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🌼児童精神科 「おはようティアちゃん」「おはようございます」今日はティアが児童精神科へ通院する日。児童精神科の先生とお話をする。ティアが7歳の時からお世話になっている優しい男性の先生だ。
「最近幻聴はどう?」「あいかわらずです、薬を飲んでも聞こえるんですね」先生とティアが話すことでティアは楽になるが音声言語を自然に話すことしかできないティアは、この時間が終われば幻聴に苛まれるのだった。「そうだね、日常生活に支障が出ない薬だから、もっと強い薬は幻聴を完全に取り去れるけど副作用も出るんだ、ごめんね」先生といつまでも会話をしていられればいいのにとティアは思った。「いいえ、わたしが考えるの下手だからいけないんです」どうしたら考えに耐えられるのだろう?行動で逃げずに。(ミルだって馬鹿なおねえちゃんは嫌でしょうに、でもこのままじゃ行動で言葉を失くしてしまうわ)ティアは話の合間に考え込む。「精神疾患は君のせいじゃないよ、自分を責めないようにね」先生にそう言われてもティアは行動で幻聴をごまかして、考えなくなってしまう自分が嫌だった。それでもティアの思考は嫌なことばかり言う。空想力にイメージに守られていたあの時期は、一体なんだったのだろう?「もっと楽しいことを話そう、家族で遊園地に行ったんだよね?交換日記に書いてあったよ」ティアは先生と交換日記もしている。「はい、ミルがとても嬉しそうでした、ミルは知的好奇心が強くていろいろなことに興味を持つんです、わたしと違って考えることが生き生きしているみたいです、あの子はきっと頭がいいんですね」ティアは、どうして空想力が消え、ただの思考がティアを今こんなに苦しめるようになったのかわからない。「ミルちゃんのこと大好きなんだね、良く見てるね」先生は、ティアが抱えている知的コンプレックスを刺激しないように言った。「はい、ミルはとてもかわいいです」ティアは言った。「遊園地はとても楽しかったです、ジェットコースターが大好きで、ミルと何回も乗りました」ティアはいつまでもこんなふうだったらいいのにと思うのだった。「ふたりとも勇気があるなあ」先生はそう言って笑った。
ティアは行動で幻聴から逃げた結果幸せだった。ミルとは違う。それがティアは不安だった。抑制もせず、幸せになったティアにはいつか良くないことが起きるのではないか?そして、家族をも傷つけてしまうかも知れない。(まともに生きていけなくて本当にごめんなさい)ティアは家族に本当に申し訳なく思うのだった。
「今日はここまでにしようか?」「はい、ありがとうございました」こうしてティアの児童精神科での診察は終わった。あとは薬をもらって帰るだけ。