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「この世界に偶然なんてものはないんですよ」
「え?」
「偶然の後ろにはたくさんの必然があるんです」
「どうして?」
そう聞くとルイスはなぜか笑顔になった。
「いつかきっとわかりますよ」
結局ルイスは答えてくれなかった。
ルイスはいろんなことを話してくれて私はそれに答えるだけで私たちは歩き続けた。少し歩き疲れて来たとき。
「つきましたよ」
見るとそこにはクローバーが広がっている草原だった。それに階段がついている低い山があった。
「行きましょ」
「う、うん」
ルイスに言われるがまま、草原の上に座った。
「エレナさん、クローバーの花言葉知ってますか?」
「え?ううん」
「約束」
「クローバーの花言葉は約束です」
「そうなんだ」
ルイスは空をみつめながら話しをしていて、ルイスの横顔が凄く綺麗だ。正面から見ても綺麗だけど。
「なんでそんなこと知ってるの?」
ルイスはしばらく黙ったあと口を開いた。
「俺の大好きな人が教えてくれたんです」
「そうなんだ、」
ルイスの横顔からその人のことを本当に好きなことが伝わってきた。でもそれと同時にルイスから悲しい感情が読み取れた。
「大好きな人いるんだね」
「はい、本当に好きなんです」
「どんなところが好きなの?」
「知りたいですか?」
「うん」
「俺のこと好きって言ってくれるところとか、俺の面倒見てくれるところとか、俺が悪いことしたらちゃんと怒ってくれるところとか、一番に俺のこと心配してくれて信用してくれるところとか、笑いのツボが浅いところとか、俺のこと可愛いってカッコイイって言ってくれるところとか、俺が不安な時大丈夫だよって言ってくれるところとか」
「他にもたくさんあるんだ」
ルイスくんがその人のことをすごく好きなことがすごく伝わってきた。こんなにも人に愛されているなんてその人が少し羨ましくなった。
「すごく好きなんだね、その人のこと」
「はい!すごく好きです!」
ルイスは嘘偽りのない眼差しで私を見ながら優しい笑顔ではっきりと答えた。やっぱりルイスの笑顔は素敵だ。
「きっと、その人もルイスのこと大好きなんだね」
「え……?」
「だってルイスのことが好きじゃないとルイスのために怒ったりとかできないよ」
「そうですかね……」
「そうだよ」
私はこれをいちばんよく知っている。怒られるのが嫌だとか聞くけれど、人は本当にどうでもいい人には怒らないのだ。私は、親から怒られたことが1度もない。
「エレナさん?」
「え……?」
「顔色悪いですよ?」
「大丈夫ですか?」
「あ、うん、大丈夫だよ」
「少し暗くなってきましたね」
「うん」
「エレナさんは夕日好きですか?」
「うーん、あんま見たことないかも」
「じゃあ今日目に焼き付けときましょ!」
「うん、そうするね」
初めてちゃんとみた夕日はとても綺麗だと思った。いつもこんなに綺麗だったのだろうか。
「綺麗ですね」
「うん、すごく」
「空を綺麗だと思うのは病んでいるからだって俺の友達が言ってました」
「え、そうなの、?」
「でも俺はそうは思いません」
「どうして?」
「だって、綺麗なものはいつ見てもきれいですから」
ルイスは高校生なのか疑うほど大人っぽいことを言うときがある。
「そうかな」
「そうですよ」