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ペケ
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かわそ🍼💙🤍
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⚠️注意お名前を借りてるだけで、ご本人様とは一切関係ありません。デリケートな界隈ですので拡散等は絶対にしないでください。
初書きです。下手くそなので苦手だと感じたらすぐ逃げてくださいm(_ _)m
攻💛
受💙
✂︎———————————–————-✂︎
💛side
太智と別れてからも、仕事の上では特に変わりない。
別れを告げられたあの日の深夜に行われたリモート会議では、昼間のことが夢だったのではないかと疑うほどだいちはいつも通りだった。
「吉田さん、それ佐野さんがさっき言ってた事とおんなじやん」
「え、嘘。ほんと?」
「ほんと。ちゃんと聞いてた?」
いつもの太智だった。
小言を言ってきたり、たまにくだらないボケを挟んできたり。
あまりにもいつも通りで。
正直、少しだけ安心した。
「じゃあ、今日はこれで。お疲れさまでした」
誰かがそう言う。
「お疲れさまでーす」
次々と通話から人が抜けていく。
付き合っていた頃なら、ここからだった。
みんなが抜けたあとも、なんとなく二人だけ通話に残って。
『吉田さん、まだ起きてる?』
なんて、だいちが話しかけてきて。
そこから仕事とは関係ない話をした。
今日あったくだらないこととか。
明日の予定とか。
眠いのに、どっちも切ろうとしなくて。
気づけば、1時間くらい話し込むこともあった。
でも。それはなくなった。
会議が終われば、太智は真っ先に退出するようになった。
今日の撮影でも、平気で肩に腕を回してくるのに、撮影が終わった瞬間、すぐに俺から離れていく。
楽屋に戻っても、
太智は俺から離れた場所でスマホを見ている。
昨日までなら、太智が俺の隣に来て、皆の撮影が終わるまで、くだらない話をする。
それがお決まりだった。
太智は大人だ。
仕事に関すること、みんなで集まる時は、前と何も変わらない様子で俺と話すし、私情を持ち込んで ずっと引きずったりしない。
ただ。
仕事以外の時間で俺と関わるのを辞めただけ。
俺から話しかけることもできない。
もう、話しかけていい立場じゃない。
スマホを開く。
太智とのトーク画面。
何気ない会話が、ずっと残っている。
俺が適当に返したメッセージにも、太智は嬉しそうに返していた。
思い返せばいつも、あいつは俺との時間を大事にしてくれていた。
俺は、それにちゃんと応えられていたんだろうか。
……いや。
応えられていなかった。
全部、見透かされてた。
「俺、吉田さんが俺のこと好きなふりしてんの、もう見てられへん」
あの言葉が、何度も頭の中で繰り返される。
……好きなふり。
そんなつもりじゃなかった。
でも結果的には、そうだったんだろう。
太智を傷つけたくなくて、付き合った。
太智を傷つけたくなくて、好きになろうとした。
なのに。
結局、もっと傷つけた。
……何やってんだ。
スマホを伏せる。
太智に謝りたい。
でも、何を謝ればいいのか分からない。
好きになれなかったことか。
期待させたことか。
それとも――
好きになろうとしたこと自体が、間違いだったのか。
考えても、答えは出なかった。
ただ一つだけ分かる。
俺が、上手くできなかったんだ。
*
ライブのリハーサル中、
ふと、太智を見る。
最近、あいつは俺を見なくなった。
前なら、どこにいても視線が合った。
振りを確認しているとき。
何気なく水を飲んでいるとき。
気づけば、あいつがこっちを見ていた。
目が合えば、すぐに逸らされたけど。
今思えば。
あいつ、結構分かりやすかったな。
でも今日は、一度も目が合ってない。
……まあ、当然か。
それでいい。
そう思いながらも、当たり前にあったものがなくなると、なんだか落ち着かない。
✩.。………………………………………… 。.
ライブ当日の楽屋はいつもより騒がしい。
太智が輪の中心で笑ってる。
ふざけて、くだらないことを言って。
その姿を見て、心の底から安心した。
……良かった。
太智は、ちゃんと笑えてる。
俺と別れたからって、塞ぎ込んでいない。
俺の顔色を窺って、無理して笑ったりしない。
それだけで肩の力が抜けた。
「準備お願いします!」
スタッフさんの声がけで、一気に空気が引き締まる。
俺も立ち上がり、メンバーに呼びかける。
『集合!行くぞ』
✧·˚⌖. ꙳✧·˚⌖. ꙳✧·˚⌖. ꙳✧·˚⌖. ꙳✧·˚⌖.
照明が落ちた。
一瞬で、会場が暗闇に包まれる。
次の瞬間。
歓声が轟く。
ステージに光が差し込んで、大智が飛び出していく。
「いくでー!」
その声だけで、空気が変わった。
客席を煽る。
笑う。
走る。
歌う。
踊る。
太智が動くたびに、客席の視線がそっちへ引っ張られていく。
俺も、負けてられない。
曲が進む。
太智がステージの端まで走っていく。
客席に手を振って。
そのまま反対側へ駆けていく。
その途中で、柔太朗と目が合ったらしい。
二人の間で何かが通じたのか。急にケラケラと笑い出した。
楽しそうだ。
それを見て、なぜか胸がチクチクした。
太智はそのまま走っていく。
ハッとして、俺も次の立ち位置へ向かう。
曲はどんどんアップテンポになっていく。
余計なことを考えている暇は、ない。
次の振り。
一、二、三――
身体を動かす。
歌う。
客席の方に視線を送る。
…なんとなく、隣に戻ってきた太智にも。
目は合わない。
まあ、そうだよな。
太智は太智で、客席を見ている。
俺も、ステージに意識を戻した。
それから。
歌って、踊って。
───しばらくして、もう一度、太智を見る。
今度は、向こうを向いて勇斗にちょっかいをかけている。
…また、違う方向。
ほんの少し、視線を留める。太智は全く気づかない。
……こっち見ろよ。
「……は」
思わず、息が漏れそうになって、口元を引き締める。
何考えてんだ、俺。
こっちって何だ。
俺を見ろって?
……何で。
自分で考えて、自分で分からなくなる。
次の歌詞が来る。
慌ててそちらへ意識を戻す。
歌う。
踊る。
立ち位置を合わせる。
今はそれだけに集中しろ。
そう自分に言い聞かせても、曲の合間にほんの少しでも余裕ができると、また目が太智を追ってしまう。
今度こそ。
そう思ってしまった自分に気づく。
いつまで経っても太智はこっちを見てくれない。
客席。
舜太。
勇斗。
柔太朗。
そのどれか。
俺の方は、見ない。
……なんだよ。
胸の奥が、じわっと苛立つ。
別に、見なくたっていい。
そもそも、見てほしいなんて頼んでない。
なのに。
太智が前みたいに俺を見ないのが、 なんでこんなに気にいらないんだ。
✧• ─────────── •✧
ライブが終わって、楽屋にもどる頃には、 さっきまでの熱気が嘘みたいに、いつもの空気に戻っていた。
「太智、今日このあとどうする?」
「ん? 俺? なんも決めてないで」
「じゃあこのまま飯行こーぜ。」
「あ、ええやん。行きたい」
太智が嬉しそうに笑う。
『……二人で?』
気づいたときには、口に出ていた。
二人の視線が、こっちに向く。
「……え?」
太智が首を傾げる。
しまった。口を挟むつもりはなかったのに。
「打ち上げだけど。仁人来ないの?」
『あ』
そういうことか。
『ああ……みんな行くやつか。』
「そらそうやろ」
舜太がきょとんとした顔で俺を見る。
「なんだと思ったの?」
『別に』
視線を逸らす。意識しすぎた。
ライブの関係者全員が集まる打ち上げは、思っていたよりずっと騒がしかった。
俺も、いつもより酒が進んだ。
……たぶん、考えすぎていたんだと思う。
太智のことを。
誰と話しているのか。
誰と笑っているのか。
そんなことばかり気にしている自分が嫌になって、気づけばグラスが空いていた。
「吉田さん、飲みすぎじゃないですか?」
誰かに言われて、
『……大丈夫』
そう答えたけど、自分でも分かる。
全然、大丈夫じゃない。
視界が少しぼやける。
それでも、目だけは太智を探していた。
…いた。
少し離れたところで、他のメンバーと笑っている。
……まただ。
胸の奥がざわついた。
「吉田さん?」
『……ん?』
「顔赤いですよ」
『そう?』
「もうやめといた方がいいんじゃないですか?」
『……うん』
そう言いながら、また太智を見る。
すると、太智と目が合った。
「吉田さん、大丈夫?」
そう言って近づいてくる。
『……大丈夫』
「ほんま?」
太智が覗き込んでくる。
近い。
久しぶりのこの距離が嬉しい。
「おれ水持ってくるわ」
そう言って離れていこうとする太智の腕を、反射的に掴んだ。
『……待って』
「え?」
『……どこ行くの』
「水取りに行くだけやって」
『あ……そう』
「ふ、」
太智が笑う。
「吉田さん、酔っ払いやん」
いつもの笑顔。
その瞬間、体の熱が一気に引いていくのを感じた。
……違う。
そんな、笑い方じゃなかったろ。
俺と目が合ったら、嬉しそうに笑って。
なのに、すぐに照れたように目を逸らして、
それでも少しするとまたこっちを見て。
あの頃の太智は、俺を見ると、いつもそんな顔をしていた。
――こんな、誰に向けても同じような笑顔じゃなかっただろ。
掴んだ手に、力が入る。
「……吉田さん?」
『、なんでもない』
手を離す。
太智が離れていく。
その背中をぼんやりと見つめながら、悟った。
俺はもう、お前の特別じゃないんだな。
――――――――――――――――――――
「……吉田さん、もう無理やろ」
打ち上げも終盤。
椅子にもたれたまま、ぼんやりしている吉田を見て、太智はため息をついた。
「誰か送ってって言っても、なんで俺なん……」
「だいちゃんしか支えれないからやろ」
「いや、そうやけど……」
佐野さんは次の日も仕事があるので早めに帰ってしまい、柔太朗は潰れてしまった。舜太は柔太朗を介抱しないといけないし、スタッフさんはさすがに頼れない。
ぶつぶつ文句を言いながらも、結局吉田の荷物を持つ。
「ほら。吉田さーん、帰るよ」
『……ん』
返事だけは素直だった。
*
店を出ると、夜の空気が少し冷たかった。
さっきまであれだけ騒がしかったのに、外に出た途端、二人の足音しか聞こえなくなる。
「ほら、吉田さん。ちゃんと歩いて。」
『……歩いてる』
「歩けてへんやん」
そう言いながら、太智が俺の腕を肩に回す。
そのまま、ゆっくり歩き出した。
……近い。
俺の体重を支える太智の腕。
歩くたびに伝わってくる体温。
ぼんやりする頭の中で、そんなことばかり気になった。
……俺は、太智のこと、どう思ってるんだろう。
ライブで太智が自分の方を見ないのにイライラして、メンバーにすら嫉妬して。
結局、俺の方が仕事に影響きたしてたし。
こんな、醜態晒して。
太智の腕に支えられながら、ふと思う。
太智が、もう俺のこと好きじゃなかったら。
俺は――。
嫌だ。
胸の奥に、迷いなく浮かんだ。
……なんで。
いいだろ、別に。
俺はこいつに同じ気持ちを返せなかったんだから。
むしろ、そのほうがいい。
こいつには、俺なんかより、もっと。
そう思うのに。
他の誰かに向けて笑う太智を想像した途端、胸の奥で何かがじりじりと焦げるような感覚に襲われる。
自分でも呆れる。
俺は、太智に何を求めてるんだ。
好きになれなかったくせに、 好きになってもらえなくなるのは嫌なのか。
『…都合良すぎ』
「え?」
『なんでもない』
そう返して前を向けば、太智はそれ以上聞いてこなかった。
*
足下が覚束無くて、ふらつく。そしたら、太智は何も言わずに歩く速度を落とす。
俺が体重を預ければ、その分だけ支える腕に力が入る。
何も言わない。
ただ、俺が歩きやすいようにしてくれている。
その優しさが、妙に心地良い。
太智は、昔からこうだった。
気づけばいつも、俺が困らないようにしてくれていた。大げさに手を差し伸べるわけでもなく、ただ当たり前のことみたいに。
それを俺は、ずっと当たり前だと思っていた。
いらないと思ってしまったことだってある。
なのに。
なくなってみれば、こんなにも寂しい。
もう前みたいには戻れないのだと、そう思った途端。
胸の奥が、ひどくざわついた。
太智に告白されて。
傷つけたくなくて、付き合って。
結局、ちゃんと向き合えないまま傷つけた。
そうして自分から手放したくせに。
今になって、惜しいと思っている。
勝手すぎる。
最低だ。
分かっている。
それでも。
俺の所に戻ってきて欲しいと、強く願ってしまった。
帰りたくない。
もっと、一緒に。
足を止める。
太智は急に止まった俺を、心配そうな顔で見つめる。
「吉田さん?どうした?きもちわるい?」
「待ってな、あそこのベンチすわろ。俺水買ってくるから」
そう言って太智が腕を離そうとした。
行くな。
慌てて腕を掴む。
「え」
太智が驚いた顔で振り返る。
その顔を見た瞬間、今まで押し込めていたものが、一気に込み上げてきた。
嫌だ。
離れたくない。
俺じゃない誰かを特別にしてほしくない。
俺のことを好きじゃなくなるな。
俺を見てろよ。
そんな言葉で、頭の中がぐちゃぐちゃになる。
「……吉田さん?」
『…俺』
『俺、お前のこと、』
一度、口を閉じる。
怖かった。
今さら好きだなんて言ったら。
どれだけ都合のいい人間なんだと思われるだろう。
それでも。
もう、飲み込めなかった。
『…好きだよ。』
『好き。』
太智の目を見る。
『俺、太智のことが好きだ。』
太智が、目を大きく見開いた。
けれど、すぐに視線を落とす。
「…ふっ、」
「吉田さん、だいぶ酔ってるやん。 もう喋らん方がええって」
冗談みたいに言って、俺の腕を軽く叩く。
酔ってない、とは言えない。
実際、足元だっておぼつかない。
けれど。
この気持ちまで、酒のせいにされるのは違う。
『本気だから』
太智の瞳が揺れる。
「…何言ってんの。」
『太智』
「酔っ払いの言葉なんか聞きたないわ」
無理に笑おうとしている。
でも、笑えてない。
『太智。』
まっすぐ目を見る。
「…どうせ、明日になったら忘れとるんやろ、」
『忘れない。』
太智の声が震える。
「…やめて」
「っ、ようやく大丈夫になってきたんやから、もう、期待させんといてよ」
「また、俺のこと好きなフリすんの 」
太智が俯く。すると、堪えていた涙が1粒、太智の頬を伝った。
その瞬間。
酔いが、一気に引いた気がした。
『…太智?』
泣いてる。あの太智が。
『っ、ごめん』
久しぶりに見る太智の涙に慌てて謝る。
泣かせるつもりなんてなかった。
ただ、好きだと伝えたかっただけなのに。
涙を拭ってやろうと手を伸ばす。が、その手は パシっと払われた。
「触らんといて」
太智は顔を伏せたまま、自分で涙を拭った。
「…ここまで来たなら帰れるやろ。」
「俺も帰る」
それだけ言って太智は踵を返した。
『っ、待って』
そう呼んでも、太智は振り返らない。
このままだと、帰ってしまう。
俺が泣かせたまま。
そんなのダメだろ。
『…帰らないで』
太智の動きがピタッと止まる。
『泣き止むまで、帰らないで』
自分でも呆れるほど、情けない声だった。
「…なんで」
『好きな奴一人で泣かせたまま、帰せない』
もう俺の言葉なんか聞きたくないかもしれない。
でも、これだけは本気だと、伝えないと。
『…好きだよ』
俺が出せる限りの、優しい声を絞り出す。
『俺、酔ってるけど、』
「……やっぱ本気じゃないってこと?」
『違う!』
食い気味に返すと、太智が振りかえる。
「…、じゃあ」
「明日も、おんなじこといえるか? 」
顔を上げた太智が、俺を見る。
「明日になって、酔いが醒めても、俺のこと好きって言える?」
その一言を聞いて、胸が張り裂けそうになる。
俺は、こいつをどれだけ傷つけたんだ。
『言える』
『明日も明後日も、何回でも言う』
太智を真っ直ぐ見つめる。
太智はしばらく黙って、
やがて、ほんの少しだけ口元を緩める。
「……」
「、ほんまかなぁ」
弱々しい笑い方だった。
その顔を見て、また胸の奥が痛んだ。
明日になったら、絶対に証明する。 酒が抜けても、気持ちは変わらないって。
今度こそ、こいつを不安にさせない。
安心して、俺の隣にいていいんだと。
そう思ってもらえるように、 明日、ちゃんと伝えよう。
胸の中で、そう固く誓った。
˚✩∗*゚⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩˚✩∗*゚⋆。˚✩⋆。˚✩☪︎⋆˚✩∗*゚⋆。
ーー数日後。
楽屋で、勇斗が何気なく呟いた。
「最近、だいち俺らのこと可愛いって言わなくなったよな」
「確かに。前めっちゃ言ってたのに」
「飽きたんちゃう?」
「いや、普通に可愛いとは思ってんで」
スマホをいじりながら、太智はそう答える。
「じゃあなんで?」
「言ったら吉田さん嫉妬するから」
『は?』
思わず顔を上げる。
『ちょ、待て』
「仁人嫉妬すんの?」
「知らんかったわ〜」
「ならしょうがないか」
おい。納得すんじゃねえよ。
『いや、しないからね。 あいつ適当言ってるだけだから』
「なんで俺が嘘つくねん」
こいつ。
「へぇ〜」
「仁ちゃん照れんくてええよぉ!」
「おいちゃん可愛いねぇ」
こいつら、完全にからかってやがる。
太智を睨む。
太智は何でもない顔でスマホを見ている。
『……お前なあ』
「ん?」
『勝手なこと言うなよ』
「ほんとのことやん」
『全っ然違うから』
「じゃあ言ってええの?みんなの事可愛いくて好きーって」
『…………』
なんでダメなんだよ、言えばいいだろ、
とは言えなかった。
だって、かわいいはまだしも好きは違うだろ。
「ほら」
太智がニヤリと笑う。
くっそ、腹立つ!その口!
楽屋に笑い声が響く。
「仁ちゃん、素直になりぃや〜」
『うるせえ!』
「だいちゃんだいちゃん、もう1回聞いてみたら?」
「ええのぉ?」
『ああーやめろやめろ!』
どんどん楽屋が騒がしくなっていく。
「……ブフッ」
太智が吹き出す。
「吉田さんめっちゃいじられてるやん」
『誰のせいだよ』
「俺ちゃうで」
『お前しかいないんだよ!』
また笑い声が上がる。
こいつ。本当に腹立つな。
爆笑している4人を睨みながら、椅子に深く座り直し、ため息をつく。
すると、太智が隣に寄ってきた。
「吉田さん吉田さん」
『…何』
皆に聞こえないくらいの小さな声で、耳元に囁かれる。
「大好きやで♡」
一瞬、思考が止まった。
……こいつ。
さっきまで散々、人を振り回しておいて。
『……俺も』
小さく返すと、太智は満足そうに笑って、また輪に戻っていった。
もっと小言を言おうと思ってたのに。
その笑顔を見ていると、さっきまでの怒りが、少しずつ萎んでいく。
日に日に、太智に甘くなっている自覚はある。
それをいいことに、こいつも日に日に調子に乗ってきている気がする。
……まあ、いいか。
これからも、ずっとこんなふうに笑っていてくれたらいい。
その笑顔を、一番近くで見れたら、もっといい。
そんなことを考えながら、俺も笑った。
コメント
13件
とっても素敵なお話をありがとうございます✨ 💛💙最高です✨
最高すぎました😭二人が無事に両思いになれてよかった…次回以降の作品も楽しみにしてます!
仕事上は大人になれる🧂さんと、仕事に影響をきたしてしまう🍋さんの正反対さがとても好きです……深読みでしたらすみません。読み進めていけばいくほど解釈一致が凄かったです。めちゃんこに素晴らしいお話をありがとうございました!