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ドルパロもどき
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「ん?あ、おかえりなさい」
「ん、ただいま、って、、それ、」
小柳くんが俺の腹に指を指す。
「ん、あ、これですか?」
先程まで個人練としてダンスを練習していたのだがその途中で暑くなり服を結んで腹出しにしたのだ。指を指したまま固まっている小柳くんを見てなにかしでかしたのかと不安になる。もしかしたら冬なのにこんな格好をして風邪をひかせたのかもしれない。
「あの、なんですか?固まって」
周りをまわってみる。暫くして動き出したかと思えばいきなり腹を掴んでくる。
「な、なんにするんですか!?セクハラ!!小柳くんのえっち!!」
抵抗してもポーズ的に向こうが有利なのもありビクともせず揉まれるだけだった。
でも小柳くんがこうして俺に甘えることは少ないので多少は許してやろう、少しすれば解放されると信じて何も言わないことにした。だが暫くしても中々解放されなかった。そして、よく夜の時はこういうポーズをとることもあったのでそれもあって恥ずかしさを感じてしまう。
「んっ、ふっ、やめっ、ぇ」
恥ずかしさを感じてしまってから変な声が出てしまう。バックハグ状態なので小柳くんのが元気になっているのがわかってしまう。何回言っても止めず、恥ずかしさがカンストしてしまい小柳くんを突き飛ばして帰ってしまった。
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後日 ru視点
あのセクハラ紛いをしてから数日が経った。あの日から会っておらず謝罪もできないまま前々から予定していたデートの日になった。この日は俺の家に来てゲームをするだけだった。特に何をする訳でもない。まだかまだかと待ち遠しく思っていると玄関の鍵が開く音がした。合鍵を渡しているのは星導しかいないのでようやく会える。たった15分だが体感は3時間に感じられた。足跡がしリビングの扉が開く。
「この前はすまんかった!」
リビングに入ってきたと同時に頭を下げる。どんな顔をしているかは分からないがへ、と間抜けな声が聞こえてきたので予想外だったのだろう。
「あの、顔、あげて?」
少し疑問形になっていたが顔をあげる。そこにはまさかの腹出しの服を着ながら頬を染めている恋人の姿。
「この前好きっぽそうだったし来てみたんだけど似合ってます?」
照れくさそうに自信なさそうに言うがそんなのもちろんYesしかない。むしろ可愛すぎて変な虫がついてきて来すぎて心配になってしまうほど。
「こん前みたいに突き放さないから、今日は好きにしていいよ、?」
言うだけ言って満足!と言うように振舞っていた。その姿がまた可愛かった。
【後日譚】
へそ出し衣装はお家デート限定の衣装となった。アイドルの衣装としてへそ出しが来た時は小柳が星導のだけへそ出しじゃなくしたので本人は1人だけ違う衣装でかなり凹んだとか。だがそんだけ自分に依存してくれているという事実もまた嬉しいので許してしまうのであった。
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