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それは、奏多がバイトから帰ってきたということ。
「――っ、ん、……はぁっ、」
ようやく唇が離れていき、息を吸えるようになった私は大きく息を吸い込んで吐いていく。
「……奏多が帰ってきたみたいだね?」
陽向も奏多が帰ってきたことで我に返ったのだろうか。
胸からも手を離して私の上からも退いてくれたので、これで解放されるんだと安堵する。
「陽向、悪いけど、今日はもう帰って……」
流石に今日はもうこれ以上陽向と一緒に居たくなくて、身体を起こして身なりを整えながら遠慮がちにそう声を掛けると、
「何言ってるの? 帰らないよ? 今日は一晩中一緒に居るに決まってるでしょ? おいで、稚菜――」
「え、ちょっと、陽向――?」
強引に腕を掴まれると、そのまま脱衣場の方へ向かって行き、
「陽向、何して――っ」
「浴室だと、声が響くでしょ? だから、奏多にも聞こえちゃうかもしれないね?」
「なっ!?」
浴室の壁に押し付けられた私は陽向が全く諦めていなかったこと、奏多に行為を聞かせる為に音や声が響く浴室へ連れてきたことを知って、絶望した。
「……やだ、……もうやめてよ、陽向……」
「泣かないで? 俺は稚菜に泣いて欲しいわけじゃないんだよ?」
このままでは取り返しのつかないことになる。
もしこれ以上エスカレートして一線を越えてしまっては、今までみたいに三人じゃいられなくなる。
色々な感情が混ざり合う私の頭はごちゃごちゃで、ただただ涙が溢れ出る。
それを優しく拭う陽向にどうにか止めてくれないかと頼んでみるも、
「大丈夫、怖いのは最初だけだから。稚菜の初めて、俺にちょうだい?」
「…………っ」
「俺じゃ、嫌なの? 奏多の方がいいの? それとも、俺ら以外の男がいいの?」
「……ちがっ……」
陽向には、もう私の声は届かない。
何を言っても聞く耳を持とうとはしていないのだ。
質問に答えない私に苛立ってきたのか陽向の表情は再び冷めたものになり、鋭い瞳で私を見据え――
「陽向、やっ――」
無理矢理顎を持ち上げられてそのまま強引に唇を塞がれた私はもう、何も言葉を発することが出来なくなった。
「……っや、……はぁ、……んっん、」
壁に押し付けられた状態で角度を変えながら何度も何度も唇を奪われ、抵抗しようともがけばもがくほど、押さえ付ける陽向の力が強まっていく。
耳や首筋を指で刺激され、無理矢理舌を割り入れられて口内をくまなく犯される。
与えられる刺激に身体が耐えきれなくて、脚に力が入らなくなった私は腰を抜かすようにその場に座り込むけど、陽向はそんなのお構いなしで依然として私を壁に押し付けたまま私と共に座り込んだ陽向は一旦唇を解放すると、
「稚菜、後ろ向いて、ここ掴んでて」
「や……、」
力の入らない私を無理矢理膝立ちさせると、浴槽の方へ身体を反転させてから淵へ手を掛けるよう指示してきた。