。」のあは、目を閉じて静かに息を吐いた。

その瞬間、全員の心が一つになったように感じた。それぞれが心の中で、のあに対する気持ちを強く抱えながら、彼女が次に何を言うのかを待っていた。

「私は…まだ、誰かを選ぶ準備ができていないんです。」のあの言葉に、全員が驚き、そして少し安堵したような表情を浮かべた。彼女は少し照れくさそうに笑うと、続けた。

「でも、これからのことは、みんなともっと向き合っていきたい。今は、答えがまだ見つからないだけなんです。」

その言葉に、メンバーたちはそれぞれに思うところがあった。しかし、何よりも大切なのは、のあがこれからどう進んでいくのかを見守ることだと、全員が感じていた。

その夜、SnowManのメンバーたちは、それぞれの想いを胸に抱えながらも、のあの決断を尊重することを決めた。誰かを選ぶのではなく、みんなで歩んでいく道を選んだ彼女に対して、誰もが心の中で応援することを誓った。