テラーノベル
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魅上 照 「…よって、被告人を無罪とする」
私 「は…?」
私は精神的に弱っていた。そこに追い討ちを掛けるように相手は無罪だった。
怒りや憎しみが溢れてくる。もうこの時から私は犯罪を犯してまで復讐をすると誓った。
俺(佐藤) 「烏丸!何やってんだ!?」
烏丸 「…」
烏丸の顔は血塗れだった。いつもの雰囲気では無く、冷たくて冷酷な目をしていた。
俺 「あはは…何やってるんだよ…?」
烏丸 「ゴミを捨てるだけだが…?」
俺には分かる。そのゴミ袋には人が入っている事を。
俺 「もう辞めろ!こんな事したってお前の両親は戻ってこないし、
喜ぶわけないだろ…」
ドンッ
俺の横に包丁を突き刺した。
烏丸 「黙れ…お前に何が分かる…?奪われた私の立場を否定するのか…?お前も!」
もう烏丸に…あの時の優しい笑顔は無い。自然と涙が溢れる。
烏丸 「じゃあな偽善者…二度と私に関わるな」
そう言って烏丸は去っていた。俺は声を掛けられなかった。
あの時約束したのに…
高校生の時、烏丸はいじめを受けていた。
殴られて水を掛けられたり、無理矢理髪を切ろうとされた。
それで俺はそいつらから烏丸を護った。それから関わってくれるようになった。
烏丸 「ありがとう…優しいな」
俺 「良いってことよ!それよりリボンだいぶ汚れたなぁ」
烏丸 「あ…どうしよう…」
俺 「俺の家クリーニング店だから洗ってやるよ!」
烏丸 「いや…迷惑かけるだろ?」
俺 「良いんだよ!大事な物なんだから綺麗にしなくちゃな!」
烏丸 「ふふふ、佐藤は守護神みたいだな」
俺 「俺が?何でだよ?」
烏丸 「優しいし、私の大切な物を大事にしてくれるから?」
俺 「あはは!だったら俺は烏丸の守護神だな!」
烏丸 「これからもよろしくな」
俺 「おう!約束だ!」
何で護れなかったんだろう。何で抱きしめてやれなかったんだろう。
ごめん。俺は、ダメだな。
もう、これ以上あんな烏丸を見れない。この人生を捨てれば、忘れられる。
コメント
2件
いきなり両親を無くすってとても辛いですよね。しかも犯人は無罪判決で希望もない😭最後の佐藤さんもしかして・・・。