🐙🌟×👻🔪
・初心者
・低クオリティー
・完全二次創作のためご本人様方と全く関係はありません
・本編ではライバー様のお名前は伏せておりません
・地雷様はご注意くださいませ
・「」→🐙⭐️
・『』→👻🔪
VTA時代の表現があります
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(👻🔪side)
ガッ、そんな鈍い音が頭に響き渡る。
いきなりの事で、理解が追いつかない。
目の前に広がるのは、迫り来る地面。
そこで初めて、自分が顔面から転倒している事に気付いた。
身体は思うように動かないし、頭は割れてるんじゃないかってくらい痛い。
とめどなく溢れる自分の血は、思っていたより鮮明で綺麗な色だった。
もう、俺は駄目なのかもしれない。
人間が、死ぬ前に走馬灯を見るとか言ってた気がする。
今の俺にも、そのようなものが見える。
春、桜が咲いていたあの頃。
初めて、星導や伊波、カゲツに会った。
美しく咲く桜の木の下で、紫色の長く綺麗な髪を靡かせながら佇んでいる1人の男に目を奪われた。
『綺麗な奴…』
自分でも、こんな事言うと思ってなかった。
「初めまして、」
微笑を讃えながら、名前を告げる彼。
星導ショウ、聞いたことある名前だった。
俺の友達で、恋人だった奴。
大好きだった、星導晶。
名前こそ変わらないものの、目の前にいる星導は、俺の愛していたかつての星導とは何もかもが違った。
最初は、薄気味悪いと思った。
でも、だんだん星導ショウに惹かれていっている俺がいた。
俺の隣で、くったなく笑うあいつの顔、声、仕草、全部が好きになった。
それでも、ふとした瞬間にショウと晶を重ねてしまう時がある。
あいつだって記憶を失いたくて失ったわけではないはずだ。
わかりきった事ではあるものの、心のどこかで、晶を忘れられなかった。
『最期にあいつに会いてぇな……』
俺の怪我に気付き、血相を変え駆け寄ってくれる星導を見ながらそんな事を言ってしまった。
長い夢を見ていた気がする。
星導が晶の時の記憶を取り戻す夢。
「ぴょん!」
懐かしい呼び方で、俺に抱きついてくる晶。
やっぱり俺はこいつが好きなのか。
目を覚ますと、いつも世話になっている病院の病室が目に入った。
「おはようございます、」
俺のベッドの横の椅子に腰掛け、声を掛けてくれる星導。
何だか窶れていて、顔が真っ白な彼。
目の下にはクマができており、入院すべきはこいつなんじゃね?なんて思ってしまう。
「起きてくれて本当によかった…」
俺の手を握ってきて、か細く呟く星導。
もしかして、こいつずっと俺の面倒見てくれてたのか、?
献身的なサポートをしてくれている星導よりも、かつての星導を想っていた自分に、嫌気がさした。
(🐙🌟side)
桜が咲く季節になると、ぼんやりと思い出す人がいる。
もう昔のことだからほとんど忘れてしまったけど。
記憶喪失になってしまったものの、何故かふとした瞬間にその人を思い出して切なくなる。
心臓がギュッと締め付けられるような。
自分の周りの酸素が薄くなって息苦しい感じ。
俺自身が何なのかもよく分かってないからあれだけど、多分俺はその人を大切に思ってたんだと思う。
「まぁ、どうでもいいですね。」
そう独り言を呟いても、俺の心が晴れることはない。
どれだけ綺麗に咲き誇る桜を見ても、気持ちは沈む一方。
だから俺は桜が嫌い。
ずっとそう思ってた。彼と会うまでは。
西のヒーローとして、初めて小柳くんたちと顔を合わせた日。
あの日も、春らしい暖かい日差しだった。
待ち合わせ場所の近くには、大きな桜の木があった。
見事な枝ぶりで、周りの目を圧巻するように咲き誇っていた。
普段の俺なら、多分スルーしてたと思う。
でも、その時の俺は桜の木から目を離す事ができなかった。
正確に言えば、木の下にいる1人の男性に釘付けだった。
俺と同じか、少し小さそうな身長で、サラサラで綺麗な青い髪を風に靡かせ、肩に猫を乗せた端正な顔立ち。
花吹雪に拐われてしまいそうなほど、儚い雰囲気を漂わせている彼。
小柳ロウ、と言う名前を聞いても何も思い出せなかった。
でも、彼を目にした時からずっと俺の心は満たされているような感じがした。
ずっと探していたパズルの最後のピースがやっとはまったような。
小柳くんやライ、カゲツと初めて顔を合わせてから随分経った。
彼らと過ごす日々は案外楽しくて、1人でいるよりずっと良かった。
ヒーロー業は楽じゃないし、妬みの対象になる事もある。
嫌がらせを受けることもあったけど、逃げ出したいと思うほど苦じゃなかった。
それも全部、小柳くんがいたから。
月日を重ねる度に、小柳くんのことが気になるようになった。
どうやら俺が記憶を失う前から、小柳くんと俺は知り合いだったらしい。
だからなのか、たまに彼は俺に向かって悲しそうな顔をする時がある。
昔の話をして、俺が覚えていないと言った時。
彼の美しい瞳は、一瞬光を失って絶望の色が広がる。
そして、何事もなかったかのようにすぐに平然を振る舞う。
小柳くんのことは大好きだけど、俺は俺を通して昔の星導を見ている彼が大嫌い。
まぁ、記憶喪失になった俺が悪いんだけど。
小柳くんが俺のことを拒否しているようには思えない。
もしかしたら、俺のことを好きだったりしないかな、なんて思ってみたりする。
でも今の星導が好きなのか、それとも俺の知らない星導が好きなのか。
「俺の昔、知ってたりします?」
俺の周りをふよふよ浮いてるオモトに聞いてみたところで、答えは返ってこない。
「しんど、」
そんな時、小柳くんが怪我をした。
かなりの重症で、患部は頭。
打ちどころが悪かったらしく、もしかしたら記憶喪失になってしまうかもしれないらしい。
毎日病室に足を運んでも、一向に目を覚ます気配のない彼。
不安で仕方がなかった。
俺のこと忘れられたらどうしよう。まだ小柳くんが記憶を失ったか分からないけど。
俺のことだけは忘れないでほしい。俺は忘れちゃったけど。
『……ん、星導、?』
そんな事を考えていたら弱々しい声が聞こえてきた。
もうすっかり暗い時間なので、病室の電気はつけていない。
俺たちを照らすのは、月明かりだけ。
今日は綺麗な満月だった。
部屋が暗いからだろう、目を細めながらゆっくりと小柳くんは身体を起こし、俺を見てくる。
「おはようございます、」
俺が喋るのを待っていたのか、俺が言葉を発すると少し悲しそうな顔をして一瞬目を伏せる彼。
そうか、彼は今俺を試したんだ。
俺が星導ショウなのか、それとも星導晶なのか。
そして、小柳くんは晶を望んでいた。
俺じゃ駄目なら、。
「ぴょん、」
いつかの切り抜きで見た、晶が小柳くんを呼ぶときに読んでいた名前。
呼ばれた本人は驚いたように目を見開いている。
「ねぇ、小柳くん。」
「月にはウサギがいるって言いますよね。」
『…ぇ、?』
「小柳くんの目は綺麗ですよね。朧月みたいで」
「今から俺が貴方のウサギです。」
「貴方の月には俺が写ってるから、星導______が。」
本当は貴方がウサギなんだけど。そんな言葉は飲み込んで、彼の口にそっとキスをした。
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没作品。自分でも何書いてんのか分かんなくなりました。
読んでいただけましたら幸いです。
コメント
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神.....好き(,,>᎑<,,)